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どいつもこいつも使えねぇ!

木田が機能しなくなる言う事はそれはもう、この部屋にいるメンツの人生は終わったようなものである。


あれ?でもちょっとまて?


「・・・そっくりさん。そっくりさん」


と木田以外の声で話しかける者がいた。


「私がわるぅございました。許してください。」


築里奈は相変わらず謝るだけ謝りたおしている。


そして辛うじて、指で押さえている木田の指が動く。



もちろんその答えは…



“ゆ る さ ん”


「えーなんで!?」



てかこいつは今、私が言っていたこと聞いてたんかよっ!


というか、もうすでにこの場にはまともに会話できる奴など一人としていない言うことは良―くわかった!

そして、そっくりさんはこの部屋にいるものなら多分。



「あのさーそっくりさん!」


私の声に何人かびくついた反応を取った者が3人ほどいたが、そんな奴らのことすらすでに私はどうでもよくなっていた。


あーもうやけくそだ!


「明日また、このメンツで話聞くから、今日のところは帰ってくれないかな!?」



「ちょちょっと千絵子…。」



もう、ここにいる全員にもそっくりさんにも、はっきりいってなにからなにまでムカついていた。私まで意識が飛びそうになる前にどうしても蹴りをつけたかった。だからもう、そうにでもなれと思ってそっくりさん相手だろうとタメ口叩いて啖呵きってやった!



その結果。


“や く そ く や ふ る な よ”


という返事が来た。



「だそうです!」




「みんないいよね?文句ないよね?明日絶対参加するよね?」


「え…?」


「ここで文句あるなら、ここで今すぐ帰れる権利すら、無効にするけど?」


私は今までさんざん振り回されてきたこいつらを思いっきり脅した。

そりゃ自分だってここで帰れなくなるのはイヤだけど、ここはそうまでしてまでも強く主張しないといけないと思っている。

「てーか何で私たち全員がまた集まってやることになってるのよー!!」とほとんどのメンツがそう言いたげな顔をしていたが、


知るか!


元々今日私を無理やり巻き込んだのはお前らだ!お前らにはきっちり責任を取ってもらう!また私だけに押し付けて逃げるなんてことは絶対にさせない!何度もお前らには騙されてるんだから、今度こそお前らが逃げられると思うなよ!


と思いながら、全員をにらんだ。



「わ…判った…よ…。」


「・・あぁ…。」


辛うじて口が利ける里奈も映理奈もしぶしぶ返事していた。



他、香寿美も規世も木田も体を震わせながら、ひたすら頷いていた。


あとは美知子だけだが、美知子は相変わらず泡吹いて気絶していた。

いつもは意地悪グループのリーダーとして無駄な活躍ばかりして粋がっているのに、今はそんな面影が全くないのがホント情けない。



「それとあともう一つ、今度はそっくりさんに聞きたい。」


木田はもう勘弁してよーと言わんばかりな顔をしていたが、こればかりは聞いておきたい。


「もし、明日話すことができない場合どうすればいい?」


そうそれである。もしかしたら、参加できない人もいるかもだからそれだけは聞いておきたい。


「み つ か い な い か き け ん だ」


「んーっと三日までは待ってくれるんか?」


「だってさ」



なんか結局、私がこのそっくりさんとずっと喋ってるやんかー。



そこへ香寿美が


「そっくりさん私からの質問もいいですか?」


と言い出した。


「もし、また再度そっくりさんとお話ししなかった場合は私たちはどうなるんですか?」


これもまたいい質問だ。


相変わらず木田がもう疲れ切っていた。

木田には申し訳ないが、これも聞いておきたい。



“し こ く の は て ま て ゆ る さ な い”




これを読んだ者は私含めて全員が固まった。


これホントにやばい奴やん…。



私たちはもう、取り返しのつかないことになっていた。


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