意地悪女王ついに狂う (樹 映理奈)
真の嫌われ女王が死ぬと思った瞬間だった。
これはホントに楽しみだぁー。
と思った瞬間だった。
ところがだ。
がそれはなぜか、思わぬ方向へと向かっていた。
なんといきなり倒れたのは美知子ではなく香寿美の方だった。
何で…?
そして香寿美が倒れる瞬間まで、自分が死ぬかと思っていた美知子はおしっこ漏らしていた。
ああ、ションベン小娘2号がまたここで誕生した。
他人がおもらしする言う他人の不幸を見てなんかテンション上がりまくりで、思わず楽しくなってしまった。ただめちゃ臭い。
「ちょ香寿美?なんで?」
さっきまで美知子の悪く言っていた。
奈江、由利、規世の3人でもさすがに驚いていた。
どうやら、この場で一番なんも考えてないのは私だけみたい。
美知子に続き、あの意地悪大好き人間であるこの三人がここまで他人のことを気遣うなんてことはまずめったにない珍しい光景だ。
こんな珍しい光景ですら、目にできてしまうなど、今日は何てレアな場面ばかりでホント私までもがびっくりでしかない。
本来なら美知子が倒れるはずなのだがなぜか香寿美の方が倒れたのだ。
なんか、規世は香寿美の手首をいきなりつかんだ。
「大丈夫、まだ何とか脈はある。」
ああ脈測ったんかー。確か体力測定でもなんか図るよなー。まぁ私は体力測定の時だろうといつだろうとマジで適当にやってるんだけどさーそんなのー。まぁ生きていれば、なんか心臓みたいに波打つ状態いうのは判る。
「ちょっと誰か呼んでくる。」
ああここ一応病院だから、運がよかったのかもね。
ここはやっぱり、病院の娘である規世が誰か呼んでくるのは正しいけど、なんか規世だけ面倒ごと逃れたいから言う意味で逃げてるようにも見えた。
ひょっとして、このおもらしの始末私がやるとか?マジ勘弁なんですけど。
まぁいろいろやっていたら、美知子は呆けて、香寿美が倒れた。
という結果となった。
そして…まだ解決していないことがある…。
そっくりさんの返事である。
またもや不思議なことに誰も手を置いてないにもかかわらず、
“はい”
の方へと動いた。
つまりはだ。これはそっくりさんへの生贄が決まった言うことになる。
決まったのはおそらく、里奈と小津と香寿美?だと思う。
「決まったなら、もう帰ってもらえない?」
この時ばかりは私が珍しくまともなことを言っているかのようにふるまえた。
奈江はその意見には賛同できたのか、
「そっくりさん、そっくりさん。お帰り下さい。」
今回もまた最後までまともな意識があったのは奈江だけだった。
奈江がそっくりさんを終わらせた。もちろん答えは
“はい“
の方向へ動き無事に終わらせることができた。
が無事ではないのが…
「いやあぁ―――――――っ!!」
ここで一番狂っているのは美知子だ。
こいつはまだ自分が生贄になったとでも思っているのか?
それても自分が実は嫌われ者だということが分かったからか?
理由は判らないが、とにかく美知子の悲鳴は止まらない。
おそらくだと思うが、自分が名指しされてしまったので、そのまま本当に何かに憑りつかれておかしくなってしまったのだろう。
というか本当に呪われたのは香寿美?美知子?どっち?
もしくは実はこのメンバーではないので、小津は受け入れてなく、両方共が呪われた言う可能性もある。
まぁ私はこの場では見ているだけに近いので、多分ここにいる他の子よりかは状況を面白おかしく思っているが、あまりにも滅茶苦茶な状態になり過ぎていて、私ですらなんも言葉が出ない。
そうこうしているうちに規世が人を呼んできた。どうやら、病院で雇われている若い看護師さんが3人ほどきた。こんな時におばさん看護師だと怖いのでなかなかいいチョイスだと思った。用意もいいことで担架と車いすもしっかり持ってきていた。
「大丈夫?」
「どのこ?」
と看護師から聞かれ、みんなこぞって香寿美の方へと視線を向けていた。
「早く急いで」
3人のうち一人が、倒れているもう一人の千絵子に気が付いて、
「待ってもう一人いる。大丈夫ですか!!??」
と千絵子に近づいて呼び掛ける。
「…ん……。いたたたた…。」
「一応意識はあるみたい。そっちは先に運んで、私はこの子を連れていくから。」
「はい」
二人の看護師は香寿美を担架に乗せて、あと一人の看護師は千絵子を車いすに乗せて部屋を出て行ってしまった。
規世はその場で腰を抜かしてしまってへたり込んでいた。ホッとしたのも束の間だった。
そう、美知子だ。
倒れていた香寿美と千絵子は手厚く処置をしてもらえそうだが、美知子のことは何も解決はしていない。
美知子にマジでまだまともな意識あるんかどうかは判らないけど、さすが美知子。若い看護師たちとはいえ、大人がいる前だけではその間自然におとなしくできていたのはすごい。
しかし…大人たちがいなくなったとたん…。
「ふはははははは――――――あははははははは―――――」
こんなことがあっても美知子は相変わらず不気味に笑いだした。
もうこの場でなにがあってもおかしくもないぐらいに…。




