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そっくりさんパニック!


「イヤーーーーーーーーーっ!!!」



ここで大声で叫んだのは、今そっくりさんに思いっきり関わっている築里奈だ。

いつまでたっても止まらないコインの動きに大パニックだ。


「ちょ里奈ちゃん落ち着いて。」




規世は里奈に対してはぞんざいな扱いをしない。

里奈がクラスでトップクラスに成績が悪い小津義彦や左近創や宅幹一たちと同列な成績レベルしかないことを知っていたとしてもだ。

なぜなら、里奈はクラスでも鈴木由香をリーダーとするおしゃれグループに所属できるほど、かわいらしいキャラだからだ。かわいらしい&おしゃれグループの一員というたったそれだけで、クラスカースト上位になれるのだから、彼女の立場も相当なものだ。それほどまでにクラスのおしゃれ最先端を行くグループはカリスマ性が高いものなのである。


それだけ規世は、ぞんざいに扱える相手とそうでない相手を見極め、計算の上で立ち回っているイヤな存在である。



残念なことに里奈には規世のその声は届いておらず



「もうっいやっ!」



その時、里奈はコインから指を離してしまった。




「え?」


「ちょっと里奈!指離さないでよー!」


「え?ホントに離しちゃった…。」



みているだけだった美知子も規世も由利も香寿美も大パニック。

いや、少し離れて実況を聞いていた私ですら、そっくりさんの最中に指を外すなどといったタブーを冒してしまったことを聞いて、一瞬頭が真っ白になった。



「ねぇ?これどうすればいいの?」


「…」


里奈のその問いには誰も何もこたえない。



「ねぇ?私どうなっちゃうの?」


「…」


余計に誰も何もこたえない。


だから何を思ってか里奈は私がいる入り口の方まで来ようとしていた。


「イヤ。こないで…。」


私はこの瞬間、なんかイヤなものを伝染させられそうで怖くなって、無意識に里奈にそういい放っていた。


「ちーちゃんずるいよ。自分だけそんなはじっこにいてさ。」


こんな時だけ、友達ぶって「ちーちゃん」呼ばわりですか?

いつもは姉のお古しか着てない私のことを薄汚いだの、貧乏くさいだの、不潔だの、あれでも女?だの、さんざん見下してるくせにさ。どっちがずるいんだか―――?


こういう女こそほんと信じられない。


自分一人で何もできないくせにいざ困ったら、普段は自分が見下していて全く相手にしてない子でさえ、平気で利用する。この女、困ったときは絶対誰かが助けてくれるとまるで自分がどこかのお姫様だと勘違いしているんだろうなー。


あーだから一人っ子でものも服も小遣いも何不自由なく育った奴見るとホントムカつく!

こんなぶりっ子女に男は簡単に騙されるんだもんなー。こういう時ぐらいお前のことが好きなキモオタ男子にでも頼れと思うわー。


とグダグダ思っていても仕方ない。



それでも自分を守るため


「私は前やって散々な目に遭ったのよ!文句あるなら規世に言えば?あの子だったら、私と違ってあんたのことをぞんざいに扱わないわよ。」


と少し冷静になって、規世に押し付けた。


そしたら里奈は規世がいる方へ体の向きを変えた。


その瞬間


「…ひっ!」


いきなり自分が標的になった規世は悲鳴を上げビビっていた。


そして里奈はゆっくりと今度は規世の方に近づいていく。


「ちょちょっと里奈ちゃん。落ち着こう。ね。落ち着こうよ。」


規世の方も里奈から離れるように後ずさりしている。

規世の近くにいた由利と美智子も里奈から逃げ腰な状態だ。


「いや、近寄らないで!!」


と由利が反射的に里奈へ誰かを押し付けた。



それが誰かといえばよりにもよって美知子だった。


「キャーーーーーーっ!!」


美知子は里奈に抱き着かれた途端、腰を抜かしてへたり込んでしまった。

里奈もまた美知子の体重に吊られて床にへたり込みながら、美知子に抱き着いて泣いていた。


「あーん。みっちゃーーーん。あたし呪われちゃったよ―――!どうしよーーー!?あーーーん。」


里奈はほとんど気絶している美知子に抱き着いたまま大泣きしてるし、


呪いの犠牲に差し出した相手が美知子だと今更気づいた由利は、「やべぇどうしよう?」な感じでおろおろしてるし、規世も自分は被害から一旦免れたとはいえ、恐怖のあまりにおしっこ漏らしていた。


そして、残ったコイン組の二人は


「ちょっとそんなことよりこっちはどうすればいいのよー!?」


相変わらずコインに振り回されている様子。

どうしてもコインは止まらないらしい。



そしてまたさらなる嫌な予感が…



「ああもうめんどくさー。」


コインに触れている残った内の一人である映里奈がそのイヤな予感となる前触れのセリフを吐いた。


「ちょっとめんどくさいって何よ!?」



そしたら映理奈は



「なら私も一抜けするわー。」



と言いながら、映理奈まで指を離してしまった。



「は?」



残された最後の木田奈江は信じられないと言わんばかりな顔をしている。


「これ、私一人でどうしろっていうのよっ!?」


映里奈が指を離したところでやっぱり状況は変わらないっぽい。



「しーらないっと。これで私も呪われるん?なんかおもしれぇー。きゃははきゃははー」



里奈と同じく、指を離してしまった映理奈はもう開き直った感じで狂っていた。



それでその場にいて手が空いてるのは香寿美のみとなったが、その残った香寿美もひたすら呆けて使い物にならない。

まさにカオス状態でまともに考えられるものがここには誰もいない。


マジで私もほとんど何も考えられない。


まぁでも規世が失禁したおしっこの片付けとか、現実的な問題は何とか私ができるとしてだ。

あとこれが呪いか何なのか知らんが、そっちの方は私ではさっぱりダメだ。


でもこんなカオスの中、結局一番意識を保っているのは私だろう。


だからまずは元凶となっているコインから何とかしないといけない思う。


「ちょっともう私も限界―…。」


とうとう来たの精神も限界を迎えそうでやばいと思った。



「ごめん、木田さん。神子さん呼んでくるから、それまでこらえて。」


「え」


どちらにしてもこの中でまともに対処できそうなものはすでにいない。


だったら。


「神子さんなら、神社の子だから何とかしてくれるかもだから。」



ホントここが神社であることが不幸中の幸いであり、まだこの状況は冷静に何とかしてくれそうな子が一人残っている事だけでも救いようはあるかもしれないのだ。



「じゃ、早く…」


と私が部屋を出て神子さんを呼びに行こうとした時だった。

部屋のすぐ外には神子さんがいた。


「よかったぁ。神子さん、大変なことになってて。」


と説明しようとした途端。



「どうしたの?なんかすごいもの感じるんだけど?おまけにずっと前からこの部屋の前にいるんだけど、これ以上はバリア張られてて私も入れないんだけど?」


「え?」


それを聞いたとたん、私たちは絶望でしかなかった。

そして私も同時に、その何らかのバリアのせいでこの部屋から出られなくなったことに気づいたのであった。


一応、クラス名簿もこちらに張っておきますね。

まぁこちらの都合により、今はこの状態で見づらいかもですが、そのうち調整していく予定ですので長い目で見てください。


03 石原 鈴子 いしはら すずこ   

04 樹 映理奈 いつき えりな    

05 稲冨 子々 いなとみ ねね    

07 奥宮 香理 おくみや かおり   

09 尾高 美知子 おだか みちこ   

12 神子 三果 かみや みか     

13 築 里奈 きずき りな      

14 木田 奈江 きた なえ      

15 栗田 恵子 くりた けいこ    

16 黒島 美由貴 くろしま みゆき  

18 小峰 留美子 こみね るみこ   

19 近藤 香寿美 こんどう かすみ  

23 杉村 規世 すぎむら きよ    

24 鈴木 由香 すずき ゆうか    

25 千賀 真穂 せんが まほ     

27 高須 雅 たかす みやび     

37 益井 千絵子 ますい ちえこ   

38 三木 美鈴 みき みすず     

39 水野 由利 みずの ゆり     

40 村木 さゆり むらき さゆり   

43 山浦 淑恵 やまうら よしえ   




01 会澤 克之 あいざわ かつゆき  

02 荒谷 郡二 あらたに ぐんじ   

06 植村 幾己 うえむら いくみ   

08 小津 義彦 おづ よしひこ    

10 勝島 宏樹 かつしま ひろき   

11 加藤 清高 かとう きよたか   

17 兼松 かつき けんまつ かつき  

20 子安 英明 こやす ひであき   

21 左近 創 さこん はじめ     

22 嶋田 教平 しまだ きょうへい  

26 田岡 篤 たおか あつし     

28 宅 幹一 たく かんいち     

29 田代 直文 たしろ なおふみ   

30 近松 直也 ちかまつ なおや   

31 都道 健三 つどう けんぞう   

32 西垣 数 にしがき すう     

33 福田 寛也 ふくだ ひろや    

34 藤田 正雄 ふじた まさお    

35 藤原 巽 ふじわら たつみ    

36 星川 優 ほしかわ すぐる    

41 谷神 康一 やがみ こういち    

42 柳生 孝昌 やぎゅう たかまさ  


担任 堀 由美子 ほり ゆみこ    


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