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関ってはいけない相手 (奥宮香理)

吉川先生か…。



孝昌には「新しい担任とは関わらない方がいい」とか言っていたけど、これまで学校にいた吉川先生ならいいんじゃないの?


噂ではこわい先生とかいう事は聞いたことはあるけど、先週お話してみたら、普通に話せたしいったい何をそんなに警戒する必要があるのだろう?

それになんで孝昌たちがそんな情報を知っているのだろう?私が勝手に帰ってしまった後でいったい何があったんだろうか?と孝昌や真穂に聞いてみても、



「俺たちもお前と西垣が出て行った後、ほとんどすぐに出ていったようなものだから詳しいことは知らん。」



とのことだった。



仕方ないから、そのあとも残っていたと思われるさゆりちゃんに聞いてみても、


「実は私も、柳生君たちが出て行った後に保健委員として勝島君の付き添いをして出ていったから、そこまでしかわからないんだ。」


とのこと。



つまりはだ。判る事といえば、ここにいる者の共通点といえば、昨日途中で教室を抜けたことである。



「真穂はどう思う?」



私は運動会で使うポムを作りながら、真穂に今の状況に聞いてみる。



「まぁ言われてみれば、吉川先生に関わるなと言われても無理があるわな。」


例のごとく吉川先生は今、教室にはいない。

通常授業以外の学級指導は一切しないというところは今まで通りだった。

ただ吉川先生は教務主任という役職もかねての仕事だから、その分の仕事が忙しいことを考えると仕方がないなとは思える。


まぁ吉川先生は無愛想なだけで、そこまで変な先生ではないと思うけどな。


「吉川先生よりも問題あるのはAクラスの担任なんじゃないかな?私はどんな人か見てもないから、よく判らないけど。」


「やっぱりそっちだよね。吉川先生はいつも通りだから。」



正直な話。吉川先生って堀先生よりかはだいぶマシ思う。


いるだけでそのクラスに緊張感を与えてくれるし、そのおかげかどうかは判らないけど、いつもは意地悪な子たちもかなり大人しくなるから、私としてはありがたい。



「私はね。ある意味この状況になってくれてありがたい思っている。」


「え?真穂それは?」


「ここまでうまいこと運動会の練習すらも免除してもらえるとは思わなかったー。あのクソだっさいブルマを履かなくてもいいことが何よりも幸せ―」



「あはははは…」



そういう事ね…。


「だから私は雑用だろうが裏方だろうが何だろうとこなしてやるー!これ終ったら全校生徒分のペーパーフラワー頑張るよ!」



いつもより真穂が生き生きしていたのはその理由か…。



「さゆりちゃんそっちはできてる?」



「ああごめん、やっぱり男子ってこういうの苦手らしくてなかなか進んでなくて…。勝島君はああだし…藤原君や西垣君は放課になると出て行ってしまうしで…。」



「判った。私たちもこれ終ったら、そっち手伝うよ。」



最も違和感あることといえば、ここにいる男子たちがなぜかこのクラスからA クラスへと移ろうとしているものが誰一人としていないということだ。



孝昌とすうと藤原君は自分から運動会不参加を提示した身だから、判らんでもない。


そして勝島も心ここにあらずで呆けているから、周りの状態に何も気づいてないだけ言う事も判る。

何せ勝島は机の移動や席の移動にすら参加していない。席のは位置だってそうだ。勝島だけ離れた場所にいつボッチ状態で窓側の前から2番目から、ずっと動いていない。

吉川先生も勝島が元々前の方の席だったこともあってか、若干他とは離れた位置に勝島がいてもたまたまにバランスがあったのが幸いだった。一応吉川先生も勝島に一言声がけはしたが生返事しかしない状態だと察し、それ以降は放置していた。

というか、あの吉川先生をそこまで図太くスルー出来ることじたいが、もはやすごいし重症思った。




問題な疑問はリレーの選手にまで選ばれている郡二までもがなぜここにいるかだ?




リレーの選手に選ばれているともなれば、運動会の花形であり、たいていの場合はガチ勢だ。おかしいと思うならすぐにでも多数はクラスのAクラスに戻るはずだ。



それなのに、郡二はただ黙々とペーパーフラワーを作っている。



もしかすると、小津と同じようにあちらのスパイとしてここにいるのかもしれないと思うと、あまりあからさまにはこの状況を喜べない。


だから、今のところ自分から話しかけているのは、真穂とさゆりちゃんだけ。



まどろっこしいから、もうこの際どうどうと喋ろうとも考えたが、多分こいつらはこんな状況でも私と普通に喋ることは皆無だろう。


まぁさゆりちゃんの話だけ聞いて考えられることは、郡二はさゆりちゃんと同様、あの時保健委員として勝島を介抱に行き、帰ってきたらクラスメートたちは誰もいなかったから、そのまま帰るしかない状況だったという事だけだ。

つまりは、その間の情報は郡二も一切知らないいうことだ。



ただ、郡二がこの中でも異質な存在であるのはそれだけではない気がしている。




おそらく、この中で郡二だけはこの中ではすべてを把握している気がしてならない。




どう考えても、今の荒谷郡二はいつもとは様子は違う。

郡二なら、こんな状況になったとしたら、吉川先生に少し逆らってでも多数派の方へ向かうはずだ。


そう行動しないのはなぜだ?


つまりはA組に無理やり行くより、B組に残る方がメリットがあるという意味になる。


まぁ私は少なくともこのクラスには心の底から関わりたくない思える人物はいないので、メリットだらけなのだが、郡二の場合は郡二目線から考えても判らない。


だから、おそらく郡二はなんか知っているはず…。


そして孝昌もすれ違いざまに周りに気づかれないようにして「新しい担任とは関わらない方がいい」耳打ちするのが精いっぱいだったので多くは語ることはできないでいたが、何か知っているらしい。つまりは郡二も何らかはAクラスについて知っているということになる。



と言っても聞きだすのは無理だろうなー。



おそらく郡二もだが、私は郡二に対しては………。


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