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山あり谷あり我が運勢!? (黒島美由貴)


しまったなぁ…。思わぬところで目立ってしまった。


黒島美由貴は少しだけ教室を抜けてすぐ戻ろうとしていたのに、戻ったらいつの間にか教室はまとまっていてみんな席についていたので、驚くばかりだった。


そして朝一でもないのに、いきなり新担任らしき先生がいつの間にか来ていて、すでに教室を取り仕切っていた言うのは、本当に想定外だった。

おまけにいきなり得体のしれない変な腕時計を私の意思などほとんど無視で装着させられてしまったのだ。


そしてその腕時計とやらは、体の一部でなぜか死なない程度に小爆発を起こすようになっているらしい。


一番助かったのは、私が悪目立ちしてしまったすぐ後に、幹一がその最初の被害者になって私よりも目立ってくれたので、私はその隙に自分の席に座ることができたことだ。





そしてなぜか?



「えっと私が来て早々に申し訳ないのですが、今から教室の移動を行いたいと思います。これからは都合により6年4組は一階の1年1組の隣の空き教室を使うことになりました。急な話でみなさんにはお道具箱などを入れて移動することは困難だと思います。そこで急遽、この袋を貸しますのでこちらに自分の道具を全部入れてから速やかに移動ください。」


と妙な申し出があった。


こんな時になぜそういう申し入れがあったのか謎だが、私たちは今いる教室とはほぼ対極にある1年1組のもう一つ先の教室まで移動することになった。



それ故に私がさっき悪目立ちしたことなど、誰も思い出さないかのようにみんな忙しそうに引っ越しの準備をし始めた。


ホントに運がいい。

それも全部紫のお守りのおかげだろうか?


私はあまりこういう事は信じない方だが、今回ばかりはついてる思った。





そのあとの学級指導では私は特に目立つこともなく終わった。



「今日はとりあえず、終わりたいと思います」



「あの、リレーの選手の順番についてまだ決まってないのですが?」



「ああ、これね。私が決めとくわ。もう適当でいいよね?」



「…」



渡辺は反論は許さない的な感じで私たちをにらんできた。

反発するとあんな変な頭にされることを考えると誰もが黙る。

リレーの選手当事者である私ですら、もはや何も言えない。


実は私でもだが、杉村規世が言うとおり、一番手の女子として走るのは正直イヤだ。

できれば当たらないでほしいものだ。


でもこれ以上逆らったら、余計に面倒くさいことになるので黙ることにした。



「あの。不参加者はどうなるのですか?」



「ああ、今いない子たちのこと?やる気ないなら、参加しても意味はないでしょう。だから、あの子たちは仕方ないから裏方と雑用をやってもらうわ。」



なんかすがすがしいほど、手早くいろいろ解決しているので個人的には助かるのだが、ホントにそれでいいのか?と疑問に思えるようなこともしばしあった。



「あ、でも今日は少しだけ残って雑用手伝ってほしいから、一部の子だけは残ってほしいんだけど…。」


さすがにこれ以上面倒ごとには巻き込まれたくなかった。

大人しくしていよう。と思った時だった。




「あ、そうだ!さっき教室入ってきたあなたがいいわ。確か背が高かったわよね?ちょうど背が高い方の子が欲しかったのよ。」



とまで言われてしまった。




「あの背が高いなら、荒谷君や三木さんとか高須さんとか村木さんとか私よりの背が高い子なんてまだいっぱいいますが…。」



誰に擦り付けようとも面倒ごとは避けたかった。


「ううん、あなたに決めたの。だから決定ね。」



半ば強引に決められてしまった。

これで私の頭が爆発する率が上がってしまった。

この女と少しでも長い時間関わるということはそういう事を意味する。

だからイヤだったのだ。


「じゃあ他の人はどうしようかな?誰か手伝ってくれる人はいませんか?」




誰も手などあげるわけがない。

そういわれて誰も手をあげなかった。




「そうですか?立候補者は誰もいないのですね?」



ものすごく嫌な予感がした。



「では、先ほど頭爆発させた4人に手伝っていただきましょう。ではそれ以外はお歌をうたった後に解散といたしましょう。」


なにそれ?私以外みんな男子じゃないの!?

私はそういうところはついてないと思えてきた。



そして、渡辺が今から歌って帰ることを告げると、帰りの学級歌を仕切る係である山浦が前に出てこようとした。



「あ、今日から先生がオルガンで演奏するから大丈夫です。」



と山浦を席に座らせた。


そして渡辺は自分が持ってきたと思われる画用紙に書いてある歌の歌詞をマグネットで黒板に張り付けた。




「今日から皆さんには、これらの歌を朝と帰りに歌っていただきます。」




画用紙には朝の歌と帰りの歌の歌詞が張り出されていた。



「これって・・・。」




「はい、ちゃんちゃちゃちゃー、ちゃちゃちゃちゃちゃちゃー」


渡辺はオルガンで前奏を弾くとともにその音程に合わせた全総を自分で口ずさんでいた。



「きょっおも すてきにすぎましたぁー♪

みんなでなっかよく かえりますー♪

おーまーえーらー さーよならー あえたら あーしーたー♪」


渡辺一人が張り切って歌っていて、誰も歌っていなかった。


まぁ渡辺以外は歌詞と音程がいまいちよく判らなかったのもあるが、



これ…



…幼稚園の帰りの歌ではないか!!?



と渡辺が一番を歌い終わった後には、ほとんどのクラスメートたちは気が付いたと思う。


どうも二番まであるらしいが、まぁほとんど似たり寄ったりな歌詞だった。


渡辺が全部歌う終ると



「はい!では今度は皆さんも先生と一緒に歌いましょう♪」



まさかこの歳にもなって、幼稚園の頃に毎日歌っていたあの歌を歌うはめになるとは思っていなかった。


「これを歌い終わらない事には今日は帰れません。」



とまで言われて結局みんなしぶしぶ歌っていた。




「んーまだ、この歌を覚えてないともお友達も多いのかな?」



お友達って…「おかあちゃんといっぴょ」とかでいうテレビ番組の麻呂道お兄さんたちが言いそうな「テレビの前のお友達」というあれみたいな言い方だ。



いったい誰がこんなの雇ったんだ?

帰ったら早速教育委員会に電話して文句言ってやりたい。



「次までには何とか、このお歌覚えてきてもっと元気に歌ってほしいなー。というのが感想です。」




とかいっていた。




「あ、あと言い忘れていたけど、私は日本国政府より丸投げされて雇われた身だから、校長先生や教育委員会に文句言っても、なぁんにも受理はされないのであしからずー。」



なんととんでもないことまで口走っていた。


どおりで好き放題やるわけだ。



「それではみなさん大きな声で、先生さよなら、みなさんさよなら。えいえいおー!」



最後の挨拶まで幼稚園児と同じと言うオチであった。



「さぁ残る人は残って、あとは解散!」



もうめちゃくちゃであった。


確かにクラスは全体的にいつもよりかはるかにおとなしくなって、面倒なことは減りそうだが、ほとんどのクラスメートは幼稚園児と同じことをされているいう意味では、心のプライドもズタズタだろう。



そして私たち以外のクラスメートたちは、すごい勢いで帰ってしまった。

やはり誰もが一秒でもあの女とは関わり合いになりたくなかったのであろう。

いつもなら一人でいるのがいやで一人じゃ何もできないあの恵子ですら、もう自分一人単身であろうとも、すごい勢いで教室を出ていったのだ。

それもいつもなら、必ず教室にいる時は私を誘ってくるのだが、今日は私のことなど見向きもしないで教室を出ていった。


ホントあの子はこういう時だけは目端が聞いてゲンキンな子だ。

見事なぐらいに裏切られた。

もうこんなことになるぐらいなら、卒業まで待たないで、早々とコンビを解消して、今更だけど雅のグループに入れてもらえばよかったとさえ思えてきた。



「おもしろい先生じゃないかー」



とこんな時にのんきに言っているのは幹一だけだった。


「そう?ありがとう。うれしいわー♪こんなこと言ってくれるのは幹一君だけよ。」



渡辺と幹一はすっかり打ち解けた感じだった。


この小学校生活6年間もこの宅幹一と同じクラスだった高須雅曰く。


幹一は小1の頃から、クラスで一番問題児であり、特別席という先生の隣が奴の席になることが多かったと聞いた。

そして、また更にかわいそうなことに雅はあの奥宮香理とも、この6年間同じクラスだったらしい。私は奥宮香理とは幼稚園までも一緒だったが、なぜか3年生になるまで全く縁がなかったが、やっぱり香理というお荷物と同じクラスになるのは4年連続ともなるとさすがに疲れる。ホント雅はこんな問題児二人とずっと同じクラスになるとは運が悪すぎるて、気の毒に思える。


その問題児である宅幹一が、このめんどくさそうな新担任渡辺とクラスの中で、誰よりも早く友好的になれたとなると、滅茶苦茶厄介かもしれない。


いろいろ絶望的である。私はしばらくは本当に息を殺すかのごとく、学校生活を送らなければならない。



「さて早速だけど、あなたにはあの第一資料室にある棚の上の方にある赤い箱を取ってほしいの。」


「…」


そんなのお前が取れよ。大人なんだし…とは思ったけど、これ以上こいつに反抗するのも面倒くさくなってきたのであえて何も言わなかった。

それに何よりもこいつらと同じチリチリパーマになるのはごめんだ。


さっさと仕事を片付けてさっさと帰る!


私はもうそのことしか頭になかった。



私は資料室に入ったら上を見上げた。赤い箱と言ったら、すぐ判りそうなものなので見上げると、私でも届きにくいほど高い位置にそれはあった。


私はどうすればいいか考えた。近くにあった使わなくなった生徒用の机が二つほどあったので、そのうちの一つをその場まで持ってきてその上に乗って赤い箱を取ろうとした。一応、その机一つあれば何とか私の身長ならとれるだろうと思ったのだ。



「あ、それでとるの?気を付けてー。」


私は机の上に乗って立った。



「あー下を見ないでー上を見てー。」



渡辺は相変わらずうるさい。

もうそんなこと判ってるてば!と思った瞬間だった。


私の身にとんでもないことが起きていた。


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