私目線のイジメ論 (奥宮香理)
堀先生の葬儀から帰ってきて、どっと疲れてしまった。
私みたいなクラスのお荷物がそんなにも負担だったのかもだが、堀先生は過労死とされていた。多分そこまで疲れていたとなると、原因のほとんどが私であろう。だから、ある意味私が先生の最期を見送って正解だったのかもしれない。いや、正解どころか、堀先生目線もう二度と会いたくもない奴だったかもしれない。
いろいろ考えてみたが、どちらにしても私という存在は迷惑な奴なんだろう。
ただ、私目線一番迷惑をかけているのはやっぱり近松の方である。私は一生懸命改善しようとする努力を地道にしているが、あいつは自分の性格を変えるどころか、調子に乗ってばかりで、いじめは以前よりもひどくなるばかりだった。
顔だって、3年の時に転校してきたばかりのあのさわやかそうな近松の顔はどこへ行ってしまったかのようだ。今では毎日何らかに憑りつかれたかのごとく、怒りに満ち溢れていて悪役顔になってきて口角が思いっきりへの字口に下がってきている。もう、あの顔は不気味すぎて怖くてまともに見られないぐらいひどい顔と化していた。
いつも、私のことを「気持ち悪い顔」とか言っているが、それいってるおまえの方が人間の顔ではなくなってきているほどキモイいうことに気づけ!とさえ、こっちが言いたくなるぐらいだ。というかお前だけでなく、ついでにお前が引き連れてるおまえの取り巻きたちの顔も、元は近松よりもイケメンだったり、そこまで変な顔ではなかったはずなのに今ではどこかの化け物か?と思えるほど気持ち悪い顔になってきているのは確かだ。
まぁそれを言ったら私はまた容赦なく、男子お得意の暴力で攻撃されるだけだから、ものすごーく辛抱して言わないでいるだけだ。もし、孝昌や山本並ぐらいの力が自分にあったのなら、あいつら全員の顔を余裕でつぶせるので、とっくに言ってますけどな。それがないので、言いたくても言えません。
よく、意地悪なことを言われたらいい返せと言いますが、言い返したぐらいのことでいじめが解決できるのであればだれでもいい返していると思います!女子が男子に言い返す言う事は自分の顔なくす覚悟がいるという意味です。それも顔がなくなった挙句、そっを訴えても嘘をつかれて、慰謝料や責任を踏み倒される可能性だってある。そして仮にその男が責任を取ることになったとしても、そんな暴力をふるうような男と結婚して一生共にすることなど、女目線絶対的にイヤなので何も解決などしてません!だいたい何の罰ゲームで殴られた相手の嫁さんにならないといけないのか?かなり理不尽だ。どうせ責任取る言うなら、お前よりもイケメンで金持ちで性格のいい男を責任もって紹介しろよ思う。それができないなら、女を殴るな!だ。だから、男女間のいじめは対等ではない。
男子は卑怯だ!自分が気に入らなければ最終的には暴力で解決すればいいという思考なんだからな!
(ああこれこそ、昭和の思考だ~昭和の常識だ~昭和の空気だ~)
いえにいたならいたで
「ずーっとボーっとしてないで、さっさと勉強しなさいよー。」
年か言わないので、結局は家でもゆっくりできず、それを言われる前にいつの間にか結局外に出ることになることが多い。
今だってそうだ。結局、外出している。
家のすぐお向かいがすでに他学区なので、同じ学区の子はこなさそうな場所には簡単に移動できることだけは恵まれている。
親も嫌い!兄弟も嫌い!クラスメートも嫌い!人間なんか大嫌い!
私が心から落ち着ける場所なんてどこにもありゃしない!
私は何のために生まれてきたんだろ?
このまま誰も愛せずに、誰からも愛されないまま、一生を過ごすことになるのだろうか?
もし、それならそれでもいいから、せめて私のことはそっとしておいてほしい。
ずっと独身で、ずっと一人で過ごしてもいいから、せめて私を攻撃するのはやめてほしい。
私は私で勝手に生きていくから、お前らはお前らでお前らが幸せになる方向に行けばいいと思っているのに、なんで私ばかり攻撃してくるの?もう勘弁してほしい。
ほんっと!他人をバカにしたり攻撃したりしている暇があるなら、自分が幸せになることを考えればいいのに!それをしない迷惑なバカはこの世には多い!
私はお前らみたいなのがいるせいで、どうやったら、お前らみたいなバカから無視してくれるかか?という、通常の人間は考えなくてもいい余計なことも対処しなければならない言うのに!ホントお前ら迷惑でしかない!
よく、無視がいじめだと言って無駄に悲しんでいる奴がいるが、そういう奴見るとイラっとしてくる!無視されてるなら無視されてるで、それは自分の自由な時間ができた言う事だから、その無視を利用して自分磨きの時間に使えよ!と思う。私ならそう使う!
私は何度か、その無視されたことで自分で勝手に行動して、他人から怒られた事なんか何度でもあるが、最終的には「先に無視したお前らが悪い!」ときっぱり言ってやるか、その無視した側が悪いという方向へもっていけばいいというのが私なりの解決方向だ。
ただ単に無視されているだけなら、それだけで済むではないか!
ただ私の場合は違う!無駄に絡まれるのだ!それも私の名誉を傷つけられるような方向へもっていく感じで!
「そんなことそれこそ無視すりゃいいじゃん!」
というかもしれんが、それだけでは済まないのだ。
それを見ていた勘違いなな奴が、「ああ、あいつなら攻撃してもいいんだ」と思ってしまい、そういういじめは次々といろんな人に感染するから、キリがないのだ。
そして私のいじめはそれだけでは済まない!
ひどい場合、暴力だって当たり前の受けるのだ。
男が女を殴るなんて信じられない!という思考の女は多いかもしれないが、はっきり言うと男こそ、自分が確実に勝てると判っている女に暴力をふるうことなど当たり前にあるのだ!なら、お前が代わりに暴力を振るわれてみろよ!?と毎回言いたくなる。
そして築里奈は今回、私が思ている通り、本当に私の代わりに暴力を受けた。
その里奈は今回、身を持ってそれを体験して判ってくれただろうか?あの状態だと里奈は何も前触れもなく殴られたのだから、何が何だかわからなかったかもしれない。
しかし、とりあえず男から顔を殴られたことは現実となっているのだ。
以上のことが原因で、私はただ単に無視されてるだけのいじめで悩んでる奴見るとホントにイラっとする!
ならお前が私と同じような立場になってから、まずは無視だけのイジメで悩め!思うわ!
本人にとって無視のいじめは深刻なんだろうけど、私は未だに無視されただけでいじめと思う気持ちは、実のところは判っていない。
なんでもいいから静かに普通にその他大勢で過ごしたいのになんで自分ばかり攻撃されるんだろう?どうやったら攻撃されないようになるんだろう?毎日がそればかり考えている。
正直、そんなくだらないことで悩んでなかったら普通の子と同じように普通に勉強とか基本的生活習慣とかも余裕で考えれる様にはなれるんだと思うんだけど、私にはそれすらできないのだ。
そしてこんなことを口に出してきたらマジでいじめっ子の思うつぼで、
「無理無理無理―カタツムリ――――。お前なんかどんだけ環境に恵まれたところでぜってぇー的に無理ぃ―――!」
とまで言われてしまいそうだ。
実際にあったことを話すが、以前うちのクラスの水野由利に絡みがうっとおしかったので
「あのさ、昨日あんまり寝てないんだから、もうほっといてくれない!今めちゃイライラしてるの!あっち行って!」
と珍しくやっとの思いで由利を追い払えると思ってたら、
「え?どうした?なんかあったの?」
と珍しく由利が人らしい態度で普通に話を聞く姿勢をしていたから、
「昨日、親から3時間以上もずっと怒られていた。」
とうっかり口にしてしまった。そしたら
「あんたみたいなバカな子、怒られて当然じゃん!ぎゃははははっ!おっもしろ―!!」
と詳しい理由すら聞かずにネタにされてこのざまとなってしまった。
それ以降、もう誰にも心など許さない。あの孝昌にすら、ほとんど本音で喋る事すらしていない。
それまでもだが、黒島美由貴にしたってそう、本音をしゃべると喋っただけ、美由貴に情報を漏らせば漏らしただけ、あとでみんなの前でネタにしてバカにされるだけということに気づいて絶対に心を開かなくなった。
はっきり言うがこの世の人間にロクな奴などいないのだ!
たいていの人間は、自分よりできない奴を見つけると、絶対的に見下すようになっているのだ。これは真実である。
そして…
「…げっ……」
「…あ……。」
違う学区の公園に来てまで、一人になりたかったのになんでここで…。
おもわずこっちの方が「げっ」いってしまった。
「あのさ、「げっ」はなくね?」
そこへ現れたのは荒谷郡二。
そういえば、あれっきりまともに口きいてすらなかったな。
「てか、あんたから私に「げっ」言うのはよくて、私からあんたに「げっ」言うのは無しなのかよ!?」
「まぁそれはそれとして…」
なんだよ!?こいつ!?
自分のことは棚に上げるつもりか!?
なんたる図々しさ。
まぁいい。
「そりゃそうと、私は区境付近に住んでるから、別に一人で他学区に行こうとあまりうるさく言われないけど、あんたは違うでしょ?大丈夫なん?」
「相変わらずそういう気遣いだけはうまいのなー。心配するなって、一人で来てねぇし。
あのスーパーで母さんが買い出し言ってるから、ほとんどその付き添いなんでね。」
郡二は公園のすぐ隣にあるスーパーを手でさして、ここに来たいきさつを説明していた。
どうやら、母親と車でここまで来ているらしい。
ある一件が原因で、ホント学校では一切喋らなくなってしまったので、ここまで誰にも邪魔されずに喋れたのは本当に一年以上ぶりだ。
まぁ一時期、私とこいつと出来てるとか、私がこいつのことが好きだとか噂されたが、別にそういうわけではない。ただ単に孝昌と同様、単なる幼馴染みたいなものだ。孝昌とは違うのは1・2年の時の入学式の日に隣の席になったのがきっかけで、よくしゃべるようになっただけである。それがまた5.6年生でも同じクラスになったので、「ああ、また同じクラスだね。よろしくー。」なノリで、1・2年生の時と同じ感じで男女関係なく喋っていたら、周りが勝手に騒いだだけである。
まぁ私がその男女間のことはさっぱり気にしてなかったというか、私のそういう思考が幼な過ぎた言う事が原因なんだろうな。
でも、男子と女子がちょっとぐらい仲が良かったごときで、そこまでなんでもかんでも恋愛に結び付けて騒ぎ立てる奴の方だって、こちらから見ればおかしい思うがな。そういう奴って、どんだけ頭の中、愛だの恋だの気持ち悪いことばかりで頭がいっぱいなんでしょ?と思えてしまう。他人の友情冷やかしてる暇あるなら、自分らのその気持ち悪い恋愛感情を成就させればいいかと思うのに、この年頃の男女はそれをしないのだ。
それでいて、女の会話の内容は毎日毎日クラスの気になる好きな人のネタばっかりでマジでうんざり!
そんなこといちいち女子友に話したところで何の意味があるの!?友達同士でそんな会話しただけで、その思い人の仲がよくなるわけですか!?ならないよね!?
そして私ははたから見れば男子と平気で喋る節はあるかもだが、実際のところはこれと言って好きだと思えれる相手などいないのだ。だから、そんなこと喋られてもなんも共感はもてないし、そんな会話すること自体がつまらないし、迷惑でしかないのだ。
で?今この目の前にいるこの男のことが好きで、うちらに絡んでいるいうなら、うちらは何でもないので勝手に奪ってけばいいやんと思うのだが、あいにく郡二は実質上、誰からもモテてないらしい。まぁクラスで一番背は高いが、顔もどこをどう贔屓目に見たところでけっしてイケメンではないことはきっぱり言える。どう贔屓目に見積もっても下の上ランクにしかならない顔つきだ。だから、こいつがもてないことは私でも頷ける。
まぁ郡二のいいところといえば、普通の男子よりも根は温厚で穏やかで、落ち着いて喋れるところだろうか。周りからはさんざん冷やかされたが、むしろこいつとは異性としての意識いうのもさっぱりしてないから、喋れるだけなのである。
そんな、ホントに好きだったら、私でもおそらく緊張しすぎて喋れるわけがない。
私でも幼稚園の時以来、まともな恋愛を経験してもない。しかし、それだけははっきりと判る。そもそも、顔合わせたとたんに「げっ」だなんていう第一声を本気で好きな相手に、そんな失礼なこと絶対に言えない。
「おまえこそ、よくここ来るのか?」
「ん?まぁ…。」
私がいく場所なんてあまりない。
どこへ行っても厄介者であり、私のことなんか好いてくれる人間なんて、ほとんどいない。だから、人と関わらなくても済むこの空間が私の数少ない場所だ。
この場所で、私一人でゆっくりとボーっと過ごせれる時間こそが、私のリフレッシュできる貴重な時間でもあるのだ。
「じゃあさ、これからもここで会わないか?」
「!!?」
突然そんな誘いをされてしまった。
この先のことは、どうなったかというのは、またこれ以降のお話で語ります。




