表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
34/69

そっくりさん生贄を選ぶ (堀 由美子)

なんでよりにもよって、


“こ こ に い る な か で え ら ば れ る だ ろ う”


まじめに参加している中から選ばないといけないわけ?

おまけに、昨日いたメンツがそろわないと納得いかないって何?

理不尽すぎません?


その前に矛盾してません?

昨日いたメンツ全員揃えないとやり直しとか言いながらも、この中から生贄を差し出せって何?

それって結局全員揃わないと同じわけで、この暴走は止められませんと言っているようなものではないか?



つまり私たちは完全にそっくりさんから、狙われているいう事だ。


「噓でしょ…?」


嘘ではない。現実を見よう。

と言いたいところだが、そんなことしたら、いよいよ自分がまずいと思った。


私もすでに現実が見れなくなってきつつある…。



「もうっ!いっや―――――――――――――っ!」



さっきよりも増して香寿美が大声で悲鳴を上げた。


お前はそれしかできんのかよ!?


と思った瞬間のことだった。それがある意味功をなした。



”ガラっ!”


その時教室のドアが開いた。


「あなたたち!何してるのっ!!!?」


入ってきたのは担任の堀由美子だった。

確か今日は学校は休んでいたはずだよね。


なんで!?



堀はかなりご立腹の様子。


「ほんとにあなたたちは、次から次へとトラブルばっかり起こして、ホントに勘弁してほしいわっ!!」



ん?トラブルって?いったい何があったんだろう?



私たちが聞いた話といえば、近松が骨折したということぐらい?


それと今日里奈と小津が嶋田に殴られて、救急車で送られていったことぐらい。


それ以外のことはさっぱり判らない。

ここから先は、解説者を先生に交代しよう…。





―――――― 堀由美子目線


やっと学校に帰ってこれた。


今日は本当に散々だった。


一番大変だったのは、朝一で警察署まで行ったこと。


うちのクラスの女委員長尾高美知子と杉村規世が、昨夜警察に補導されたことで、いろいろ何度も同じようなめんどくさい事情徴収を校長と共に取られたことだ。



なんでいつもまじめに生きている私がこんなことになるのよ!



うちのクラスはただでさえ、奥宮香理のいじめ問題の苦悩が常にまとわりついているのに!よりにもよって、うちのクラスでも優等生側の子が揃いも揃って警察沙汰。


おまけにこの二人に限っては、中学受験まで控えている身だ。警察沙汰にまであって私はいったいこの二人の内申書にはどう書けというんだ!?中学受験の合格率で担任評価が上がる言うのに、そのポイントである児童のうち二人も不合格確定となると、ただでさえ、いじめを出したクラスとして私の評価は低い言うのに。この先の教師生活を挽回するには、ほぼ絶望的でしかない。


そしてその警察沙汰が終わって、次はうちの体育会系のエース近松直也のお見舞いにいっいた時、今度はうちのクラスで新たに暴力沙汰があって、同じ病院に自分のクラスの生徒が二人も運ばれてきたという情報が入ってきた。


一人お見舞いしている最中に二人も同じ病院に運ばれてきたと知り、私は言葉を失った。


なんで私のクラスばかりこうもうまくいかないわけ!?


私だって好きで学校を空けていたわけではない。

たった一日いなかっただけで、ここまでトラブルがあるって、このクラスのガキはいったいどれだけガラが悪いわけっ!?


そしてそれを輪をかけるかのごとく、容赦なくトラブルは私に降り注ぐ…


「せんせー」


ホント、こんな時に何?



と振り返ったら、それはうちのクラスの子で子ではなく、2組の岡田奈々と広村雅代だった。


うちのクラスの子だったら、もうまさにブチギレそうだったが、2組の竹本先生のクラスの子たちだったのでそういうわけにもいかなかった。



「どうしたのかな?」



私は無理やり笑顔を作って、彼女らの話を聞く事にした。


「さっきから先生のクラスがうるさすぎるんで何とかしてほしいです。」


と聞いたとたん、さすがに他のクラスのこの前であろうと、その無理やり作った笑顔が簡単に崩壊してしまった。


二人ともそんな私を見て、ものすごくおびえている。



「あの子たちはもうっ!」



そしてホントにその場で怒りをぶちまけてしまった。


さらに二人はおびえていたが…



「あ、ごめん。教えてくれてありがとう。」



とお礼だけはして教室へと向かった。


なんでこうもうちのクラスは問題ばかり起こすのよ!


2組の竹本先生のクラスなんて、みんないい子ばかりなのに!うちのクラスだけに変な子ばかり送りつけてない!?これは学校側の陰謀よ!


現に学校運営である児童会選挙で児童会役員に選ばれた児童はうちのクラスには一人もいない。


だからせめて小学校生活最後の運動会ぐらいクラス優勝を狙おうとしたら、リレーのエース近松直也が出られないという災難。

クラスの中学受験組の二人が警察沙汰を起こしたという災難。


残すはクラスの成績偏差値上げることのみとなった。


それにしたって、あまり期待はできそうにない。


理想としては自分のクラスを優秀なクラスへと導きたいのだが、でも今のこのクラスの状況を考えると、別に優秀なクラスでなくてもいい、平凡なクラスでもいいのでせめてトラブルがないクラスになってほしいと願っている。


が、その思いも今日という日で一気に崩れてきた。


多分今年もうちのクラス評価が最下位として評価されるんだろうなー。

それが担任としての評価になってしまうのだから、みじめすぎる。



ただでさえ、いじめを発生させてしまったクラスで、毎日が苦痛でしかないというのに、

今日という日はホントついてない。


ホントに最後の最後までいったい何なのよっ!?

教室に就く寸前ぐらいの時に、廊下の陰に一人どこかへと逃げていく影が見えたが、今はそんな影にいちいちかまってられない。



だから思いっきり教室のドアを開いた。


「あなたたち!何してるのっ!!!?」



教室には益井千恵子と水野由利と近藤香寿美の3人がいた。

水野と近藤の組み合わせはよく見るが、それに付け加えられたのは益井となると珍しい組み合わせだ。


「ほんとにあなたたちは、次から次へとトラブルばっかり起こして、ホントに勘弁してほしいわっ!!」


3人とも目を見開いて私を見ている。


「何!!?いったい何があったっていうのよっ!!?」



彼女たちはここまで、怒りをあらわにしている私相手でも机にあるものを隠そうともしない。むしろ隠そうともしないでこっちこないで見ないでと言わんばかりな顔をしている。



「…これ…は……。」


わたしもかつて、どこかでみたことがある…そう…。



「こっくりさんじゃない!!?」


まさに小学生なら誰しもやりそうなあのこっくりさんをしていたのだ。


場合によってはうるさくなるわけだ。


「先生違う、それじゃなくてそっくりさん。」


「今じゃそのこっくりさんは怖すぎて私たちではハードル高くて…その…。」


なるほどね。


そういや、私らが中学生の時でもキューピッドさんやハッピーさんや星の王子様や分身さんだの、本場のコックリさんだと硬すぎて怖いからという理由で名前を変えて降霊術をしていた子たちっていたっけ?私の学校でも大流行していた。


それを現代っ子では「そっくりさん」とかいうんだ。

なんてふざけたネーミングなんだろう?そりゃ呼び出された方も怒りをかって当然だ。


そしてこの目の前にいる3人は、軽く言い訳をして私の怒りを少しでも沈ませようとしている魂胆だな。



そうはいくか!



今日という今日はマジでブチギレまくりなんだ!そんな余裕などあるか!


「いい加減にしなさいっ!そういう事は学校で禁じられてるはずですっ!今すぐやめなさいっ!!」



そうよ。

だいたいそういうところで聞く内容って、「同じクラスの○○ちゃんの好きな子って誰ですか?」とかそういうくだらない内容でしょ!?


前もなんだっけ?


奥宮香理が益井千恵子に占われて、その結果が近松直也と出て、益井千恵子は奥宮香理からビンタくらったんだっけ?

ホントくだらねー!そりゃ本人の了承もなく勝手に占って、その結果を黙っておくならまだしも、クラス中に触れ回った挙句に何もないなんて、ほぼあり得ない。自業自得じゃないの!


それをその張本人である益井千恵子はまだ凝りもせずそのそっくりさんとやらをやっているとなるとさすがにバカとしか言いようがない。


「さぁ!今すぐやめるのよ!」



「やめてー!!」

私は益井千恵子の腕をつかんでやめさせようとした時だった。


「生贄は堀由美子で!」


いきなり自分の名前を含める叫ぶ声がした。

それも生贄って何??


「ちょっと!何今の!!?生贄って何よっ!!?」



と聞いた時に彼女たちの指先のコインを見てみると、急に動き始めて「はい」と書いてあるところで止まった。


「今、生贄をここにいる中で誰にするか決めていたんですよ。」


「なんですって!?」


「そこへちょうど先生が入ってきて、邪魔しだすのでもう先生にしちゃった。」



それをヘラヘラした口調で淡々と口にしているのは水野由利。



「いいよね?」


「いいわけないでしょ!取り消しなさい!!」


「だって先生さ、そっくりさんのこと信じてないんでしょ?」


「当然でしょ?そんなことあってたまりますか!」


私はそんなくだらないことなど全く持って信じていない。


「だったら、先生でいいじゃない。」


「そうよね。そっくりさんだって納得してくれたし。」

何もしゃべれなくなったと思われる近藤香寿美ですら、コクコクと首を縦に振っている。



どうやら、生贄はそのそっくりさんを含めて満貫一致で私に決定みたいな感じになっていた。3人とも視線はじっと私の方を見ている。

いやそれとこれとは違う。部屋に入って止めに入っただけで、なんでいきなり生贄にならなきゃならないわけ!?


「ちょ。ちょっと、そもそも生贄ってどういうこと!!?説明もなしに生贄って納得いかないわよっ!!」


3人とも私のことをじ―――っと見たまま動かない。


「先生、かわいい生徒のために生贄ガンバ。」



「イヤよ!私だって人生これからなのよ!まだ結婚もしてないのよ!まだ彼氏すら、まともにできたことないのよ!」


まだ生贄と決まったわけじゃないが…

それよりこんなクソガキのために自分が犠牲になることの方が許せない!

このクソガキたちは遊びとはいえ勝手に私のことを生贄扱いしたのだ!


「てことは先生。まだ一応乙女だったんだーwww」


「え?」


なんか小6の口からとんでもないことを言われてしまった。


「ならちょうどよくね?物語とかでも生贄は乙女いうのが定番だし。まぁ乙女にしては歳を取り過ぎているけど、一応合格しているのがすげぇ。」



水野由利。



奥宮香理から聞いた話によれば、口を開けはイヤな事しか言わないという情報は確かだった。奥宮香理より水野由利の方が成績いいし、正直奥宮の言う事はあまり信じてなかったが、今更になってようやく水野の口の悪さがよく判った。


「私がいい加減にしなさい!!誰に向かってものを言ってるの!!?」


「は?今更先生ぶらないでよ!まぁ最も先生の言う事なんかこのクラスの誰も言う事なんか聞かないしねー。あはははははー」



これがうちのクラスの平均値の脳みそとなると、うちのクラスがここまで問題児だらけになるのも判らんでもないわ。


私の体はまともに立っていられるわけもなく、私はフルフルフルフル体が震えだした。



「ヤダ―貧乏ゆすり?貧乏うつるから、さっさと出てってよーっ!きゃははは―――」



もうマジ辛抱できん。


こんな奴を今まで信用していた私がバカだった。こいつうそつきの塊だこいつ人間じゃない!





「いい加減にしろ――――――っ!!!」




私はそのまま意識がなくなりつつあった。なんでもいいから、今かあいつらがやっているそっくりさんとやらを邪魔したいという思いしかなかった。


特に水野由利!

こいつさえ、地獄に叩き落せればどうでもいいと思った。


だからその机を思いっきり私がいる方へと引っ張った。そしたら神とコインがそのまま下に落ちた音も聞こえた。



「キャーーーーーっ!!」


「ちょっコインが…。」




「いた―――――っ!」


3人の声が聞こえる。

水野由利の声も聞こえる。


ふっ、机がズレたせいで、結局全員コインを指から離してしまったみたいね。ざまぁ。



「フハハハハハ―――――っ」



ざまぁおもった瞬間。私はもう私ではいられなくなってしまった。


これが生贄になるという事なのか何なのか判らないけど、こんなふざけたクラスから解放されるなら、もうどうでもいい。



私はなぜかそのまま倒れてしまったのだった。

これが私の人生最期の悪あがきであり、生徒指導となってしまった。












――――――――そして騒ぎがあった、その数十分後…。


堀先生は救急車で運ばれていった。

本日、うちの小学校では2度目の救急車を呼んだことになった。


そして、私たちは他の先生にもこっぴどく叱られて、一応後片付けをしようとしていた時だった。



紙の上に置いておいたコインがいきなり紙の上で、ひとりでに動き始めた。



「え?何これ!?」




”ま た よ ろ し く”




誰も指を置いてないのにひとりでに動き始めた。


私たちはものすごく青ざめた。

一応こまめに目印はつけていきます。

すぐに忘れちゃうけど。


#    名前だけ登場  

##   名前出て、セリフまでの登場

###  騙りて経験者


△    生存者で何等か被害に遭った者

×    死亡者


という具合に見てください。

なんか、キャラクター紹介などが欲しいと希望される方は「いいねボタン」で意思表示をお願いします。希望が増え次第また考えます。


01 会澤 克之 あいざわ かつゆき  

02 荒谷 郡二 あらたに ぐんじ   #   

03 石原 鈴子 いしはら すずこ   

04 樹 映理奈 いつき えりな    ##

05 稲冨 子々 いなとみ ねね    ##  

06 植村 幾己 うえむら いくみ   

07 奥宮 香理 おくみや かおり   ###

△ 08 小津 義彦 おづ よしひこ    ###

△ 09 尾高 美知子 おだか みちこ   ###

10 勝島 宏樹 かつしま ひろき   ###

11 加藤 清高 かとう きよたか   

12 神子 三果 かみね みか     ##

△ 13 築 里奈 きずき りな      ###

14 木田 奈江 きた なえ      ###

15 栗田 恵子 くりた けいこ    

16 黒島 美由貴 くろしま みゆき  #

17 兼松 かつき けんまつ かつき  

18 小峰 留美子 こみね るみこ   ##  

19 近藤 香寿美 こんどう かすみ  ##

20 子安 英明 こやす ひであき   

21 左近 創 さこん はじめ     #

△ 22 嶋田 教平 しまだ きょうへい  ###

△ 23 杉村 規世 すぎむら きよ    ##

24 鈴木 由香 すずき ゆうか    ## 

25 千賀 真穂 せんが まほ     ##

26 田岡 篤 たおか あつし     

27 高須 雅 たかす みやび     #

28 宅 幹一 たく かんいち     

29 田代 直文 たしろ なおふみ   

△ 30 近松 直也 ちかまつ なおや   ###

31 都道 健三 つどう けんぞう   

32 西垣 数 にしがき すう     

33 福田 寛也 ふくだ ひろや    

34 藤田 正雄 ふじた まさお    

35 藤原 巽 ふじわら たつみ    ##

36 星川 優 ほしかわ すぐる    #

37 益井 千絵子 ますい ちえこ   ###

38 三木 美鈴 みき みすず     

39 水野 由利 みずの ゆり     ##

40 村木 さゆり むらき さゆり   ###

41 谷神 康一 やがみ こういち    

42 柳生 孝昌 やぎゅう たかまさ  ###

43 山浦 淑恵 やまうら よしえ   ##


× 担任 堀 由美子 ほり ゆみこ    ###


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ