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当たり前だがこれが本心です(奥宮香理)


「おい!たいへんだぞ!」


男子のクラス委員である勝島宏樹が深刻な顔で教室に駆け込んできた。


「近松が足骨折して、最低でも全治3か月はかかるらしい。」


「え――――――っ!?」



この情報は、さすがにクラス全員驚きを隠せない。


「話を聞く限りでは思っていた以上に重傷らしく、保護観察も含めて最低1か月以上は入院するらしい。」


という情報を耳にした。



個人的には1か月と言わず卒業式まで入院して学校来るな!と思う。



だってどーせ私は中学は近松とは別の学区で、高校の選択さえ間違えなければ、近松とは永遠におさらばなんだから、ホントにその方がありがたい。



どうせ、あのクラスのチクリコンビがいる限り密告は続くのだから、近松が卒業するまで学校に来ないという保証がない限りは心から喜べない。



ところがだ…。



クラス中の雰囲気は意外なことに最初の「え――――――っ!?」の驚きの声以降、


「あ、そうそうさっきの話なんだけどさー」


「あははは…マジ?」


各自、さっきまでしていた会話の続きをして、勝島からの近松情報はほとんどのクラスメートは無視してる感じだった。

それっきり、クラスメートたちは勝島の話など、誰も聞こうとはしなかった。


その状況が最高に気持ちがすっとした感じで面白かったので、


「おもしれぇー」


とつい言葉に出てしまった。



その私の声が聞こえた小津はすごい勢いでこっちをにらんできたのに気づいた。


この状態に危機感を抱き始めているのは、やっぱり小津と島田ぐらいなものである。

まぁ他にも近松グループで仲良くしている連中は、どう思っているのか判らないが、近松に思いを寄せる女子でさえ「亭主生きてて留守がいい。」な感じをまさに醸し出している感じであった。


さすがの真穂も今それ言うとまずくね?という表情したので。



「真穂―。そのアニメめっちゃおもしれぇやん。あははー。」



「な雑談してました」な感じでごまかした。

この反応には一瞬真穂も戸惑ってはいたが


「そうでしょ?だからぜひ見てほしい」



と言って話を合わせてくれたのは助かった。



そして小津は


「これだから、オタクは…」


みたいなイヤミを言ってきたので相手にしてなかったら、どうもこちらからの興味がそれていった。

もちろん小津のその反応も一部始終を内心おもしろおかしく見ていた。


その後、真穂と私の間にあった自由帳には、実はあれから表立っては言えない近松に関してのことでこっそり筆談トークで盛り上がっていた。。

だが、その筆談こそが後めんどうごとになるということは、この時の私たちには想像もしていなかった。


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