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記憶がない帰り道(奥宮香理)

私はなんであんな場所にいたんだろう?


子乃神社は一応学区内ではあるけど、自転車を使わないといく気になれないような場所だ。

まぁそもそも私の家はほとんど区境にあり、道の向こう側を渡ったらすでに隣学区な場所にあるのだ。だから、むしろ同じ学区のどこへ行こうと大抵は自転車を要することとなる。


まぁそれでも道場とか真穂の家は、それでもまだ学校へ通うまでの距離の間ぐらいにあるので比較的近い。だからこうして徒歩でもいけれるのだ。


確か今日は真穂の家によって、読書会をしていたはずだがそれ以降は全く記憶がない。

気が付いたら後ろから孝昌に呼び止められていた。その以前から、私はあの神社の前を走っていた言うのは理解できたが、どうやって私があそこまでたどり着いたのかはものすごく謎だ。


「さぁ帰るぞ。」


「え?道場に行くんじゃ?」


「あれは嘘だ。」


「ああ。」


「いつも通り表向きだけでもああでもしないと、あいつらは何かにつけてまた明日、俺たちのことで変な噂流されるだけ思ってごまかしただけだ。」



まぁ孝昌は学校以外で、私と関わっているのがクラスの誰かにバレた時は、ああやってごまかすことが毎度のことだった。


「でも、今回はそんなことしなくても大丈夫だったんじゃない?」


「いや、油断はできない。」


「あの子たち、何か変だったし。」


「確かにそれは言える。」


すごい勢いで叫びながら走ってきて、それをいくら四軒茶屋のおばさんに見つかったからとはいえ、なんか不自然だ。


「いくらとっさとはいえ、孝昌ファンクラブをいきなり装うのがかなり違和感ある。」


「どういういみだよ!それ!?」


さすがに孝昌も怒っていた。



「あはは、ごめん。」



「まぁ確かに言えてはいる。あいつら何か隠していたよな。」


「関係者がおもらしするぐらい強烈なことがあったってことだよね?」


「おもらしって?観点がそこかよ!?」


って、いいかげんおもらしから話題をそらしたい思ったが、確かに約12歳の少女がそのおもらししてしまうひどいことがあったことは事実だ。、

でそのおもらしをした言う事はなぜか隠さずに言えて、そのおもらしより上を行く出来事があったと予想はつく。


「なんにしても俺はもうあいつらとは関わりたくないな」


普通の男なら、嘘でも偶然でもあのハーレム状態デレデレしそうではあるが、やっぱり孝昌は冷静だよなー。そういうところはすごい思う。


都合のいい時だけ、利用されるのはまっぴらいう気持ちは私もよく判る。


「うん、私も関わりたくないな…。」


なんかよく判らないが、おもらししたしないを抜きに考えても、今日の彼女らを見た限り、もう彼女らとは関わりたくないと思えた。



それにさすがにもう疲れた。



「そういうや、お前さ」


「なに?」


「木田たちに会う前に、近松と出くわした時さ…」


「え?近松なんていたっけ?」


孝昌はなにいってるんだろ?


「おまえ覚えてないの?」



「覚えてないというか、私確か真穂の家にいたはずだよね?そもそもそこからどうやって私こんなところまで来たの?」



ホントに私は真穂の家にいて、頭がぼーっとしてからは何も覚えてない。



「は?えっと…」



その問いに関してはよく判らないが孝昌も答えに困っている様子だった。


なんで?ここまで来た経緯を孝昌が一番よく知っているはずなのに、その孝昌ですらよく説明できないってどういうこと?



「すまない。今言ったことは忘れてくれ。」


少なくとも私には近松を途中で見た記憶がない。だがなぜか孝昌は近松を見かけたという。なんか引っかかるが知らないものは知らないから、何ともいえなかった。


そして遠くの方から、救急車のサイレンの音が響いている。


それがどういう意味を物語っているのかは、今の私には知る由もなかった。


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