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そっくりさんの本体は?

一方、千賀家では…




「あら?いつの間に香理ちゃん寝ちゃってる…。」



真穂の家で読書会をしていた5人の方にも少しだけ異変はあった。


ただここでは香理がいつの間にか、真穂の家で読書しながら寝てしまっただけではあったが、その異変にいち早く気づいたのは村木さゆりだった。



「そういえば前にも香理さんがいきなり眠ってしまったことあったよね。」


「うん、香理ちゃんも最近は疲れてるのかな?」


「…まぁ奥宮のことだからなー…」


「…あーね。」


柳生君も藤原君も、香理の事情はよく知っているようだ。


「なんかあるの?」


「まぁあそこの両親何となくだけど、毒っぽいんだよなー。うちもマナーや常識とかは厳しいけど、他は特に縛りはないから、好きにやってるんだけどなー。」


どうやら柳生君が言うには香理の家の事情は周りが思っているより、めんどくさそうだ。



「こいつ、学校にも家にも居場所ないから、結局学校では何やってもミスばかりだろ?」


確かに言われてみれば、香理が何かやってうまくいった試しなんか一度もない。


「多分奥宮にとって、千賀の家で過ごすこの時間が唯一自分でいられる時間思う。」


「まさか、香理さんにそんな事情があったなんて…。」


私も香理の家の事情なんて全く知りもしなかったが、まさかそんな事情があったなんて。

だから、あの子っていつも気持ちに余裕がないというか、なにも余裕がなくて、悪目立ちばかりしちゃうのね。




それに比べてうちはまだまともな方なのだろうか?



どこの家庭がまともかなんて、比べれるもんじゃないし、何とも言えない。

各自、家庭の事情なんて全く違うのだから。




「でもどうしよ?」


「ん?」



「そういう事情なら香理をこのまま泊めてもいいけど、さすがに今日は親が帰ってくるから、突然はさすがに無理だわ。」



え?こんなマンガ本だらけな家でお泊りだなんて香理だけ羨ましすぎると一瞬思ったけど、やっぱりそれはマナー的にもさすがに気が引ける。

そこは辛抱して、ひたすら香理を心配するそぶりは崩さなかった。



「まー、そこのところは心配するな。俺がこいつおぶって送っていくでいいわー。」


「えーでもそれだと…」



「前の時は無理やり起こして、無理やり連れて帰ったけど、これがまためんどくさい事があってな…。」



「あ―あれかー。意味不明なことをぶつぶつぶつぶついつまでもつぶやいていて、奥宮ん家の母さんがまた…。」



何があったかはよく読めないが、とにかくめんどくさい事があったという事だけは判る。



「じゃあさ、何も柳生君がそうまでしなくてもあちらの親御さんに迎えに来てもらえばいいじゃない。」



「いやそれだとさっきも言ったと思うけど、千賀とあの奥宮の母さんと関わらせるのは申し訳なさすぎてな。」


この時点で、柳生君に何か意見を言うものは誰もいなくなった。



「俺なら大丈夫だ。奥宮ぐらいの体型の奴なら、余裕で背負っていける。

今日はまぁ、これでお開きにしとこ。


巽は村木さんの方を送って行ってくれないか?」



「了解」



「千賀、今日もありがとな。」


「あいあい」



こうして私たちは各自帰宅することになった。




実はこんなに穏やかそうに見えるメンツでも、わずかながらに嫉妬の嵐が芽生えようとしていた。

もう、すでにこちらでも嵐の前の静けさしかなかった。

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