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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

わたくしはあなたを許さない

作者: 佐古鳥 うの

後日談追加と加筆修正しました。

屑ばかりなのでご注意ください。

 


「お姉様、お互いの夫を共有しませんか?」


 今思えばそこが分岐点、そして愚かな過ちでした。



 わたくしティエラはエントワルト伯爵家の長女でした。将来は婿を迎え家を継ぐのだと言い聞かされ伯爵家の当主になるべく勉強に励んできました。


 十六歳の時に親の薦めで侯爵家で四男のドルフィン様と婚約し、益々頑張らなくてはと気合いが入りました。


 婚約して来翌年挙式を迎える話をしだした頃、妹の婚約も決まりました。しかしその方の名前を聞いてショックを受けました。


 お相手の名前はキールズ様。ゴンドラード公爵家の嫡子でわたくしと同い年、そして初恋の方でした。


 なぜ?と思いました。

 学園に在学中の頃は彼に婚約者がいて仲睦まじい姿を何度も見かけました。挙式も同じような時期だと聞いています。淡い恋心を抱きながら彼女なら仕方ないと言い聞かせ諦めていたのに。


 なのになぜ?なぜ妹なの?婚約者のご令嬢は?と気になりましたがなぜかどの噂話にも上がりませんでした。


 聞く限り婚約は円満解消であり、相手のご令嬢は学園を卒業後別の貴族令息とご結婚されたとのことです。まるで元々その方と婚約していたかのように素早い婚儀だったとか。


 わからない事実にモヤモヤとしましたがわたくしが結婚後、一年後に妹もキールズ様と結婚しました。


 初恋の方が義弟になるのは正直落ち着きませんでしたがそれを知るのはわたくしだけ。ならばこの恋心も心の底にしまっておこう、そう思いキールズ様への想いを封印しました。



 それが再び掘り起こされたのは妹が第一子を産み実家である我が伯爵家に帰省していた時でした。



 その頃のわたくしは妊娠どころかまだ一線を越えることもできず焦っていました。

 初夜から幾度となく挑んでいるのですがそういう時に限って吐き気をもよおしてしまい、興が削がれ、そういう雰囲気が流れてしまうのです。


 夫のドルフィンは『そういう時もある。気長に行こう』と元気づけてくれますが結婚してもう二年経ちます。

 白い結婚となんら変わらないくらい何も知らない体に焦らないわけがありませんでした。



「それってもしかしたらドルフィン様のせいかもしれないわ」


 あたかも経験者が語るような神妙さで妹が呟きました。

 子作りができず不安な気持ちを振り払うように仕事漬けになっていたわたくしをお茶に誘い、悩みがあるなら教えてという優しい妹の言葉に乗せられて夫との閨が上手くいかないことを相談しました。


 勿論それはわたくしも()()()()()()と装っての嘘でした。遅れて結婚したのにもう子を生んでいる妹に閨すらできていないと正直に話すのはとても恥ずかしかったのです。

 ただどうしても子供ができないということだけを訴えるとドルフィンのテクニックがお粗末だから妊娠できないのだと言いきりました。


 普通ならば女性になんらかの瑕疵があるから子が生せないのだと思うはずなのに妹はわたくしを庇ってくれたのだと、わたくしのことを親身に考えてくれているのだと愚かにも考えました。


 そして真剣に聞くわたくしに妹はとんでもないことを口にしたのです。


「それならお姉様。互いの夫を共有しませんか?」


 最初、妹が何を言っているのか理解できませんでした。

 言葉を噛み砕き頭に入ると顔が真っ青になり驚愕しました。


 確かにキールズ様は初恋ですが不貞をしてまで夫を裏切りたくはありませんでした。恋心はありませんが夫にも愛情があるのです。わたくしを支え、伯爵家を支えてくれる夫を傷つけるなどもっての外だと震えました。


 なんて恐ろしいことを!と窘めると妹は肩を竦めわたくしがキールズ様に淡い心を寄せていたことを看破しました。


 どうして知っているの?!と驚きましたが妹にはバレバレだったそうです。


「もしかしたらその想いが閨を躊躇させる原因になっているのかもしれませんわ。成就すればドルフィン様との関係も上手くいくかもしれませんわよ」


 妹の理論はよくわからなかったけれど何度か諭され、後から思えば言いくるめられたわたくしは愚かにも妹の言葉に乗ってしまいました。

 不貞を犯して夫と上手くいくなど夢物語だと、そんな都合のいい話はないと頭ではわかっているです。

 けれども未だに子を生せない自分が恥ずかしくて、情けなくて、それが叶えられるならと藁にも縋る気持ちで妹の甘言に乗りました。


 それと同時に愚かなわたくしは夫との子供を生む以上に、キールズ様を体だけでも知ることができると浅はかにも期待に胸を膨らませました。


 しばらくして社交シーズンに入りわたくしは夫と共に王都入りをしました。憂鬱だと思っていた社交界も約束された逢瀬を思えば一瞬のことでした。

 そして内々に妹から連絡が入り、いよいよその日がやって来ました。


 身なりを整え、妹の従者に手引きしてもらい公爵家のタウンハウスに入りました。本来入ってはいけない夫婦用のベッドの端に腰掛け今か今かと待ちわびました。

 何度か鏡の前で身なりをチェックし、落ち着かず歩き回り、ドアに耳もあてたりしました。


 話は妹からキールズ様に通してあるから不審者と手打ちにされることはありません。そのために朝まで人払いしてあると妹が言っていました。

 だけど緊張するのは確かで震える手を握ったり広げたり、ナイトドレスで手汗を拭いたりして誤魔化しました。


 嗚呼、キールズ様にお会いしたら何を話そう。なんとお声がけしたら良いかしら。結婚式の時にお会いしているから自己紹介はいらないでしょうけど何を話したらいいのかわからないわ。

 キールズ様の服の好み他にどんな話題ならお話してくださるか妹に聞いておけば良かったわ。などと悶々と考え続けました。


 その待ちぼうけが夜明けまで続くとは思わず、朝になってもキールズ様が現れることはありませんでした。



 妹に聞けばキールズ様は公爵家当主としてとても忙しいからたまたま忘れたのだろう、と返してきました。


『次は大丈夫だから』

『キールズもお姉様に会いたがっていたわ』


 その言葉を信じてシーズン中何度か足を運びましたがキールズ様が夫婦用の寝室に来てくださることは一度もありませんでした。


 後で知ったことですがキールズ様はお仕事や外せない用事で来れなかったのではなく、学生時代に懇ろになった平民の女との逢瀬に忙しいだけでした。

 しかも何度か同じ邸内にいたそうで、夫婦用の寝室以外のいろんな場所でお楽しみになっていたようです。


 後継者もできたことだし社交シーズン中くらい火遊びを楽しみたい、と妹夫婦が話し合って決めたのだそうです。


 そこでキールズ様の前の婚約者様は平民と不貞を犯す彼が嫌で解消されたのだと気づきました。

 結婚前の不貞は貴族としてマナー違反。前の婚約者様はさぞや胸を痛めたことでしょう。愛人に子ができていないようなのでそこはさすが公爵家と思いましたが、妹もよくそれを飲み込み結婚したなと思いました。


 少なくともエントワルト伯爵家の縁談でその話があがることはなかったのです。

 人一倍プライドが高い妹なら激昂してもおかしくない話でしたが、貴族らしく子供がいないから容認したのでしょう。



 ショックではありましたが心のどこかでホッとしていました。

 学生の頃からキールズ様の目に止まらない見た目だったわたくしが一夜でも関係を持つなど分不相応な願いだったのです。


 それに初恋の方に体だけ、一夜だけの関係を結んだらわたくしがもっと深く傷つくだろうと思いました。

 これで良かったのだ、と初恋を再び封印したのでした。



 これで夫とちゃんと向き合えるかもしれないと心を入れ換えた矢先、ティエラを突き落とす出来事が起きました。


 妹が夫ドルフィンとの子を妊娠したと言うのです。その報告はわたくしの両親を含めた場で発表されその場にいるわたくし達を驚かせました。しかも、


「お姉様は子が()()()()みたいだからわたくしが跡取りを産んであげてもよろしくてよ?」


 と満面の笑みを浮かべながら言いきったのです。確かに二人目なら流産の可能性も低い。早く後継者が、孫が欲しかった両親はそれでもいいのでは?とティエラを諭しました。


 とりあえず嫡子ができれば周りの目も噂も他に移るだろう、とも。

 噂でティエラが石女だと流されていることを知っている両親は娘を気遣っての提案でしたが、伯爵家の血が入った子供なら不貞をした()の子供でもいい、と言っていることに両親は気づきませんでした。それはティエラにとってとても酷い侮辱でした。


 程なくして妹は実家がある我が家に長期滞在するべくやって来ましたた。ここで産む気なのです。

 わたくしは許可していませんでしたが、実家に帰省する気分で勝手に妹がやって来て、妹に呼ばれて本邸に来た両親が甲斐甲斐しく妹を世話するので追い出すこともできませんでした。


 最悪なのは執務に追われるティエラを放って夫が妹につきっきりになって遊び呆けていることでした。

 今年は農作物の実りが少なく出費を抑えなくてはならないのに赤ん坊のために色々買い揃えなくてはと何も考えず伯爵家のお金を使い込みました。


 それだけでも業腹なのにドルフィンはあろうことか夫婦の部屋に妹を連れ込んで安定期だからとことに及んでいたのです。


 たまたま時間が空いて少し仮眠を取ろうと自室に向かっていた時でした。こういうのを虫の知らせというのか、直感というのか、どちらにせよ酷いものを見せられました。


 そこでわかったことですが妹とドルフィンの関係はわたくしと婚約していた頃から続いていたものだったそうです。


 そして初夜からずっと夫と寝所を共にできなかったのはその時だけ女性が嫌悪し胃がムカムカする香水を夫がわざとつけていたからでした。

 送り主は妹で『お姉様にあなたを取られるのが嫌だったの』と甘えた声で夫を誘惑し、呆然とした顔で聞いているわたくしの目の前で二人は快楽に落ちていきました。



 吐き気がした。裏切っていた夫も、妹も。

 気づけなかった自分にも腹が立った。


 跡取りとして誠実に頑張ってきたわたくしの陰で二人は嘲笑っていたのだ。

 更にはわたくしの初恋の相手がキールズ様と知りながら妹はそれを利用しまんまとドルフィンとの関係を復活させ、伯爵家の乗っ取りまで考えている。


「ここまでされないと気づけないなんて、見る目がないわね」


 窓には情けない女が一人涙を流していました。



 妹の出産は伯爵家総出で迎えました。妹の第二子は女の子で顔のパーツは妹似だったが髪色はドルフィンの色でした。

 キールズ様もドルフィンも似た色なのでもう少し経たないと判断はつかないでしょうが初孫で跡取りを得たと両親はとても喜んでいました。


 当主であるわたくしを置いてきぼりにして。



 ◇◇◇



 新築の匂いがする邸に足を踏み入れました。何を思ったか両親は妹用の別邸を作ったのです。


 本来嫁いだ嫁が帰る場所はありません。あったとしても両親が住む別邸か他の邸になります。その家を本邸の隣に作ってしまったのです。しかもそこで娘と過ごせばいいとまで言いだしました。


 ちなみに妹はまだキールズ様と婚姻関係は続いていますし、社交界ではおしどり夫婦と噂されています。その上妹の話ではだう一人キールズ様との子を産む予定だと話していました。


 どうやら長男は体があまり強くないらしいのです。


 だったら息子の側にいて面倒を見ればいいのに口では心配だと言いいながら妹は頻繁にこの別邸に帰ってきていました。


 そしてもう一人も。



「ドルフィン、ドルフィン」


 両親が奮発して買ったベッドの上では壊さんばかりにギシギシと音を鳴らしドルフィンが腰を振っている。

 その下では四つん這いの妹が邸の外にまで聞こえそうな大声で嬌声をあげていた。


 時間は昼過ぎ。一昨日からずっとこの調子だ。勿論ここに姪はいない。伯爵家の跡取りなのだからあとはよろしく、と押し付けられた。たまったものじゃない。



 終わりまで待ってやるつもりはなく半開きだったドアを乱暴に開け放ってやれば驚いた顔で二人が此方を見た。


 大股で部屋に入ったわたくしはまずはドルフィンの腕を持ってきていた鉈で切り裂き、ベッドから転げ落ちたところを足で踏みつけいきり立っているムカつくモノを半分ほど切り落としてやった。


 悲鳴をあげのたうち回るドルフィンを背に妹と向かい合うと、腰が抜けたのか這いつくばりながら逃げようとしている売女の髪を引きちぎらんばかりに引っ張りベッドから落としてやった。



「ごめんなさい。ごめんなさい。許して」


「あら、何か悪いことでもしたの?ならお仕置きが必要ね」


 涙と鼻水まみれになりながら懇願する妹にわたくしはにっこり微笑み、持っていた鉈で妹の美しい顔を斜めに切り裂いた。


「きゃああああぁっ」


 悲鳴をあげ顔を覆う妹を逃がさないように髪を引っ張るとドタドタと廊下を走る音が聞こえた。


「な、何をしているのだティエラ!!」


「あらお父様。お早いお着きでしたわね」


 目が据わった娘が庭師のものであろう鉈を持ち辺りを血塗れにしている光景を見た父は真っ青になり固まった。


 それまでは両親の言うことをよく聞く生真面目な長女でしたからこんな奇行に走るとは思っていなかったのでしょう。


 ですがわたくしはもう伯爵家当主です。正式書類も提出していて親も別邸で過ごしています。妹のせいでこんなに早く駆けつけられるほど本邸に入り浸っていますが。


 ですので、いえだからこそ伯爵(この)家はわたくしが守らなくてはなりません。


「この愚か共が子を生んでからも不貞を続けるので制裁を与えておりましたの」


「だ、だが、これは」


「あの子を生んだ時にもう不貞はしないと約束させましたよね?公爵家にも迷惑だからと。その場にはお父様もお母様もいましたがお忘れになったのかしら?」


「いや、覚えている。覚えているが……」


 ぐいっと髪を引っ張れば妹が父を見て泣き叫び助けを求めました。しかし鉈を顔に近づければすぐに黙りました。


「お前はわたくしと約束したわよね?もうドルフィンと寝たりしないと。子も作らないと。

 でもここ数日随分と励んでいたわよね?自分の子や仕事を押し付け、自分達はヤっては寝てヤっては寝てを繰り返すだけ……バカか猿なの?」


 妊娠目当ての行為を見せつけられて黙っていると本気で思われていたのがとても不愉快だ。

 しかも両親やわたくしにもこれ以上不貞をするなと忠告された上でのこれだ。学習能力がないのか。


 それに火遊びは許しても子供までもうけろとはキールズ様も言っていないだろう。


 こういうものは男は許されても女は許されないことが多い。邸にいる姪ですら火種になる可能性があるのだ。

 そんなこともわからず子を作り更に増やすなど愚かにも程がある。


 伯爵家を潰すつもりか、と睨みつければ妹はやはり父親に助けを求めました。ドルフィンは血を流してるのと痛みのショックで気絶しているようです。


「なぜ、こんなことを……ドルフィンはティエラの夫なのだぞ?」


「だってお姉様がお互いの夫を共有しようって言ったから、ぎゃあ!」


「嘘をつかないでくれる?持ちかけたのはあなたでしょう?」


 鉈を頬に食い込ませそのまま線を引けば妹はのたうち回った。引き抜いた髪の毛を一瞥しそれを捨てたティエラは綺麗な妹の髪を掴むと鉈で切った。


「ティエラ!!」


「お父様。わたくしはエントワルト伯爵家の当主です。わたくしは家を守らなくてはなりません。

 この者はゴンドラード公爵家に嫁ぎながら我が伯爵家の跡取りも産もうとしました。これは明らかな乗っ取りです。

 もしかしたらゴンドラード公爵家の方々がそうせよとこの者に指示したのかもしれません」


「そんな、まさか」


「お父様にとってはどちらの血でも構わないのでしょうが姪にもしゴンドラード家の血が入っていたら?

 それを盾にされればどんなに妹の血があっても我がエントワルト伯爵家に勝ち目はないのですよ」


 そうでなくとも長男の体調が芳しくないのにもし儚くなるようなことがあれば姪が公爵家に奪われることは明白。

 でなければ妹の立場も伯爵家の立場も悪くなるでしょう。


 それなのに愚かにも姉であり妻であるわたくしの目と鼻の先で隠しもせず逢瀬を繰り返すをなど公爵家(キールズ様)に申し訳ないと思わないのかしら。

 公爵家に睨まれたら我が家などすぐに没落しますよ、と言ってやれば父は慌てふためきました。



「だ、だが、それは、お前とドルフィンの子で登録すれば」


 だからそれが悪手だと言ってるのに。


「嫌ですよ。いくら妹でも不貞は不貞。身内の爆弾など抱えたくないですしわたくしの夫を寝取った女の子供など虫酸が走ります」


 子供に罪はないと言いますが正直なところ母になり損ねているのでさっぱりわからず、むしろ妹のせいで憎しみすらわいてきます。

 姪もこんな伯母を持って迷惑だと思っていることでしょう。命まで取る気はありませんが愛情を注げる気はまったくありませんでした。



「お、お姉様だって、不貞をしたじゃない!」


 あら、まだそんな元気があったのね。


「なんの話かしら?」


「わたくしの夫と、キールズと寝たんでしょう?!だったらわたくしと同じじゃない!」


 被害者ぶらないで!と血走った目で睨みあげる妹に冷めた目で見下ろしました。


「確かにあなたの手引きでお邪魔しましたけど」


「ほら、やっぱり!」


「ゴンドラード公爵様とはお会いしませんでしたよ」


「……え?」


 驚く妹に知っていてわざとらしいわね、と溜め息を吐いた。


「あなたは覚えてないでしょうから使用人から聞くといいわ。人払いするとあなたは言っていたけど必ず数人は監視要員として控えていたわよ。キールズ様がお越しにならなくてもね」


 部外者がやって来たのだ。警戒の意味も込めて監視していたのは当然でしょう。わたくしが使用人だったら別の女性と逢い引きしている主人を会わせないように徹底して見張るわ。


 それに二回目以降は夜明け前までに邸に帰って来ていた。一切乱れていない姿にキールズ様に相手にされなかったのは誰の目から見ても明白だった。



「で、でも、わたくしの邸に、寝室に入ったじゃない!」


「行っただけで不貞ならそうなのでしょうけど証拠はないんじゃないかしら。

 きっとゴンドラード公爵様も知らないと仰るだろうし。なによりわたくしは子を生んでませんもの」


「それは、避妊薬を飲んでいたから…!」


「ならあなたはなんで避妊薬を飲まなかったの?」


「あっ……」


 墓穴ね。避妊薬を飲んだところでできる時はできるそうだけど妹は自分の失言に言葉を失った。


「あなたに手引きしてもらったのは四回。その全てをゴンドラード公爵様はお越しにならずあなたに操を立ててらっしゃったのですよ。

 それなのに自分もしたのだから相手も不貞をしているなどゴンドラード公爵様にもわたくしにも失礼なのではなくて?」


 本当はキールズ様も平民の女と火遊びをしていたのだけど今はどうでもいい。

 驚く妹の顔にはキールズ様に愛されているという喜びが浮かんでいて唾を吐きたくなった。お前が気にすべきことは後者の方だ。



「誠実なゴンドラード公爵様に引き換え、あなたときたら領地に帰るギリギリまで伯爵家のタウンハウスに入り浸りドルフィンと一緒に夫婦の寝室に籠っていたわね。わたくしとドルフィンの寝室によ。

 回数にしたら何回かしら?四回以上は間違いないわよね。家族だから、実家なのだから好きにさせたのが間違いだったわ」


 明らかに姉よりも回数も時間も越えていて悪びれもしない。その原因のひとつに元々関係を持っていた夫のドルフィンのせいもあるだろう。

 だが子を生せず閨に不安を抱いていた話を聞いたにも関わらず自分の欲に走った妹がなによりも許せない。


「あなたは爵位を盾に当主であるわたくしの夫を寝取ったのよ。それに飽き足らず夫の子を産み、まだ作ろうとしている。それがどれだけ罪深いことかわかってる?」


 ゴンドラード家から早めに帰り仮眠を取っていれば隣の部屋では隠す気もない大声で騒ぎ立て何度乗り込もうと思ったことか。

 お陰で恥じらいも何もなくなってしまった。そこにあるのは虚無と失望だけ。


 そんな顔で見下ろせば妹はカタカタと震えだした。

 気づいたところでもう遅いわ。嘆息を吐いたわたくしは父に向き直った。


「エントワルト伯爵家当主としてドルフィンに婿の価値はないと判断し離縁しようと思います。彼の不貞はわたくしとの婚約時からありました。

 不貞の相手であるこの子に身も心も捧げていたためにわたくしと結婚しても子作りができないように閨を逃げていました。これは契約違反でありエントワルト家への侮辱です。


 ……まさかと思いますが、お父様もこの二人の関係を知っていた上で、わたくしの婚約者にしたのではありませんよね?」



 妹にドルフィンとの子供ができた時とてもあっさりと認めましたものね。本来なら優先されるべき当主であるわたくしを諌める言葉まで寄越して。

 鉈を握り直し父を不審な目で睨むと彼は真っ青な顔で首を振り否定しました。


 半分は同じ伯爵家の血だし醜聞を広めたくなかったからその最善の処置がエントワルト伯爵家の子供として育てることだろうと思ったそうです。

 親としては間違いではないけど判断が愚かだわ。わたくしだって娘なのに。石女と決まってもいないのに。


 父からさっさと家を継いでよかったと思う。彼が当主のままならわたくしは泣き寝入りして不貞の子を自分の娘として育てなくてはならなかったのだから。



「彼の生家である侯爵家に話したところ不貞は知らなかったとのことです。離縁についても伺いましたが彼はもう侯爵家を出た身、好きにしていいとのことでした」


「あ、あちらに話したのか?」


「醜聞ではありますが勝手に処分しては角が立つでしょう?提携している事業はそのまま続けることで話は纏まっております」


 だからドルフィンはいらないのだと言うと父はなんとも言えない顔でドルフィンを見てわかったと了承しました。


 そもそもとして入婿の分際で出ていった妹に操を立てる方がおかしいのです。

 せめて一人生ませてから妹と関係を持つべきでした。貴族の勤めも果たせない者に用はありません。


 気絶したまま放置されているドルフィンを一瞥し視界から外すと、微かに聞いていた妹は血みどろの顔で泣いて縋りつきました。



「ごめんなさいお姉様!わたくしが間違っていたわ!お願いだから殺さないで!!」


「何をいうのかしら。血が繋がった家族を殺すわけないでしょう?」


 姪の命も奪ったりしないわ、と微笑めば妹にもかすかな笑みが戻りました。


「でもあなたは忘れっぽいから家族の縁を切ろうと思うの。ゴンドラード公爵様以外と作った子供をエントワルト伯爵家の子供だと言われても困るしね」


 ましてや伯爵家の跡継ぎなんだから育てて、なんて世迷言を言われたら子供にまで殺意が芽生えてしまいそうだもの。


「後継者はわたくしの子かわたくしが選んだ者を養子にして後を継いでもらうわ。だからね、あなたの子供は必要ないの。余計なことをしないでちょうだい」


 あなたは出ていった部外者なのだから。

 それを自覚してもらうためにもあなたを伯爵家から除籍するから、と言えば横暴だと叫ばれた。あら何を言うのかしら。


「わたくしはあなたのせいで白い結婚のまま夫を失ったのだけど?

 あなたのせいでわたくしは未亡人になり、醜聞のせいで伯爵家は笑い者にされ次の相手も一生見つからないかもしれないわね」


 それだけの仕打ちを家族である姉にしてきたのに除籍が酷いの?と返せば黙り込む妹。


「でもあなたは大丈夫よ。あなたは公爵家の後継者を生んだのだから問題ないわ。それにまだ若いのだし困ったらまた生めばいいのよ。獣のようにたくさん生めばいいわ。

 ……それに平民になっても愛人として囲ってもらえばいいじゃない」


 そう囁けば妹の顔色が真っ白になった。この愚かな妹はキールズ様に平民の愛人がいることをわたくしは知らないと思っていたのだろう。

 その上であてがってきたのだ。キールズ様がわたくしに見向きもしないということをわかった上で。


 ドルフィンとの会話を聞く限りキールズ様も知っていてわざとわたくしの元に来られず妹はそこでも陰で笑っていたのだろう。

 血が繋がった姉を笑い者にして楽しむなど見下げ果てた妹だわ。


 初めて向ける軽蔑した目に見られた妹はやっと姉が怒っているのだと理解しました。それまでは何をしても仕方ないと、可愛い妹だからと許されてきましたが本気で絶縁されるのだとわかって涙を流しました。

 何度も許しを乞い、泣いて謝りましたが謝ったところでもう遅いのです。自分中心に物事を考えていた妹には高い勉強代となりました。




「ではさようなら。ゴンドラード夫人」


 簡単な手当てをしてやった後、ほとんど裸同然で妹と元夫の二人を馬車に詰め込みゴンドラード家へ向かわせました。二人きりの旅行は久しぶりでしょうから楽しんでね、と声をかけてあげた。元夫は未だに気絶していましたが。


 食事も数日分渡してあるし御者にもちゃんと送り届けるよう多めに手当を渡してある。なのでちゃんと帰りつくでしょう。

 ついでにキールズ様にはドルフィンが妹をたらしこみ、子を生ませて公爵家を乗っ取ろうと画策したため処罰したと手紙に記した。

 妹の怪我は怒り狂った姉を止めるため、『真実の愛』で結ばれたドルフィンを守るために身を投げ出し負傷したいうことにしてある。


 よく読めば、妹の話を聞けば、見抜ける話だがなんとなくキールズ様は此方に追及してこないような気がした。

 圧力をかけられても妹はもう他人なので知ったことではないし、不興を買ったとしても派閥が違うのだから痛手も少ない。

 妹は派閥の橋渡しの役目もあったのにそれも忘れてしまったしょうがない子なのだ。


 これでも昔はもう少し可愛げがあったのに。随分とバカな娘に育ったものね。


 ドアを閉めた馬車の中から妹がわたくしを見ている。妹は顔中を包帯に巻かれ、目と口しか見えない。その目が見たことないほど虚ろで濁って見えた。


『お姉様、ごめんなさい。許して』


 と口が動いていたが見なかったフリをした。許したところで喉元を過ぎれば妹はまた同じ過ちを犯すでしょう。両親が許してもわたくしはもう許すつもりはないのです。


 自分の子供の行く末を心配し懇願すればまだ救いようがあったのに妹は最後まで自分の子供の名前を出しませんでした。ほとほと呆れた妹です。



 その後、書類提出し妹を除籍し、ドルフィンとも正式に離縁したわたくしはがむしゃらに仕事を続けました。それ自体も楽しくやりがいがありましたがそのお陰でいい出会いがありました。

 伯爵領内で商売をしている商会の方です。年下ですがとても誠実で貴族の事情も理解があり何よりもわたくしを一番に愛してくださいます。


 後継者を授かれるなら愛などいらないとさえ思っていたわたくしですが、彼と出逢ってからは愛は育むものだと学びました。そして子を産み更に愛が深まることを知ったのです。それは喜びであり幸せでした。


 一方でゴンドラード公爵家に戻った妹はどんなに頑張っても傷が残ってしまい別荘地に引きこもってしまいました。

 傷物の顔では社交界に出れないので仕方ないことでしょう。


 そのことに関して実はパーティーでキールズ様に嫌味を言われました。実の妹に情も何もないのか、と。その頃には結婚していたわたくしはにっこりと微笑みました。以前なら動揺し、頬を染めてキールズ様をチラチラと見ながらまともに答えられなかったでしょう。

 初恋の淡い気持ちが消え去った今ではどんなに麗しい姿も色褪せて見えますわね。


「妹だった者は元夫のドルフィンと共謀しゴンドラード公爵家を乗っ取ろうとしていたのですよ。そんな者を匿えばエントワルト家は終わってしまいますわ」


「だが、唯一の妹だろう?」


 恐らくそんなことなど企んでいなかったのだとキールズ様は考えているのでしょう。仮に計画したところで怖くないと考えているのかもしれません。

 それがバレたところでキールズ様は痛くも痒くもないのでしょうね。わたくしは弱者でか弱い女のように目を伏せ少し躊躇するような素振りを見せました。何も知らなければ妹のことで心を痛めてるようにも見えるでしょう。


「妹だからこそ断じなければ示しがつかないと思ったのです」


 妹の見た目は確かに美しいので惜しむ気持ちがあるのでしょう。そしていらなくなった妹をエントワルト家に突き返したいのでしょうね。おしどり夫婦なのに傷が残ったから飽きてしまうなんて薄い愛情ですこと。


 形だけの言葉遊びに扇子の下で失笑していればキールズ様が肩に手を回しむき出しになっている腕を擦ってきた。嫌悪で鳥肌が立った。


「冷たいご夫人だ。だが嫌いではない。それに結婚してからのあなたはとても美しくなった。どうかな?この後私と一緒に呑まないか?」


 慕っていた頃にはついぞなかったお誘いの言葉をもらい吐き気がした。わたくし、まだ子供を産んでないんですけど。頭わいてるのかしら。


「あの日の続きをしよう。もし()()なら私が先に手解きをしてあげてもいい」


 このエロジジイ。

 いやらしく撫でてくる無礼な手をつねればキールズ様は短く悲鳴をあげた。


「ご心配には及びませんわ。わたくしは今とても幸せですの。夫と一緒に帰りますわ」


 わたくし、幸せですから。

 だから不倫を強要してくるな屑男。ピシャリと言い放てばキールズ様はあからさまに不機嫌な顔をした。


「私と仲良くなった方があなたの利益になると思うが?」


「縁を切ったとはいえ妹の旦那様と疑われるようなことはしたくありませんわ。あの子はとても嫉妬深いんですよ。わたくしもあんな顔にはなりたくありませんわ」


 ほほほ、と笑えばキールズ様の顔が引きつった。


「それとも妹がいらなくなりましたか?でしたらドルフィン様に下げ渡されればよろしいかと。断種されてからも従者として公爵家に置いてらっしゃるのでしょう?それとも跡継ぎが変わったからわたくしに処分しろとでも仰るのかしら?」


 眉間にも皺ができわたくしを睨んでくる。それを余裕を持った顔で返しました。


「長年囲っていた愛人に子ができたのでしょう?しかも男の子が。その子と妹の息子を取り替えるおつもりなのかとわたくしヒヤヒヤしておりますの」


「なぜ、それを?!」


 自分達以外知るはずがないと思っていた秘密を知られキールズ様はあからさまに動揺しました。そんな顔もするのね。

 というか、密偵を公爵家に潜ませているからに決まっているじゃない。目的は妹が逃げ出したり不倫をしたりしないようにお目付け役で潜入させたのだけど。


 仕方のないことだけど妹は彼にろくに愛されていないのだと知ってしまった。可哀想な子。


 妹に似た娘を思い出し遠くを見ました。

 姪は両親の反対を押しきってわたくしが直々に見つけた孤児院に預けました。そこは両親は知らないところで環境は悪くないところです。個人的に出資しているので生活に困ることはないでしょう。

 引き取り手が見つかった時もわたくしに審査させるよう指示も出してあります。大人になるまでは見守るつもりです。妹達と引き離したのだから当たり前のことでしょう。健康でやる気さえあれば将来は明るいはずです。


 そんな姪とは別にキールズ様の息子、わたくしにとって甥は姪よりも幸せな環境で過ごしてきましたが体は健康からいまひとつ遠くて季節の変わり目によく臥せっているようです。

 そして物覚えもあまり良くなくゴンドラード公爵家の期待に応えられるか不安なのでしょう。

 もしダメなら愛する人との子供の方を継がせたい…という考えに至っても不思議ではありません。


 ですが。


「キールズ様がどこで誰と子を作ろうがわたくしには関係ありませんが甥が生きている間はあの子が跡継ぎだということを努々お忘れになりませんよう。

 もし甥に危害をくわえたり何かを強要し不当な理由で後継者を降りるようなことがあれば、貴族に相応しくない血が公爵家の後を継ぐとわかれば、わたくしエントワルト家が全力でそれを阻止させていただきますわ」


 恐らく妹は愛人が生んだ庶子を引き取り拒否するでしょう。そうでなくとも別宅に押し込められてキールズ様からの愛情に飢えているのだから。愛人が本邸に入っただけで刃傷沙汰になってもおかしくはありません。


 だって本来のあの子は自分がお姫様なのだから。結婚したから、子供を生んだから変わる性格ではないのです。変わっていれば姉の夫と不倫などしないはず。

 あの子が別宅で大人しくしているのはキールズ様の愛が自分にあると信じているから。それが揺らげばすぐにでも本邸に戻って来るでしょう。



 けれど妹のことはどうでもいいのです。わたくしはただ正統な後継者がいるのにそれを蔑ろにされたくないだけなのです。だって自分を見ているみたいで嫌気がさすんですもの。


 天才的な才能を持っていたとしても平民に家督を譲るなど公爵家であってはならないのです。そんな日が訪れるようものなら真実という醜聞を広め公爵家と徹底抗戦して糾弾することも厭わないと脅しました。

 本来なら不敬罪に問われても仕方のない発言です。ですが他人が勝手に『あるはずの未来』をねじ曲げようとすることが許せませんでした。


 そう。わたくしはキールズ様のことも怒っているのです。

 そんな真面目に取らずにもっと気軽に付き合おう。妹のことを恨んでいるのだろう?貶めてやりたいと思わないのか?

 と、屑な発言にわたくしは我慢の限界を感じ掴まれた腕を強く振り払った。



「わたくし、結婚前から不貞をしている殿方を見ると虫酸が走って()()()を潰してやりたくなりますの」



 浮気をされてしかも閨を拒否され続けていたのだ。そんなわたくしから見て自分は地雷だとなぜ気づかないのかしらね。

 周りにも聞こえる声に視線が集まる。男性達は我がことでもないのに青い顔で股間を隠していた。わたくしは醜聞まみれで散々嗤われてきたので新しい噂が広まろうとたいして痛くもないがキールズ様は違う。

 ただの傷ごときでおしどり夫婦を終わらせてしまったのだ。とてもつまらない男に成り下がってしまったものだわ。


「どうぞ平民の愛人の方とお幸せに。ああ、次からはちゃんと避妊された方がよろしいかと」


 平民の愛人をコントロールすることもできないなんて、と嘲笑うように扇子で顔を隠せば周りもおかしそうに笑った。貴族にとって平民は従わせる者。振り回されてはならないのだ。


 顔を真っ赤にしたキールズ様は反論せず逃げるように去って行った。公爵ならうまく利用して反論なり論破をすればいいのに傷つけてしまったかしら?

 だからと言って罪悪感などなかったがわたくしは周りの知り合いにそれとなくキールズ様の不貞を匂わせてから退席した。社交シーズンだからとてつもない早さで噂が広まるだろう。


 広まったところでキールズ様の立場は変わらず、むしろ以前よりも増して人気者になることだろう。おしどり夫婦だった頃は誰もが神聖視していたから近寄らなかったけど地に堕ちてきた同じ人間なら手が届くのでは?と手を伸ばす者もいるかもしれない。

 あらやだ。そうしたら妹の立場がますます危ぶまれるわね。キールズ様は今も人気ですもの。特に今追いかけている女性は自意識が高く、見た目も美しい、妹のように頭が回る者達ばかりだ。

 平民の女なんて特に危険じゃないかしら?自分にも入る隙があるとわかれば邪魔者を消しに行ってもおかしくないわ。

 暗殺される前にキールズ様がちゃんと守ってくれるといいわね。


「さすがに考え過ぎかしら?」


 自分の行動は不敬で褒められた行動ではなかったが、おしどり夫婦ではなかったキールズ様に失望している女性達からは称賛されました。またどこで聞いたのか妹とドルフィンの不貞を知って同情してくれる方も現れわたくしの居場所が少しずつ広がり、そして強くなっていきました。

 その流れでキールズ様の元婚約者様とも仲良くなれたのはとても嬉しかったです。

 学生の頃憧れていましたが派閥が違うのでお近づきになれませんでした。事業提携のお話をいただいているので長いお付き合いになるでしょう。


 そういう意味では共通話題になっているキールズ様に感謝しております。勿論悪い意味で噂しておりますので期待なさらないでください。


 色々ありましたがわたくしは前よりも強く前を向けるようになりました。そして夫と子供と共にもっと幸せになれるよう努力していくつもりです。

 この言葉を届けるつもりはありませんがそちらもどうか息災でお過ごしくださいませ。





読んでいただきありがとうございました。

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