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君を待つ

作者: aki

毎月1回 深夜のデート

君の定例会のお迎え


今日はどのくらい酔っているだろう?

少し酔っぱらった君の甘えた声がとても好き

普段なら余りくっついてくれないのに

ほろ酔いの君は甘えてくれる


駅前で君を乗せ、自宅に送るまでの短い時間

それじゃ足りないから、いつも寄り道して

車の中から一緒に田舎の薄暗い夜景を見ながら過ごす

月に1度の至福の時間

約束の時間はとうに過ぎている

酔い潰れっちゃったのかな?

誰かに連れて行かれてないかな


とても不安


君はとてもモテるから


いつも妬きもちを妬くのは俺


逢いたいよ

不安だよ


君はとても自由だから

手を離すとすぐに飛んでいってしまう…

だからと言って縛り過ぎると

窮屈だと離れて行ってしまう


独占欲の強い俺は、君を離したくないのに、そうはさせて貰えない


君が順従であったならと思うけど、そしたらきっと惹かれていない


君は自由だから素敵なんだ




もうすぐ1時間…

俺は待つことしか出来ない


現れた君は なんて言うかな?

遅れてごめんって謝ってくるかな?

そしたら俺は

気にしてないよ。楽しかった?

って言っちゃうだろうな。

本当はすごく待ってる時間がツライけど、逢えば全部許してしまう




まだ来ない

1時間半待って

もう待つのをやめた

途中何度も居そうな所をウロウロ歩く

これ以上したら不審者だと思われる


少し怒りがこみ上げてくるけれど、君は俺の物ではないから、

怒るのも違う気がする…


きっと明日にでも連絡がくるだろう

俺は冷静に対応出来るんだろうか

君の特別が俺だけだったらいいのに、

只々妬きもちだけが大きくなって、気持ちがザワザワして…


これで帰っても、気になって眠る事はできないだろう


だからと言って、いつまでも待っていても来ないものは仕方ない。


少しばかり夜のドライブをしたら気持ちも落ち着くだろうか。


その間に連絡をくれたなら喜んで迎えにいくのに


結局 俺は君の事を信じ切れていないんだろう

だからこんなにも不安に押し潰されそうになる

ツライ…

ただツライ…


更に1時間ドライブ 時間は午前2時

連絡はない

もう諦めて帰宅する



家についてすぐ 君から連絡が入った


大抵そんなもんだ



迎えに行くよと伝えたら、もう姉に頼んだと

駅前で酔い潰れてたと言う君


ダメだ 信じられない。

駅前なんて、さっき何度も通ってる



また、次にほっておかれたら俺は耐える事ができない

君に心臓を掴まれて、俺は平常心を保つ事ができない

こんな嫉妬塗れの感情のまま、いつまでも君を信じきれないまま生きて行くなんてイヤだ






お別れしよう


それが一番いい


少しばかり離れて普通の友達になればいい


イヤ、それは虫のいい話だ


友達でいいなんて絶対思えない

きっとまた好きになってしまう

嫌いになんてなれるはずがない

今までだって何度もそうだったじゃないか

気が付くと、また仲良くなっている

そして苦しむんだ




さよならを告げて 君を携帯から削除した

もう連絡はしない




俺がみた最後の君は、ちょうど一月前バイバイと手振ってた時の笑顔だ



今は後悔しかないけど、朝まで苦しんで、闇が明けるのと一緒にこの気持ちを消してしまおう

忘れる事はできないけれど、忘れなくたっていい

大好きだったのは本当の事

こんなにも大切な人はいない


大切過ぎて、見返りを求めた

自分も大切にして欲しかった

でも、そうして貰えなかっただけ



全てを信じたり、何もかも許すなんて事は俺にはできないから

あった事だけを信じて


君を好きだった。

君を信じ切れなかった。

そして自分が苦しい事に耐え切れなかった。

ただそれだけの事






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