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タトゥ王国の娘  作者: はなざわ
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ゼバオウの秘密

タトゥ王国の王『ゼパオウ』には秘密があった。


タトゥ王国…王宮の庭園 にて



王族タトゥ家の筆頭『ゼパオウ』は秘密を抱えている。


「父ぎみ、騎士としての誇りをここに捧げます」


第三王子『パニエる』が走りながら帰ってきたようだ

第三王子『パニエる』は父ゼパオウに向け腕のタトゥーを見せつける。それは波状の曲線が一つの罰印型の紋章に向かっていた。


「うむ、申し分ない紋章じゃ……しかしじゃ

…パニエるよ…」


なぜかゼパオウは頭を抱える。いつもの予感がするからだ


「うああ、こいつ本気でやりやがったーもう闘わねぇ」


泣き叫ぶのは長男『第一王子ダン』

頭を抱えながらゼバオウの元へ向かってくる


どうやら誰かに頭をぶたれたようだ、腕に丈ぼうきを持っている。チャンバラごっこをしていたのだろう…。やったのは第三王子パニエるだと思われる。


ゼバオウは第一王子ダンの頭を拝見する。

血が出ていたら……大変だからだ

しかし


「綺麗なおでこじゃ…うーむ、だがしかし…」


竹ぼうきも同様に傷ひとつもなかった。それは第三王子パニエるの得意な所業である。


「…やはりか…」


父ゼパオウにしがみつく第一王子ダン。

それを眺めながら第三王子パニエるは「かかげないのですね…」とつぶやき手を差し出した


「いずれ私は父ぎみのような騎士になり、この国を治める 王 になります。だから第一王子…負けをみとめ手をとり、あなたも私と同じタトゥをかざしなさい」。


しかし第一王子ダンは納得しない


「かざさねぇよ!」

「これは…間違いないな…」ゼパエルはつぶやく

怒りが収まらない第一王子ダン…仕方ないとばかりに第三王子パニエるは続ける


「ならば私とまた闘いそして…いずれ私を越える事を誓い、かかげなさい」


第一王子ダンは折れなかった。

いつもの情けだからだ……第一王子ダンは確信していたのだ。いつだって第三王子パニエるは当然のようにチャンバラで勝ち、生意気にも優しく手のひらをかえし再戦を求める。それは情けをかけ優越感にひたりたいからだ。だから



「うるせ!もう闘わねぇ」

「そうくるか…」


「見せつけなさい。強くなることを…このタトゥに誓いなさい…」

第三王子パニエるは諦めない


しつこい第三王子パニエるに対して第一王子ダンはたまらず指摘する


「いつもの情け、あの優越感か?」


「…」

「ワシに間違いはないな」ゼパエルは確信した

第三王子パニエるは止まった


第一王子ダンは覚悟する

兄弟としての関係を途絶えさせ

今後一切の会話を第三王子パニエるとは共有しないことを…


第三王子パニエるは黙っているのだから

それに異論はないのだろう…


王宮内へと背を向ける第一王子ダン


すると…


背中から噛み締めるような声がする事に気がつく

声は……第三王子パニエるで


「違います…タトゥ一族としての絆です。私は共に強くなりたいのです…」


声は少し震えていた


絆…?


思わず立ちすくむ第一王子ダン

過去いままでの第三王子パニエるとの闘いを振り返りひとつの答えへとたどり着く


絆のために自分と闘い続けていたと

いうのだろうか……そこにあるのは 情け ではなく 一緒に強くなりたかっただけ だというのか……第一王子ダンは自分が小さい人間に感じ

ずにはいられなかった


たまらず唇をかみしめる

怒りをぬぐい

第三王子パニエると同じタトゥをかざしたのだった


「…今回だけだぞ」


と笑みもこぼれる…

それを眺めるゼバオウも笑みがこぼれた…

「決まりだ…パニエる」ゼパエルは宣言する

すると後方から手をたたく音がした


「あらもうパニエるはお強いのですね」


ゼパオウの妻である王子妃ソンが顔を出してきたのだ

事の一部始終を陰から見ていたらしい……。


「女の子なのに……」


ゼバオウは動揺を隠せずついばむ。


「王宮のものに聞かれたらどうするのだ」


あらやだと王妃ソンは口をぬぐうのだった


第三王子パニエるはおなごだった。だが

髪の毛をショートにし、服は常に男児の服を着せられていた……それには理由があった。


タトゥ王国には圧倒的な才能、頭脳、カリスマ性をすべて第三王子パニエるが備えていた


ゼパオウを彼女は神の子と称し

男児として育てあげ、王宮にまで内密にし

この国の未来のために王子として育てあげていたのだ……


そして……


王妃ソンは少し怪訝な顔をしていた。それを逃さないゼバオウ「……何かあったのか?」と訪ねる


王妃はゼバオウに耳打ちする「あなた……隣国ナウル国に少し奇妙な噂があるのです……」

ゼパオウは顔をしかめるのだった……。


タトゥ王国に大きな波が訪れる事から、

物語は動きだしていく………。

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