第七話 古の森へ
レオンは白馬に乗り、ひたすらアルハラ平原を駆け抜けていた。あたりはすっかり日が暮れ、暗闇が広がっている。
「大分暗くなったな…ん?あの建物は…」
レオンは綱を引き白馬を止める。
目を凝らしてよく見ると、そこは大きな要塞のような場所だった。入り口の大きな門の前には先程城下町の前にいたのと同じ鎧を見に纏った兵士達が立っていた。
「あそこは…」
建物を見ていると、ゆっくりと入り口が開くのが見えた。
「アルハラ王国中央軍3番隊、行くぞ!目指すはブレア火山だ!グレイモアの連中にこれ以上好き勝手はさせぬぞ!!」
「おー!!」
馬にまたがり先頭に出てきた男の掛け声に、後ろの兵達は手を挙げ大声で返事をする。
「進め!!」
先頭の男の掛け声と共に、兵達は東の方向へ駆けて行った。
「あそこはアルハラ軍の軍事基地だったのか…。さっきの人達、ブレア火山って言ってたけど何かあったのか?…ま、いっか。とりあえず俺は古の森に急がなきゃな。頼むぞ!」
そうレオンが言うと、白馬は返事をし平原を走り出した。
ーーーーーーーー
さらに夜が深くなった頃、遠くに松明の火が見えてきた。
「あそこが兵士長さんの言ってた村か…?」
松明の後ろには古びた木の門が立っており、その門の周りには大きな馬車が2つ止まっていた。
「よし、到着だな!」
白馬を門の前で止め、レオンは白馬から降りた。
そして、手綱を持ちレオン達は村の中へ入った。
ーーーーーーー
「…なんか懐かしい雰囲気だなぁ」
その村は、レオンの出身地であるマシロ村とどこか似た雰囲気を持つ小さな村だった。周りは森に囲まれ、自然豊かな場所だ。
村の中を歩いていると、鎧を身につけた男たちが目に入った。
「あれは…アルハラ軍の兵士だ」
レオンが近づいていくと、兵士達はレオンの方へ顔を向けた。
「おぉ、来たな!君がレオンか。俺達は今回君の支援をするアルハラ中央軍2番隊だ。よろしく」
「はい、よろしくお願いします!」
「早速世界樹に、と言いたい所だが…とりあえず今日は体を休めてくれ。この村の人に家を貸してもらえることになってる。さ、着いてきてくれ」
レオンは兵士に連れられ、村の中を歩き出した。
ーーーーーーーー
「さ、ここだ。ここは空き家になってるそうでな…君のために貸してくれるそうだ。さて、任務のことだが…。明日の朝、作戦会議をする。朝5時、村の中央に来てくれ。…君はこの国の希望だ。期待しているぞ、ザイホンの息子君」
「はい」
そう言うと、兵士は去って行った。
「ここに1人か…結構でかい家だな…」
レオンの泊まる家は、大きな平家で1人で泊まるにはかなり広い家だった。
「よし、お前はここで休んでくれ。ご苦労様」
レオンは家の柵に綱を結び、白馬を繋ぎ止めた。
「はー、なんだか色んなことがありすぎて疲れたな…。今日は早く寝よ」
レオンは家の中に入り、ベッドに飛び込む。
気がつくと、レオンは眠りについていた。
続く。
投稿は不定期で行います。