ミナギについて
「まずはスシルタの件でやすが王国にはもう帝国からの逃亡者がいてそいつらがスシルタを聖女とバステアにバラしたそうでやす」
そうか。やはりもう先に帝国の人間が王国にいたのか。
俺はスシルタの聖女の件については納得し、「ほかには?」とアレク殿に尋ねる。
「そうでやすね。まず商店街とミナギ殿についてでやすが。商店街はまず王が認める店しか商店街で店を開けないことになりました。いくら腕がよかろうとも王の一言でその店は畳まなければならないと。そしてそれに反抗し店を開き続けたのはミナギ殿でやす」
「ミナギが、そんなこと、を。それで、ミナギ、は?」
「彼は最後までザンサク達が帰ってくるまで店は閉じねえと言っていたらしいでやす。そして店を閉めないでいるミナギ武具店に対し王はまずミナギ殿の身柄をとらえ、そしてミナギ殿が見る前でミナギ殿の店を破壊しやした」
な、なんて酷いことを。しかしそれをなんでアレク殿が知って
「なんであっしが知るのかというと中央エリアに昔商店街で店を出してる男がいたんでやすがその方も店を閉じられ今はひもじい生活をしているところを金を少し与えたら情報をくれやした」
商店街のやつが中央エリアにいるのか。体力が戻り次第俺もミナギについて調査しないとな
「ミナギ殿の調査をしたいのでやしたら大丈夫でやすよ。あっしがすでに彼の居場所をつきとめやしたから」
「お。そ、それは助か、る。それで、ミナギは」
「ミナギ殿は王城の地下に囚われているでやす。端的に言えば地下牢でやすね」
「地下牢に、囚われている?なんで、なんでミナギが。ミナギが何か、悪いことをした、とでも?」
「それはないと思うでやすが、今の王は勇者のいいなりでやすからね。そろそろあっしも我慢の限界でやすが。だからそろそろあっしはことをおこそうかと考えているでやす。旦那が完全に体力を回復してから少したってからでもいいんでやすけど。その間にあっしは戦力を整えやすので。旦那も力をかしてやくれやしやせんかね?」
「・・・わかった、じゃ、ミナギのこと、は、任せ、たぞ。俺は、しばらく、休ませて、もらう」
「任せてください。旦那はゆっくりと休んでいてくださいでやす。準備はちゃんとしておきやすから。それじゃあっしはこれで」
アレク殿は俺にミナギのことを説明した後ミナギ奪還、アワステルン王を正気に戻すための作戦を練るため俺の部屋から出て行き、俺はスシルタに「もう大丈夫ですよ」と言われるまで休むことにした。




