テテスアとザンサク
「あらあら。これは会うのは久しぶりと言うべきですわね。荷物持ち」
「・・・その、声は、テテ、スアか?」
俺は倒れながら首だけ少し上にあげて俺に喋りかけてきた人に聞く。
「ええ。帝国アルグレイアの聖女をやらせてもらっているテテスアですわ」
「はっ。わら、わせない、でくれよ。お前が、聖女、だと?」
「ええ。私が聖女。そして聖女の名を語る不届きものであるスシルタを始末しに来たのですけどどうやら逃げられてしまったようですね。やはり人任せにするなどとはダメでしたか。私自らの手でやらなければ」
テテスアが俺に言う間にテテスアの影から何か仮面をした何かが現れる。
「いえ。聖女様が手を下すなどお手や経歴を汚させるようなことはできません。私が選抜した部下が無能だったからこそ逃してしまい申し訳ありません」
テテスアの影から出て来た仮面の何かはテテスアに言う。
「しかしこの男は回収したいのだろう?仮面族の長よ」
テテスアはクロゼムの体を指して言う。
「ええ。こいつはスキルがあわさってできた新しい生命体。是非とも私が管理しておきたいので」
テテスアの影から仮面の男は出て来て
「お初にお目にかかります。私仮面族の長のクロカゲと申します。名の由来は黒い仮面にスキル、影に入り込むことからクロカゲと名乗っております」
クロカゲと名乗る男は俺に名乗るとテテスアが
「このような荷物持ち如きに名を名乗る必要はありません。さぁ早くこいつを回収して帰りますよ。我が信者たちが教会で待っていますから」
クロカゲにテテスアが言うとクロカゲが
「よいのですか?このかたはもう瀕死の状態ですがトドメをささなくても?」
「構わないわ。こんな荷物持ち放っておいても私と勇者様の計画の妨げにはならないわ。勇者様からは殺せとは言われてるけどこんなやつのためにあなたほどの手だれの手を汚させるわけにはいかないわ。そこら辺の魔物に食い散らされて死ぬ方がこいつにはお似合いよ」
テテスアは俺を見下しながら言う。
「ああ汚い汚い!こんなやつが一時期私達と一緒にいたなんて!たとえ勇者様がパーティーに選んだとはいえ本当に私の人生のおてんよ!」
テテスアは俺を見下した後俺に近づいて俺の体を蹴り続ける。
「汚い!汚い!汚い!」
「ぐっ!う、ぐ!」
テテスアは瀕死の俺を何度も蹴り続ける。汚いと言うわりにはよく俺の体を蹴れたもんだな。こいつも。
「聖女様。そんなことをされては汚いと言っている男の血で汚れてしまいます。どうせ死んでしまうのですからこやつはこのまま放置して私達はこいつを回収してアルグレイアに戻りましょう」
「・・・そうね。あまりにもことがうまくいかなくてこんな汚い荷物持ちを蹴ってしまったわ。さっさと帰りましょうクロカゲ」
「了解しました」と言いクロカゲはクロゼムを影にしまってそのままテテスアの影の中に入り俺は最後にテテスアが俺の前からさるのを見て意識を失った。




