ザンサクVS黒い腕
「さて。それじゃ久々にマジでやろうかな」
俺は1人になると血を求めて彷徨う黒い腕に向き直る。
「チ、チー!チハドコ」
「血はくれてやる気はないがお前の墓標なら今ここで立ててやろう」
ウロウロ彷徨う黒い腕に対し俺はいい、投げて俺のもとに戻って来た自動追尾型魔法剣を持って地面に突き刺す。
俺は勇者パーティーにいた時、荷物持ちとして戦闘に参加することはできずただドロップした魔物の素材などを拾い溜まり場に戻るとそれをオサム、バステア、アルムス、テテスアの4人にドロップ品をおろしてお前はどこかに行けと言われていたから俺は溜まり場のベストプレイスでアレク殿から来る依頼をこなし、それを全て1人でやっていた。それが上級魔物だろいたが何だろうが。
俺は確かに武器を装備して戦うことはできない。だが俺は武器は道具として使える。そしてこの自動追尾型魔法剣ストレアは相手を追跡し、気配を感じながら攻撃をするだけでなく更なる魔法効果を持っている。
「今からじっくり料理してやる。自動追尾型魔法剣ストレア。能力を解放せよ!」
俺がストレアを握りながら叫ぶとストレアは光だし俺と黒い腕を囲むように四角い透明な箱が俺と黒い腕、シロスの体を閉じ込めた。
「コ、レハ。チハ、チデハ、ナィィィィ」
「当たり前だ。これは自動追尾型魔法剣ストレアの魔法領域だ。ストレアはこの箱の中では真の魔法を使うことができる」
「アアア。チィ!チィ!」
黒い腕はとうとう俺に手を向ける。やれやれもう手遅れだと言うのに
俺が指をパチンと鳴らすと黒い腕は無数の剣撃をうけてバラバラになる。
「アアア。ア、ァァ」
「この箱の中ではストレアの所有者が想像した攻撃をすることができる。無論剣で出来ることだけ、だがな。魔法だりなんだりは想像しても使うことはできない。今のような剣撃くらいは造作もなきことだ。さ、そのまま消滅してくれ」
俺は黒い腕に言うとバラバラになった黒い腕のカケラ、そして今までの取り込んだ血を使ってなのかは分からないが黒い腕だったものはシロスの体からはがれ、やがて人の姿となる。
「・・・ふぅ。成功したようだな」
「・・・誰だお前は」
俺はもとが黒い腕だった人型に変わった黒い腕に言う。
「我はそうだな。スキル生命体とでも言っておこうかの。我のようにスキル保有者が己がスキルに耐えられない、またはスキル二つ目を取り込み体に収まり切らないようなとき我のような存在が誕生する。複合されたすぎる生命体となってな」
人型になった黒い腕は俺に言った。




