商店街での噂
「なんだ?信用できないか。私が」
「そりゃただなんて信用できませんよまだあったばかりなのに」
俺に変わってカムが言うと店の男は
「信用とかそんなものはどうでもいい。私ははなから他人など信用していない。私が愛すのは武具だけ。武具は人と違って私を裏切らない。だからこそ愛してる」
カムは「この人だいぶ変わってますね」と小声で俺にいい、俺も「そうだな」と言う。
「素材を持ってくればつくってくれるんだね?」
「ああ。もちろんだとも。一応名前を覚えておきたいから名前を教えてくれないかな?」
「俺の名前はザンサク。そして俺と一緒にいるのが」
「はじめまして。カムと言います」
「ザンサク・・・ね。わかった。それじゃ素材を取れたらまたきてね」
俺とカムはミナギ武具店から出ると
「よかったですね。ザンサク!ここは素材さえ集めれば防具とかつくってくれそうで」
カムは素直に喜んでいたので俺は「ふっ」と軽く笑いながら
「そうだな。それじゃ明日は素材を集めに行こうか。それでギルドのクエストも受けて両方こなす感じでしばらくいこうか」
「はい!」とカムはいい、俺とカムは商店街の無料宿屋に入る。
「はいはい。いらっしゃーい。お名前を聞いてもよろしいでしょうか?」
宿屋の店員は俺の名前を聞いてくる
「ザンサクだ」
「・・・ザ、ザ、ザンサクですってー!」
宿屋の店員が言うと俺は
「な、なんだ?俺の名前がそんなにおかしいのか?」
「違うわよ!あなた、勇者パーティーにいたザンサクって男でしょ?商店街のみんなはあんたが来たら商品を売るな!と宿屋は無料でもとめるなと言われてるのよ!もしこれを破った場合は勇者を敵に回すことになるって勇者パーティーの人に言われてるのよ!」
あ?なーるほど。どうりで他の店の奴らが俺の名前を聞いた瞬間に追い出すわけだ。
宿屋の店員は俺のことを無理矢理にでも追い出そうとする。
「早く出て行って!こんなとこ勇者様に見られたらなんと言われるか」
「わかったわかった。出て行くから」
俺は宿屋から出るとカムも後からついてくる。
「どうしたカム?お前は別に泊まってもいいんだぞ?」
「でも、ザンサクが」
「俺のことは気にするな。とりあえず明日ギルドに来てくれればそれでいい。お前は女なんだ。もし野宿は嫌だろ?」
「別に、嫌ではありませんけど・・・。本当に大丈夫ですか?」
「ああ。大丈夫だからここに泊まるといい。また明日ギルドで会おう」
カムはわかりましたと言うと宿屋に戻って行き、俺は今回の宿はどうするか前にまず、溜まり場エリアに向かうことにした。