クロVSシロス
「さて。始めようかクロ。お前の処刑を」
「戯言。シロス。殺す」
クロはかなり息があがりながらもシロスに言い、シロスはそんなクロを見て余裕そうに笑う。
「俺のスキル、ツブテノレーザーをくらってよくそんな強気でいられるな」
「シロス。スキル。弱い」
クロはシロスに言うとシロスは
「そうだな。たしかに俺のスキルは何もない場所では弱いよ。だがこの場所。森にはたくさんの石や小さな木の枝が落ちている。これだけあれば俺のスキルはフルに活用できる」
シロスは地面に転がる石ころを拾って
「それ」
指で軽くパチンっと飛ばすと、シロスの指から飛んだ石ころはレーザーのような勢いでまたもクロの体、腹部を貫く。
「ごっふ」
「さぁ次はどこに穴を開けられたい?右足か?左足か?それとも手のひらか?当たらないかも知れんが上手いこと狙ってやるよ。地面にはいくらでも俺のスキルで使えるものは落ちているからな」
シロスはクロに言うとクロは俺の方を向いて
「人間。見ておけ。シロス。スキル」
「・・・わかったよ。見ておくよ」
俺はシロスとクロの戦闘を見ながらカムの調子をみるために、カムが寝ている場所にまで近づく。
「なんだ?魔族としての誇りを捨てて俺の戦いをやつに見せて対策でもねらせようってか?は!雑魚の考えることはわからねぇな」
「雑魚。シロス。弱った。敵。ばかり。狙う」
「ふっ。立派な戦略と言ってもらおうか。どのような形であれ生き残ったやつが勝者。そして死ぬやつは敗者なんだよ!」
シロスはまた石ころを拾い、スキルで威力と速度をレーザーのように変えて飛ばし、クロの右足を貫く。
「っぐ!」
「あははは!抵抗しないのかよ!仮面族のエリートまで呼ばれたあんたがスキルが弱い俺に見下され、そしてこんだけ弄ばれてよう!」
シロスはまた石ころを拾って次に左足、右腕、左腕と貫いて穴を開けていく。
「ぐ。は。は。は」
「まどろっこしい息切れの仕方だな。もっとふつうに喋れないのかよ。なぁ!クロ」
シロスはとどめを刺すかのように顔面に向けて石ころレーザーを飛ばすとクロは拘束の鎖を前に出してガードする。
「何!?」
「あ。りがとう。これ。邪魔。スキル。使えない」
石ころレーザーを受け止めた拘束の鎖はボロボロとかけらが落ちて少しずつ砕けていく。
そんな。あの石ころを飛ばすレーザーにあれほどの威力があろうとは。拘束の鎖があんな簡単に砕けるのは初めてみたぞ。
「ダークハンド!」
クロは背中からスキルでダークハンドを使用し、ダークハンドが出現した瞬間シロスは「ひぃ」と言って怯えながら背後に後ずさる。
「わ、悪かった。調子にのって悪かった。だから頼む。ダークハンドを俺に当てるのだけは」
「ダメ。くら。え」
ダークハンドをシロスに向け、シロスに触れる前にダークハンドは止まる。
「・・・え?」
シロスはダークハンドが目の前で止まって驚いていた。




