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勇者パーティーから追放された荷物持ちの冒険者  作者: 紫 ヤタガラス
3章 聖女編
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オサムの刺客 カゼバネ

 ガルダラスの森俺を狙う男から逃げて数十分、けっこうな距離をかせいだあと俺は逃げるのをやめ、追いかけて来た男の方角に向き直り、一緒について来てくれたカムも俺がとまるのと同時にその場で止まり相手に向きなおる。追いかけて来た男は笑いながら


「おやおや鬼ごっこは終わりですか?ここまで付き合ってあげたんですからおとなしくしてくださいね」


 手袋をした男は俺に言う。


「誰がおとなしくすると思う?それにあんた俺を殺しに来たんだろ?オサムの命令で」


「おやおや。勇者様の名前を気安く呼ぶとは流石は勇者様の邪魔をよくする最低な荷物持ちとやらのようですね。そんな口はいらないと思うのできらせていただきます」


 男は詠唱を始める。


「風のヤイバよ。やつの口をきりなさい。ウインド・カッター!」


 俺に向けて風の魔法を放つが、カムが俺の代わりに全て剣ではじいてくれる。


「ありがとうカム。助かった」


「ふふ。大丈夫ですよザンサク。あんな雑魚私がちょちょいのちょいで片付けてやりますよ!」


「そんなことは言わない方がいいぞ。あんなやつでもオサムが俺を殺すために手先を向けて来たんだ。それ相応の手練れだろうな」


 俺が男に言うと男は


「おやおや。私としたことが名乗るのを忘れていました。名前を名乗らないのはいくら相手が悪人であろうと私の名が廃りますので名乗らせていただきます。私の名はカゼバネと申します。以後お見知り置きを」


 カゼバネは俺とカムに名乗ると少し頭を下げる。カムはその隙を狙い攻撃をしかける。


「そりやぁぁぁぁ!」


「おっと人が名乗っている時に攻撃とはのんのんのんですね」


 カゼバネは指パッチンをするとカムの体の前に少し風が吹く。


「あ!」


「さて。お仕置きです」


 カゼバネがカムに向けて風魔法を放つ前に俺は石ころをカゼバネに向けて投げつける。


「いたっ!」


 カゼバネは俺の投げた石ころをくらったあとに俺のことを睨む。


「悪の荷物持ちさん。あなたは私にはしてはいけないことをしましたね。私に石を、地面に転がる汚らしい石を投げるなんて」


 カゼバネは俺に言うとカゼバネの体の周りに強風が吹き荒れる。


「な、なんだお前のそれは。まさか、魔法か?」


「ふふふ。こんな魔法が使えるなら是非私は使ってみたい者ですよ。これは私のスキルウインドアーマ。私の周囲3メートルを強風が私を守ってくれます。地面に転がる石や砂は全て私に当たる前に風が消滅させるので目眩しや何をしようが私に遠距離攻撃はききませんよ。接近戦でもあなた達が私に勝てるかどうか。ふ、ふふふ。ははは!私に石ころなんて当てるからこれをこんな早く使うはめになるんですよ!私はねぇ!泥臭いものや汚いものが嫌いなんですよ!だからこんな手袋までしてあなた達を相手にしてるんですから!汚いあなた達を!」


 汚いという言葉にカムは怒ったのか考えもなしにカムはカゼバネに向かってつっこんでいった。

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