商店街にて
俺はクエスト完了報告をし、クエスト報酬を受け取った後、ギルドから出る。
ギルドから出て入り口でカムは心配そうな顔をして待っていた。
「ザンサク。大丈夫でしたか?」
「ああ。心配かけたなカム。あ、これは報酬な」
俺はカムにクエスト報酬の金半分を渡す。
「私勇者様があんな性格が酷いとは思いませんでした!」
「俺もだよ。しかもオサムの周りはそれをなんとも思っていない。普通冒険者ギルドであんなに騒げば迷惑だろうに。そうは思わないかカム」
「私もそう思いますよ。これからはあまり、いや全力で構わないようにしましょう!」
ぐっと手で握り拳をつくって俺に言うカム。俺は思わず笑ってしまう。
「な、何がおかしいんですか!そんな急に笑い出して」
「おかしいも何も全力で無視するって。そりゃめちゃくちゃ笑えるじゃないか」
「それもそうですねわれながらいいことを言いました!」とカムは笑い、俺たちは2人大爆笑していた。
数分笑いあった後俺はカムに「これからどうする?」と聞く。
「これからどうする、ですか。そうですね今日はもう休みたいですけど私のもといたパーティーの溜まり場は使えませんしどうしましょう」
「それは俺も同じだ。溜まり場が2人ともないとなるとつくりたいけど溜まり場の申請するのにパーティーメンバー最低4人はいるからなぁ」
俺が頭をかいて悩んでいると
「それじゃ商店街の宿屋に行きましょう!小さいですけど無料で泊まれるんですよあそこ」
「へー。詳しいな。昔泊まってたとか?」
「はい。2年前に前にいたパーティーに入るまでそこで雨風を凌いだりしていました。冒険者になってからはできるだけ実家に迷惑をかけないようにしていたので」
カムが俺に言うと俺はカムに聞く。
「実家に迷惑をかけたくないって。前のパーティーの時、剣の刃が欠けてきたら研いでもらってたんだろ?」
「それに関してはちゃんとお金を払っていますし、それに私は鍛治士の父の世話にならないよう。鍛治の依頼は出しませんでしたよ」
どやぁとした顔をしながらカムは言う。
「まぁとりあえず商店街に向かって、ついでにぶっしょくもするか」
俺はカムの手を握って商店街に向かう。
アワステルン王国は大国で四つのエリアに分かれているまず中央エリアにはギルド、そして王城があり、中央から右がパーティー溜まり場エリア、左側が商店街である。
俺とカムは商店街に着くと俺はカムに聞く
「なぁ。カム。お前防具布の服しかないけどどしたん?」
「ん?あー。私も追い出されるときに剣以外は初期装備で置いて行けって言われたので防具はそこらへんで拾った布の服なんですよ」
「そうか」と俺は言って、カムの防具を探すことにした。