現在のアワステルン王国
「信じられないでやす。なぜ王があんな、いや。だからあっしに王城に近づくなと言うたのか。王国調査部の奴ら」
アレク殿は俺たちの話を聞きながら1人で何か納得していた。
「ここからがひどいですよ。まず王国民は毎日1人勇者殿に対し、女性を貢ぐこと。勇者が選んだ女性に対し、反抗した場合は即その場で死罪ということ。これが1番ひどいですね。あとは金の押収量が上がったとか、うまい食料はすべて勇者のものだとか」
ひどいな本当に。勇者のすることじゃねぇよ。
俺が思っているとガルは
「勇者のすることではないのはわかります。ですがやつには力があるんですよ。私達を逆らわせないような力が」
「力があるとはスキルじゃないのか?」
「違うんです。実は王国調査部の奴らが命がけで勇者の身の回りを調べていたんですが何と魔族と話をしていたらしいのです」
ガルが王国調査部と言うとアレク殿は
「何でやすと!それで調査した調査員は」
「残念ながら通信が途絶えてしまったのでおそらく魔族に見つかり殺されてしまったと思います」
ガルはアレク殿に言うとアレク殿はぐっ握り拳を作り
「勇者め・・・。私の部の隊員に手を出すとは」
アレク殿が悔しなっている間
「オサムのやつ、やりすぎだな」
俺がオサムと言うとガルはキョトン顔で俺に聞き、俺は「ああ、すまない」と答え
「オサムとは勇者のことだよ。それで勇者の力とは?」
「それがですね。どうやら魔族と繋がっているらしいんですよ。まだ噂の段階なんでわかりませんが。ですが調査員の調べのおかげで噂もたしかなものに変わりましたし。さて、話しているとあっというまですね」
俺とガルが話す間に中央エリアのギルドに着く。
「ささ。中に入りましょう。バステア様を筆頭にした反乱軍が中にいますから。仲良くしてくださいね」
ガルが俺に言うと俺は
「そうだな。俺を馬鹿にするやつとバステアについては仲良くする保証はないかな。ま、話は聞くがな」
俺たち3人とガルはギルドの中に入ると中は前のような広場ではなく作戦基地のような部屋に変わっていた。
「やっときたか。遅いぞ荷物持ち!いつまで俺の仲間待たせてたんだ。こちとら人手不足なんだぞ!」
「ふん。知らないよ。俺よりは人望あるだろうから人手不足とか無駄な嘘はつかなくていいよ」
俺はギルドの中の入り口側にいたバステアに言うと、俺の近くにまで勢いよく黒髪の長い女が近づいてきて。
「ちょっとあんた!バステア様になんて口聞くのよ!この方はこのギルド基地のリーダーなのよ!」
「いいんだ。アラマ。こいつはそういうやつだから」




