バステアとギルドマスター
「ちっ。逃げられたか。おい荷物持ち!」
タガルムが飛び去ったあと強欲の剣を解除したバステアが俺に言う。
「何だ?」
「本当はお前の面倒を見るなんざしたくはねぇがな。ギルドマスターとの約束だ。お前以外にも仲間はいるんだろ?」
「・・・いるがそれがどうした?俺を罠にはめる気か?俺を捕まえてオサムのやつに献上してオサムのパーティーに戻ろうってか?」
俺は地面に落ちた自動追尾型魔法剣ストレアを握りながら言う。ストレアは攻撃に失敗した場合、自動で俺のもとに戻ってくる。仕組みはよく分からないが
「はぁ。ちげぇよ。俺自身もう勇者パーティーに戻る気はさらさらねぇ。アルムスのざまを見ただろ?両腕を機械にされそのあげく使い捨てにされていただろ?俺はそんなことをするやつのパーティーにはいろうとはもうおもわねぇよ」
「信じられないな。お前が俺にどれだけ酷いことをしたか知っているのか?今の状況をつくった発端はお前でもあるんだぞ」
俺がバステアに言うとバステアは頭をかきながら
「じゃどうしたら俺を信用してくれるんだよ。俺も本来ならてめぇの面倒なんざみたかねぇよ。でもな俺はギルドマスターにはかりあがある。いつも俺がザンサクのとこに行き、長時間かえって来ないようであれば様子を見に来てくれとな」
「・・・何でギルドマスターに借りがある?オサムのパーティーを離れたあと何があった?経緯によってお前について行く決めるよ」
「経緯、ね。そうだな。俺は勇者のパーティーから追放された後、バーで飲んでいたんだ。王城近くのバーでな」
王城近くのバー、俺とアレク殿がつかっていたバーかな?
「まぁ追放された日からすごい手のひら返しでな。俺を慕っていたやつらから報復を受けて溜まり場エリアの路地裏でボコられていたのをたまたま通りかかったギルドマスターに助けられてな。しばらくギルドマスターの家で匿っていてもらったんだ」
「ほう。それで俺は最近王国にいてもお前をみなかったのか。まぁ最近王国には入れていないが」
俺がバステアに言うとバステアは「そうだ」と答える。
「そして俺はギルドマスターの家にいる間、最初の頃は勇者パーティーにどう戻ろうか考えていたんだがだいたい3日くらいで急に勇者パーティーに戻る気が急に失せたんだよ。何か取り憑かれていたものが取れたような感じだった」
「俺は別にオサムのパーティーに戻ろうとは思わなかったが、お前は何か取り憑かれていたということか」
「さぁ?今になってはそれはわからん。あ、勇者のパーティーに戻りたくはなくなったがお前と仲良くしようとはおもわねぇぞ荷物持ち。このいい方でわかると思うが」
「そうだな。俺もお前とは馴れ合いたいとはおもわないな」




