空魔王 タガルム
「お前、荷物持ち。使えないと思っていたのに本当につかえないとは。いや頭がお花畑だとでもいえばいいのか?」
俺に向かってバステアは叫ぶ。
「な、お花畑なわけないだろう。俺はもうお前らにパーティーから追放されて夢はみないようにしてんだよ!俺は俺の思うことをする。それだけだ!」
俺はバステアに言うとバステアは「ちっ」と舌打ちする。
「もういい。荷物持ちでも少しくらいは使えると期待した俺がばかだったよ!こいつは俺が仕留める!」
バステアは一度タガルムと距離をおきまた攻めにかかる。
「人間とは誠に愚かよな。私がわざわざ勇者のスキルを教えてやると言うのにきこうともせず私を斬ろうとは」
「誰か魔族の話なんか聞くかよ!行くぞ。スキル・強欲の剣!」
バステアは自分の持っていた普通の剣を鞘におさめ、スキルでつくった剣でタガルムに斬りかかる。
「ほう。強欲の剣、ね。貴様、まさか人間でいう七大罪か」
七大罪?何だそれ?聞いたことないんだが?俺がぽかーんとしているとタガルムが
「七大罪とは傲慢、憤怒、強欲、嫉妬、怠惰、暴食、色欲のどれかの名を持つスキル持ちのことをいう。こやつらが揃えば人間でも私達九魔王将に匹敵するかもしれないな」
タガルムはバステアの攻撃をカマイタチで捌きながら俺に説明する。
「七大罪がそんな強いならなぜ他の6人を探さずオサムのパーティーなんかに」
「ち!喋りながら俺の攻撃をいなしやがって!クソムカつくぜ!あと何で俺が勇者様のパーティーにいたかは正直分からん!正直勇者パーティーにいた頃の記憶が今は曖昧なんだ。追放されたときは必死に戻りたいと思ってはいたんだがな!」
強欲の剣を振り回しながらバステアは叫ぶ。
「ふふふ。今日は実に良い。私にダメージを与えた男、そして七大罪の1人に会えるとは。スライムの王を倒した小物を殺すだけなど正直全くやる気が出なかったのだよ。ふふふ」
バステアの攻撃を避けながらタガルムは言う。
「さて。楽しい時間だがそろそろお開きにしようか。貴様らは殺すには惜しい。もっと、もっと私を楽しませるために強くなれ」
タガルムはカマイタチで風の刃をバステアに向けて放ち続け、バステアはタガルムからだんだん離れていく。
「うっぐ、ぐぐ!」
「残念ながら七大罪の1人よ。今回はここまでだ。私の名は大魔王様配下の九魔王将が1人、空魔王タガルムだ。この名をその身にしっかり刻んでおけ。ではな」
ある程度バステアと距離を置いたあとタガルムは背中の翼で飛び、空から逃げようとする。
「まちやがれ!」
「自動追尾型魔法剣ストレア!」
俺はストレアを投げるがタガルムは俺の投げたストレアに対し
「空刃」
カマイタチから放つ違う風の刃を腕から放ちストレアを地面に叩き落とす。
「おっとすまない。軽く我が魔法を見せてしまった。それじゃまた近々な」
タガルムはそのまま空に飛んで俺とバステアの前から姿を消した。




