参戦
「なん、だと。さっきまで受け止めていたはずの、貴様の魔法剣がなぜ私の、カマイタチから逃れて」
「分からないようなら説明してあげよう。ストレアの能力は敵の気配の察知だ。だから受け止めていたカマイタチを無視して貴様を斬りつけた」
「なる、ほど。これが私の油断、ということか。ふ、ふふふ。ははは!いいぞ人間!よく私にダメージを与えた!」
タガルムは笑いながら俺に言う。こいつ頭がおかしいのか?なぜダメージを負ってこんなに笑っているんだ?
「いやぁすまないすまない。私に手傷を負わせた人間は初めてでな。笑ってしまったよ」
タガルムは俺がつけた傷跡を撫でながら言う。
「傷跡を撫でるとは頭がおかしいんじゃないか?それで傷は治るのか?」
「ふふふ。分からんだろうな人間には。そもそも私達魔族に手をだそうと言う人間すらなかなかいないのだからな」
「何を言う。勇者がいるだろう。勇者オサムが。認めたくはないが仮にも勇者なのだから貴様ら魔族に」
「は?勇者。く、くくくく!まだわかっていないようだな」
タガルムは笑いながら俺に言う。
「貴様らは勇者のやることがおかしいとは思わないのか?」
「いやはっきりおかしいとは思うがだがそれはやつが、オサムのやつが勇者だからこそ出来ることだろ?」
俺はタガルムに言うとタガルムはまるでオサムのやっていることを知るかのように笑う。
「お前は本当に馬鹿だな。なら教えてやるよ。執拗に勇者がお前を嫌わせていた理由を」
「なんで、なんで魔族であるお前がそんなことを知っている!その方がおかしいだろ!」
「貴様の言うことはわかるぞ。私自身人間のやることに興味はないがやつがこちら側に手をだし我が大魔王様を操ろうとするなら話は別だ。教えてやろう。勇者のスキルは」
タガルムがオサムのスキルを言おうとした瞬間俺の背後から誰かが高速で移動してきてタガルムを斬ろうとする。タガルムは気配に気付いていたのか俺の背後から現れた人の攻撃を剣で受け止める。
「ほう。俺の剣を受け止めるとは流石は魔族だな」
「私が喋っている時に斬ろうとするとは流石は人間。強者を斬るためなら手段は選ばないか」
俺の背後から現れた人は俺に負けて勇者パーティーから追い出された男、剣聖バステアだった。
「よう。久々だな。荷物持ち」
「お、おう。久しぶり、バステア。お前今まで何を」
「話は後だ。まずは先にこいつを仕留める。だが俺の腕じゃこいつを完全に倒しきるにはお前の助けも必要だ」
「待ってくれバステア!そいつはオサムのスキルについて教えてくれるんだ!だから殺す前に情報だけでも」
俺はバステアに言うとバステアは俺のことを睨みつけた。




