ザンサクとオサム
俺とカムはスライムを倒し、スライムからドロップした液体と薬草をたくさん積んでクエスト完了報告をしにギルドに向かう。
「今日はパーティー追放されてこれからどうしようかと思ってましたけどザンサクに見つけてもらって本当に良かったです。私、やっぱり冒険者するの好きです」
とびきりの笑顔で言うカム。俺もお前の笑顔に心底救われてるよと思いながら王国のギルドに入るとギルドの中はやたら騒がしかった。
「ほらほらー。もっと酒!酒を持ってこいよー。俺ぁ勇者様だぞ!もっと貢げよ!」
ギルドの中で騒ぐオサムがいた。オサムはギルドに入ってきた俺を見て
「あ、今日パーティーから追い出してやった荷物持ちじゃねぇか。どうしたんだ?1人じゃ何もできないくせにギルドに来てどうした?もしかして俺にパーティーにもう一度入れてくれとでもいいに来たのか?残念でした!お前みたいなザコはいりませーん」
「ぎゃはははは」と笑いながら酒を飲むオサム。こんなやつが勇者だと思うと本当に世も末だな。
「おらそんな入り口に立ってないでこっちこいよ。それで俺に酒を注げや。そんくらいはできるだろう?荷物持ちくん?ぎゃはははは」
オサムが俺に言うと俺は
「そんな俺なんかが勇者様に次ぐ酒はありませんよ。まわりにはべらせている女性についでもらったほうがいいんじゃないですか?」
俺はオサムに言うとオサムを囲んで座る女性達が「そうよ勇者様あんなやつ無視しましょうよ」とか「あんなやつが組むのより私のくむお酒の方が美味しいですよ」と俺に聞こえるくらいの声で言う。
オサムの周りにいる女ども!顔は覚えたぞ!もし手のひら返されても絶対無視してやるからな。
カムはオサムが見えない方から俺の服を引っ張ると俺はカムに聞こえるくらいの小声で
「今のオサムに関わると面倒だと思うからギルドの外で待っててくれないか。クエスト完了報告は俺がしておくから」
俺はカムに喋っているとオサムは気に入らなかったのか使っていたびんのコップを俺に向けて投げつける。
パリーンッ
「っ!」
「おい。この荷物持ち!この勇者様であるオサム様を無視してんじゃねぇよ!どこ見て話してやがんだよこの荷物持ち!」
荷物持ち荷物持ちうるさいな。別にいいじゃないか。ったく。ほんとに面倒な男だ。
「悪かったよ。それじゃ俺はクエスト完了報告しなきゃならないから」
「あ?クエスト完了報告だ?何嘘ついてやがる。武器を装備できないお前がどう敵を倒すんだよ。攻撃をしても魔物に対してダメージを全く与えられないお前がよ」
「別にいいだろう。こんな荷物持ちに関わらず勇者様は早く魔王を倒すために尽力してください。それでは」
俺はオサムを無視してクエスト完了報告をするとオサムはイラついたのか、ぎりっとくちびるを噛み締めていた。
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