新たな危機
「くっ。本当にすまない。ギルドマスター」
俺は凍りついたギルドマスターの体に向かって言う。
「俺が、俺が武器を持てなくて戦えないばかりあんたをこんなめに。こうなるくらいなら最初から自動追尾型の魔法剣を使えば」
「ほう。貴様、自動追尾型の剣を所持しているのか」
俺が地面でうなだれていると空から背中に羽が生えて頭に一本角が生えた魔族らしきものが降りてくる。
「よう人間。我が名はタガルム。九魔王将が1人、大魔王様の命により貴様ら人間を滅ぼしに来た」
「・・・魔族が1人で、か」
俺は距離をとりながらタガルムと名乗った魔族と話す。ここで戦えば凍っているギルドマスターの体に被害が出てしまう。せめて違う場所に移動せねば。
タガルムは俺が見ていることに気づいたのか凍っているギルドマスターとアルムスを見て
「なんだこの品のない氷の像は貴様はこれが気になって仕方ないのか?」
「そんなわけないだろう。ただここでは戦いづらいだけだ。せめてここから離れて戦わないか?な?魔王将さんよう」
俺はタガルムに言うとタガルムはニヤリと笑い
「人間。魔族の九魔王将でもある私が貴様の言うことを聞くとでも?でもこの氷の像は見せしめによいな」
タガルムは背中に剣を抜く。
「切り裂け。自動追尾型魔法剣・カマイタチ」
タガルムが剣を抜いて言うと剣を中心に風が集まり、ギルドマスターとアルムスの氷の像を風の刃で破壊する
「な!」
「どうだ人間?私の自動追尾型魔法剣は。切れ味抜群だぜ!」
タガルムは俺に向けて自動追尾型魔法剣を振るうと俺の方に風の刃が向かってくる。
「ならばこちらも!自動追尾型魔法剣ストレア!」
リュックからストレアを取り出し、タガルムに向けて投げつける。
「ほほう。それが貴様の自動追尾型魔法剣か。その威力、能力。見せてみろ!」
タガルムはさらに自分の自動追尾型魔法剣を2回振るうと2回分の風の刃が俺に向けて飛んでくる。
「ストレア!」
俺はストレアを風の刃に向けて投げつけ、相殺する。
「ふん。私の自動追尾型魔法剣・カマイタチは対象の敵をおいつづける風の刃、魔法で言うとウインド・エッジだな。それを放ち対象に選んだ敵か何か障害物にあたれば消滅するという能力だ」
「わざわざご丁寧に自動追尾型魔法剣の説明をありがとう。それだけ余裕があるということかな?」
俺はタガルムに聞くとタガルムは
「この九魔王将の私が人間程度に遅れをとるはずがないだろ。それに貴様はあれだろ。勇者のいるパーティーから追い出されたとかいう男だろ?」
「な、なんで魔族がそんないらない情報を」
俺はタガルムかなぜそのことを知っているのか驚いていた。




