隠れ家
052
「う、うーむ。こ、ここ、は」
どれくらい意識を失っていたのだろうか俺が目を覚ますとどこか森のようなところの人には見えないような場所にいた。
「あ、ザンサク。目が覚めましたか」
俺の近くでもう1人、おそらくアレク殿を治療していたカムが俺に言う。
「ここは、どこ、だ?」
「ここはガルダラスの森の隠れられそうな場所を私が探してそこにザンサクたちを運んで治療していました」
「俺の、リュック、は?」
「ザンサクのリュックならそこに置いてあります」
俺のリュックは木にかけて置いてあった。
「しかしカム。男2人を1人で運んだのか?」
「いえ。あの後、勇者にやられた後私は必死にザンサクとアレクの怪我を薬草やポーションを使って治していたんですが何時間経ったか覚えてはいませんがある人が私達の前に来てその方に手伝って貰いました」
俺らを運ぶのを手伝ってくれた人か。誰だろう。後から礼を言わないとな。
俺の思っていることが想像できたのかカムは
「安心してくださいよ。私達の知ってる人ですから。それにもう少ししたらここに来ると思いますよ」
カムが俺たちに言うとちょうど俺たちが隠れていた場所に
「よう。調子はどうだ?カム」
「あ、ギルドマスター。迷惑をかけてすいません」
ギルドマスターが俺たち3人が隠れていた場所に来る。
「ギ、ギルドマスター。な、なぜ俺たちを」
「なぜ俺たちを?とは愚問だな。お前たちがスライムの魔王を倒してくれたのだろう?なら助けるのは当たり前さ」
ギルドマスターは俺たちにどうやら食料を持って来たようだ。
「今日も大丈夫そうでしたか?ギルドマスター」
カムはギルドマスターに聞くとギルドマスターは
「ああ。大丈夫だよ。お前たち3人はスライムの魔王を倒してくれたのにすまない。アレク殿なら王国調査部に戻せるのだが」
「だめですよまだ。あの勇者のパーティーにいた女にだいぶ痛めつけられていますからね。もう3日も昏睡状態なんですから」
・・・3日?俺は3日も意識を失っていたのか?
「ザンサク。今の私達の状況を説明しますね。少し理解するのに時間がかかると思いますがとりあえず聞いてください」
「あ、ああ。頼む」
俺はカムに言うとカムは「ごほんっ」と咳き込んだ後
「ザンサクが意識を失って、数時間後にギルドマスターが助けに来てくれたことはいいましたね」
「ああ。さっききいたな」
「それで私はギルドマスターにここまで運んでもらった後、王国で何か変化があったら教えて下さいと頼んだの」
「そうか。それでどうしたんだ?」
俺はカムに聞くとカムは唇を少し噛み締めながら
「ザンサクだけ、ザンサクだけ指名手配されました」
・・・俺が指名手配?




