ザンサクとカム
俺とカムは一通り話を終えるとしばらく黙り込み、数分後に俺は声をかける。
「なぁカム。俺から提案があるんだが」
「はい。なんでしょうザンサク」
「俺とパーティーを組まないか?」
俺はカムに聞くとカムは「え?」と言う。
「俺の職業荷物持ちは戦闘能力はなくてな。そのかわりそれ以外の点でなら役に立つぞ。薬草はいくらでも持てるし薬草の上位の回復薬もいくらでも持てる。何よりクエストでドロップしたものは上限なく拾うこともできるぞ。どうだ?」
「いやその。ザンサクには問題はありませんよ。むしろ私なんかでいいんですか?私、剣しかのうがありませんよ?他のことでは役に立てませんよ?」
「構わないさ。俺はカムがいいんだ。同じパーティーから追放されたものどうし仲良くしようぜ」
俺が手を出してカムに向かって笑うとカムは俺に笑い返して
「こんな私でよければいくらでもつかってください。ザンサク。私をパーティーメンバーに入れてください」
「こちらこそ。これから頑張ろうぜ」
俺とカムはパーティーを組むことにし、2人でアワステルン王国、冒険者ギルドに向かった。
アワステルン王国冒険者ギルドに着くと改めて冒険者登録をしカムと一緒に2人で受ける初クエストはどれにするかと相談する。
「どうするカム?無難にスライムでもいくか?」
「うーん。そうですね。最初ならスライムの方がいいかも知れませんね」
俺とカムでクエストボードを見ながら喋っていると
「おやおやぁ?これはこれは俺様たちのパーティーから追放してやった荷物持ちくんじゃないか。1人じゃ何もできないくせに何をしているのかな?」
ギルドの酒場で飲んでいたもと俺がいた勇者パーティーの剣士、バステアが俺に言う。
「そっちのかわい子ちゃんはどうした?まさか買ったのかな?あ、無理か。無一文で追い出してやったからな。ははは!」
カムを見ながら俺に言うバステア。
俺を馬鹿にするのは構わないけどカムを馬鹿にするのは許せないな。俺はバステアに突っかかろうとしたがカムが俺の手を取り
「行きましょうザンサク。あんな酔っ払いに構う暇はありません」
俺の手を取りクエストの紙をギルドの受付嬢に渡すと俺とカムは早々にギルドから出る。
「なんで止めたんだよ」
「あんなの気にするだけ無駄です。きっと今に後悔しますよ。ザンサクをパーティーから追い出したこと。それじゃスライム倒し、張り切って行きましょー!」
「おー!」と俺はいい、俺とカムはアワステルン王国からでてすぐの森、ガルダラスの森に出た。