ギルドからの呼び出し
「おいてめぇ。今勇者様を馬鹿にしたな?」
立ち上がった客の男はアレク殿に近づき、アレク殿の胸ぐらを掴む。
「・・・話してもらえやせんかね。今友人と飲んでいてとても気分がいいでやんす。今ならこの行為も見逃すでやすよ」
「あ?友人?」
男は俺を見た後「ぷっ」と笑い
「ははは!はっはっは!こりゃ笑える。勇者パーティーから追い出されたと言われてるザンサクじゃないか。もうここいらでも有名だぜ?あのクズには関わるなとね」
男が笑うとアレク殿は胸ぐらを掴まれていた腕を掴み
「おいお前。今あっしの友人、命の恩人を馬鹿にしたな?」
「命の恩人ってあんた、ぷ、ぷぷぷ!あっはっは!笑える!笑えるよ。あー腹がいてぇ」
俺を見て笑う男に対しアレク殿は殺気を向け、男はビクッ!と震えながら
「今のは聞かなかったことにしてやる。だから去れ。ゴミ野郎」
「く、く、くそ、お、覚えとけぇ!」
男はすごい勢いでバーから逃げて行き、いつまでもドアに殺気を向けるアレク殿に対しバーのママさんが頭を軽くこつんと叩いて
「アレクちゃんいつまでそんな顔してるんだい。お客さんがいるからやめてちょうだいな。これからこの人、えーと誰だっけ?」
「あ、すいません名乗るのが遅れました。俺はザンサクと言います」
「あ、どうもご丁寧に。アレクちゃん。明日からはこのザンサクちゃんの悪いことを言うやつはこのバーに入れないようにするわ。それでいいかしら」
ママさんがアレク殿に言うとアレク殿はママさんに親指を立てて
「さすがママさん!わかってるでやすね。世界で1番あいしてるでやすよ!」
「はいはい。ありがと。バーにいたみんな。怖がらせてごめんなさいね。仕切り直して飲んでちょうだい!」
ママさんが言うと店内にいた客たちは普通に酒を飲むのを再開する。
「いやぁ。いい店だなここ」
「そうだろザンサクの旦那。あっしもここは大好きでやすよ。あ!ママさんはあっしが狙ってるんでやすからわたさないでやすよ!」
俺とアレク殿は冗談をいいあいながらその後酒を飲み続けた。
酒の飲み過ぎでアレク殿がつぶれママさんが介抱している間に俺はフラフラとゆっくりミナギ武具店に向かう。
数時間かけてミナギ武具店に戻るともう夜中だったのでミナギ武具店の中に入ってすぐに壁側によるとそのまま眠ってしまった。
「おーい。ザンサク。起きてください」
ん、んー。頭がいてぇ。昨日飲みすぎたな。ここは
俺は目を開けてどこにいるかの確認をする。
そうだ俺昨日バーで飲んだ後ミナギ武具店に戻ってきてすぐに寝たんだった。
「もうザンサク。ギルドの人があなたを探していましたよ。聞いてますか?」
頭がいてぇと思いながらも近くに座っていたカムの話を聞いていた。
よろしくお願いします!




