路地裏にて
「そこの君、ちょっといいかな?」
俺は路地裏にいた子に声をかける。俺が声をかけた子はあたりを見渡した後に自分を指差して
「もしかして私、ですか?」
「そう君だよ君。君は冒険者かな?」
「は、はい。一応、そうでした。おじさんは?」
おじさんとはそんな、俺はまだバリバリの20歳なんだが
「お兄さんだよ。お兄さんもさっきまでは冒険者だったんだけどさっきパーティーから追い出されてね。どうしようか考えてる途中なんだ」
「え、お兄さんもパーティーからおいだされたんですか?」
「え?君もかい?」
へー。こりゃすごい偶然があるもんだ。まさかパーティー追放された日に別のパーティから追い出された子と出会うとは。これも何かの縁かな。
「教えてくれるならでいいんだけど名前を聞いてもいいかい?お兄さんはザンサク。ただのザンサクだよ」
俺がザンサクと名乗るとその子は驚いて
「え、えー!あなたはもしかして勇者様のパーティーにいたザンサク様ですか?」
「あ、ああ。そうだけど。あ、様はつけなくていいから。勇者パーティーにいたって言ってもただの荷物持ちだし」
「何言ってるんですか!勇者パーティーにいただけでもすごいですよ!あ、私がまだ名乗っていませんでした。私の名前はカムと言います」
カムと名乗る子は布のフードを取ると綺麗な赤い髪をなびかせる。
「え、えー!君女だったの!」
「はい。女ですよ。ピチピチの18歳です」
し、しくじった。これじゃナンパしたみたいじゃないか。あ、危なかったわ逃げられて誰かに通報されたら俺捕まってたぞ。
「それでなんで勇者様のパーティーを追い出されたんですか?ザンサク様って噂に聞くと最初の頃からパーティーにいたんですよね」
「ああそうだよ。後様はいらないよ。まぁ話せば長くなるんだけど」
俺は先程あったことをカムに説明するとカムは泣きながら
「そ、そんな、勇者様がそんなことするなんて。それにパーティーの人達もザンサク様にそんな扱いをするだなんてあんまりです!」
めちゃくちゃ泣いてくれてるんだけど。すごいいい子だなこの子。
「ありがとなカム。それで君はなんでここで剣を握って1人で座っていたんだい?こんな路地裏で」
俺はカムに聞くとカムは
「そ、うですね。少し待ってください」
カムは涙を布の服で拭いた後に俺にここにいた経緯を説明する。
「実は私職業、剣士なんです」
「ああ。それは剣を握っているからわかる。しかしそれがどうした?」
「その、私の父が鍛治士でして私の追放されたパーティーは皆剣士だったんですけど私のパーティーで剣がかけるとすぐに父のとこで治してもらってたんですけど娘のために頑張りすぎたせいか倒れてしまいまして。それで父親が使えないお前にようはないと追い出されてしまいました」
テヘッと可愛く言うカム。お前さんも辛いだろうにと俺はカムに同情していた。
下手くそかもしれませんが読んでくださるとありがたいです!