剣士バステア 2
「本来なら今回はスキルを使わせる気がなかったんだがそれで10匹はきついからな。今日は1匹倒せればそれでいいぞ。あと9匹はスキルを使っても構わない」
俺はカムに言うとカムは「な、何とかやってみます」と答え、また俺たちはスライムを探しに行く。
「意外といないもんですね。スライム」
「確かに意外といないな。一体どうしたんだろうな」
俺とカムはガルダラスの森を歩き回ること数時間やっとのおもいでスライムを見つける。
「よし、それじゃ頼むよカム!」
「任せてください!とりゃー!」
カムが斬りかかる前に誰かが俺たちの前にいたスライムを討伐する。
「よっしゃー。カス魔物討伐完了っと」
「もうバステアったらカス魔物相手にそんな張り切らなくていいじゃん。液体がこっちにまで飛んできたら汚いじゃないのよー。」
「そうですよバステア。いくら目の前に荷物持ちのゴミ野郎が見えたとはいえそんな高速で移動してスライムを勢いよく斬るなんて。勇者様に液体が飛び散ったらどうするんですか」
俺とカムの前に勇者パーティー、オサム、剣士バステア、魔法使いアルムス、回復使いのテテスアが現れる。
「よう。荷物持ち。最近調子いいらしいじゃないか」
オサムが俺に話しかけてくる。
「調子がいいとはどういうことだオサム?俺はいつも通り荷物持ちの職業通りの荷物持ちだが?調子がいいもクソもないよ」
「ははっ」とオサムは笑い
「お前俺が何も知らずこんなことしてると思っているのか?」
「こんなこと?何をしていたんだ?オサム達は」
「荷物持ち!勇者様を気安く名前で呼ぶんじゃないわよ!祈りで燃やすわよ!」
テテスアが俺を睨みつけて言う。
「いいさ。テテスア。俺は勇者だ。無知な荷物持ちには全部言ってやらないとわからないんだよ」
「・・・まさかさっきから最下級の魔物のスライムが全然いないのは」
「ぴんぽんぴんぽーん。だいせいかーい。ここら辺のスライムは今のでぜーんぶこの俺が斬りまくってあげましたー」
バステアは俺とカムにドヤ顔で言う。
「お前ら。勇者パーティーのくせにそんなことをして恥ずかしくはないのか」
「恥ずかしくねぇな。俺は勇者だ。この王国を俺が救ってやるんだから俺が何をしようが融通がとおるんだよ。荷物持ち」
「そうよそうよ。あんたみたいな使えない荷物持ちより勇者様の言うことなすことを皆信じるのよ?分かる?それとあなたのせいでドロップ品を持つ人がいないんだけど?どうにかしてくれないかしら?」
「は?そんなの知らないよ。オサム達が俺を追い出したんだから荷物を持つやつくらいは自分らでまかなって」
俺が喋っている間にバステアが俺に斬りかかる。俺が斬られる前にカムがバステアの剣を剣で受け止める。
「勇者様。あとは俺がやっていいだろ?勇者様達はギルドで飲んでいていいからさ」
「おう。あとは任せるぞバステア。それじゃ2人とも帰ろうぜ」
オサムはテテスアとアルムスと肩を組んでアワステルン王国の方へと向かって行った。




