勇者パーティーの剣士バステア
アワステルン王国にまで着くと俺は筋肉男を引きずって歩きギルドの前に筋肉男を放置してギルドに入ろうとする。外から見ても、真夜中なのにまだギルドは明るかった。
どうせあいつはこんな深夜なのにまだ飲んでいるんだろ。勇者なら勇者らしくはやく魔王を討伐しに向かって欲しいものだ。
俺はギルドのドアを開けると誰かが俺に対し突っ込んでくる。
「ぐっうぉ!」
俺は突っ込んできた男を両腕で体に抱きつき男の顔を見る。
俺に突っ込んできたやつは俺がよく知っている男だった。
「よう。俺が剣を抜いていたらお前、死んでいたぜ?なぁ、荷物持ち」
「そうだな。お前が剣を抜いて俺に突っ込んでいれば俺を殺せたかもな。バステア!」
俺に突っ込んできた男は勇者パーティーの剣聖と呼ばれている男、剣士バステアだった。
「なぁ、いい加減離してくれねぇか?俺は男に抱きつかれる趣味はねぇんだが?」
「安心しろ。俺も男を抱きしめるようなこと好きではない。ましてやクズ人間をな!」
俺はバステアを突き飛ばし、バステアに筋肉男のことを言う。
「おいバステア。お前の子分らしき男が悪いことしたんで懲らしめといてやったぜ」
「あ?子分?そんなの俺にいねぇよ」
俺は筋肉男に近づき、無抵抗の鎖と拘束の鎖を外すとすぐに筋肉男から離れバステアからも距離をおいてはなす。
「バ、バステア様!すいません!へたをこきました!すいません謝りますからどうかお許しを!命だけは命だけはとらないでください!」
筋肉男はバステアの前で土下座しながら必死に謝る。
いやそいつはクズでも流石に子分扱いしているやつの命まではとらないだろうよ
俺は目をつぶってやれやれだぜと思っていると目を開けた瞬間信じられない光景を目にする。
バステアはなんのちゅうちょもせず筋肉男の首を剣でひとつきした。
「あ、あ、ああ、あああ!」
「何だ?あ、しか喋れないのか?それにお前誰だ?俺はしらねぇぞ。俺に、この剣聖に子分なんているわけねぇだろ」
次の瞬間筋肉男の首に刺した剣を抜き、バステアは筋肉男の首をはねる。
「お、お前、バステア!そいつもやることはたいがい酷かったがお前のことを信頼していたんだぞ!何でそんなやつの首をはねたんだ!」
「あ?お前には関係ないだろ荷物持ち。それにこいつは勝手にこの剣聖である俺の子分を名乗ったんだ。万死に値する罪だろう。そうは思わないのかよ荷物持ち」
俺ににやけながらバステアは言うと俺は
「どうやら俺はお前らのことを勘違いしていたようだ。俺だけ嫌いならまだいい。ムカつくのはムカつくがお前らの考えは理解できんからな。流石に俺でもお前らは自分の部下や子分には手を下さないと思っていたのに。しかしお前は」
「何を言っているんだ荷物持ち。俺には部下や子分なんざいねぇ。仲間は勇者様とアルムス、テテスア、パーティーの3人だけだ。それじゃ死体の処理、頼むぜ荷物持ち」
バステアは俺にそれだけいい残し、溜まり場エリアへと歩いていった。




