勇者パーティーからの追放
アワステルン王国に着き、ギルドでクエスト達成報告をし、いつもの溜まり場につくと俺はオサムに
「それじゃあ今までお疲れ様でした。荷物持ちくん。これからどういきるか知らないけど頑張ってね。お前が今まで魔王を倒すために貯めてきてくれた荷物は全て俺らが有効活用してやるから。ほら、今まで世話になったから服だけはおいていかなくていいぞ。まぁてめぇの汚い裸なんて誰も見たくはないけどな!ははは!」
勇者のオサムが下品な声で俺のことを笑い、他の3人も一緒になって俺のことを嘲笑う。
「本当に俺のことパーティーから追い出すんだな。オサム」
俺がオサムの名前を言うと剣士のバステアが俺の腹を蹴り飛ばし
「気安く勇者様を名前で呼ぶんじゃねぇよ荷物持ち。早く俺様たちの溜まり場から出ていけ」
「ぺっ」と俺にバステアは唾を吐き言う。アルムスは笑いながら
「ちょっとマジウケるからやめてよ。使えないやつに唾吐いて更に汚くするとかもうマジ爆笑もんなんだけどあはは!」
腹を抱えた笑うアルムス。最後にテテスアは
「そんなところで転がってないで早く出ていきなさいこのウジ虫。出て行かないなら聖なる光であなたを燃やしますよ」
テテスアは祈りの魔法で俺を燃やそうとして来たので俺は即座に溜まり場から逃げるように出ていく。
逃げた後溜まり場から聞こえたのは聞きたくもない4人の大きなげびた笑い声だった。
俺の職業、荷物持ちはいわゆるクエストで魔物がドロップしたものや宝箱を見つけた際にギルドに持ち帰る際どれだけでももてるというものだ。その代わり戦闘能力は全くない。だからもしも戦闘で魔力がなくなり回復が出来なくなった時そんな時俺はあのパーティーで使えていた。そして魔物が落とす大きなドロップ品に宝箱、全てを持つ代わりに俺はパーティーにいることができていた。
しかし、最近のあの4人の腕は強く、オサムはそこそこ強いモンスターには負けなくなったし、剣士のバステアも剣聖と呼ばれるほどに成長していた。魔法使いのアルムスも魔力が空っぽになってもパーティーメンバーから魔力を借りることができるようになったし、回復使いのテテスアは祈りだけでもはやパーティーメンバを癒せていたので俺の薬草といったものは必要なくなっていた。
「く、そ。金は全部取られたし冒険者として生きようにも俺は荷物持ちだから1人で戦闘なんて出来ない。一体どうすれば」
俺は勇者パーティーの溜まり場から出た後、王国の街を歩いていると路地裏で剣だけ握って装備が全て布の服らしき人を見かけ、少し心配になり声をかけた。