透明魔王将 カメオン 2
「が、ぁぁぁぁ。いい加減、カマイタチを、ぬけぇぇぇぇ!タガルムゥ!」
「抜くわけないだろ馬鹿が。お前は大魔王様に忠義を尽くす点だけはかってはいたのだがな。このように不意打ちをしようというなら殺すほかあるまい」
「がぁぁぁぁ」と叫び声だけが大魔王の部屋に響き渡る。
「根性はあるようだな。いまだに姿を表さないとは。その根性を別の場所で発揮していればまだ長生きできたものを」
「ふ、ふふ。わらわして、くれまりはる、な。シンライ。あんたと、戦って、わいが、勝てるか、くりつなど、0、に等しい、じゃないか。なら、戦う、いみなどな、いわい。大魔王、様を殺す、しか、生きるし、ゅだん、は」
「チャンスを与えたというのにそれを棒に振った挙句大魔王様を暗殺しようとするとはカメオン。貴様は贄にする価値はなし。この場でいま殺してくれる」
タガルムはカマイタチをぐりぐりと回転させうめき声だけが聞こえてくる。
「まぁまてタガルム。こやつにはもう一度チャンスをやろうではないか」
大魔王がタガルムに言うとタガルムは「大魔王様が言うのであれば」とカマイタチを引き抜く。
「カメオンよ。今一度チャンスをやろう。今ここで自決するのだ」
「自決、ですと?なぜ、わいが、そんなこ、としなきゃ、あかんの?わいは、わいは、大魔王、様の、為に、尽くして、きた、ちゅうんに、シンライ、と戦え、と言われた、あとは、自決?は、はは。笑わせ、んといて、くだはります?」
「自決はあくまで貴様の忠義を見るためだ。ちゃんと生き返らせてやる。自決するならな」
カメオンは俺たちの前に姿をあらわす。透明な姿を維持できなくなったのかそれとも大魔王に忠義を尽くすためかはわからないが。カメオンの特徴は長い尻尾と長い舌。そして目がぎょろぎょろと泳いでいた。
「忠義を尽くす気になったかカメオン。そうだ。それでいいんだ」
「・・・。大魔王様。わいはあんたのためならなんでもする気でいた。そうすれば殺されないだろうから。わいは死ぬのが怖い。だからこの透明になれる自動追尾型魔法剣を使えることを誇りだと思ってます」
カメオンは大魔王に言うと大魔王は「ふむふむ」と頷き
「私の命により死ぬのであれば怖くはないだろう?私が殺したも同然なのだから。シンライに殺されるか今この場でタガルムに殺されるよりは良いと思うぞ」
大魔王はカメオンに言うとカメオンは自分の持っていた剣、おそらくは自動追尾型魔法剣だと思うものを天井に掲げて
「能力解放!トウメイナセカイ!」
カメオンは叫ぶと大魔王は
「それが貴様の答え、であるか。ならば」
大魔王は座っていた席から立った。