透明魔王将 カメオン
「妾のスキル。生命の変換は命あるものを一度殺した後、新しい生物に生まれ変わらせることができる。このスキルの条件は次第にしか使えないことゆえ。そして石ころなどの命がないものに命を与えることできない。そして死んで間もないやつなら自身の記憶を引き継いで新たな生物へと生まれ変わる。まずはこやつを醜いスライムに変える」
カーリンがフレイの死んだ体を掴みながら言うとフレイの体は急にドロドロに溶け出し、数分後には地面に液体となって地面に垂れ尽くした後、地面に垂れきったフレイの体だったものが集まっていき、スライムの形となる。
「さぁフレイだったものよ。貴様はこれから醜いスライムとして生きていくがいいゆえ。さぁ。お好きにさるといい」
フレイと呼ばれていた魔族はスライムに変えられ大魔王の間から逃げるように出ていく。
スライムに変えられたフレイが大魔王の間から出るとカーリンは大魔王の前で土下座し
「申し訳ありませぬ大魔王様。妾としたことが大事な贄であるフレイをスライムに変えて逃してしまったゆえ。罰は何なりと受けまするゆえ」
大魔王はカーリンに「顔をあげよ」といい
「よいよい。どうせあの程度の小物ならつかえぬ。やつはスキルが強いこと以外はかってはいなかったからな。私に逆らうと言うならもはや用済み。私が手を下す前にむしろフレイが苦しむような罰を与えてくれて助かったわ」
「もったいなきお言葉。ありがとうございまする。もしも贄が足りぬ場合は妾の部下である仮面族を差し出しますゆえ」
カーリンは大魔王にもう一度頭を下げると大魔王は
「よいよい。それに罰を与えねばならぬやつはまだいるようであるからな。なぁ?カメオン」
大魔王が天井を見てタガルムがカマイタチを一振りすると天井から誰かが振ってくる。ただ降ってきたものの姿は見えずただ落ちた時に部屋にへこみと煙が落ちた拍子の反動で出ていた。何が起こったかわからない俺はとりあえずタガルムを見るとタガルムは落ちた先にカマイタチを盾に向けて振り下ろす。
「ぎゃぁぁぁぁ!」
「カメオン。貴様何のつもりだ?大魔王様の前で自動追尾型魔法剣 トウメイの能力を使うなど」
「トウメイ?なんだその能力は」
俺がタガルムに聞くとタガルムは
「名前通りの意味さ。この剣を使う対象者はトウメイになることができる。このトウメイが強力な点は自分で姿を表すまで姿を隠しきれることだ。ほらみてみろ。私はカメオンという魔族を刺したのに血も出ず悲鳴しか出ていないだろ?」
「透明なら攻撃を当てるなんて無理なんじゃ」
「普通なら無理だろうな。だがこの自動追尾型魔法剣であれば簡単な話よ」
タガルムはカマイタチをトントンとしながら俺に言った。