生贄
「実は貴様に嘘をついていたことがある」
大魔王の部屋に向かう間にタガルムは俺に言う。
「なんだ?嘘とは」
「お前はこれより私達の魔王将会議に参加することになる。誰が贄となるかを競うまぁ会議というより魔王将による試合だな」
魔王将による試合だと?そんな話はまぁしなくてもいいんだろうな。俺には関係ないしむしろ願ったりかなったりだ。
「大魔王様は私達には平等に接するおつもりだ。私と氷、そして雷は贄候補から外れていたが他の5人が反対してな。まぁおおいにわかるが他の5人は私達3人に比べれば弱いからな。他の5人は実力があるというより能力、スキルが強くて魔王将になった奴らだ。魔王将になったんだからチャンスくらいはやろうと雷のやつが言うからな。今頃はもう2人くらいは倒してるはずだ」
大魔王の部屋らしき扉の前につきそこに入るとそこには前回会った時よりも禍々しい体となった大魔王に右にアマスギ、そして左には知らない女?のような魔族がいた。
「お。帰ったか。お疲れだタガルム」
「は。ただいま戻りました大魔王様。現在はどうなっていますか?」
タガルムは大魔王に聞くと大魔王は
「ふむ。今もうシンライがネクラ倒したとこよ。そして贄にはこの2人も使う」
大魔王が指をパチンと鳴らすと魔法でできた巨大な泡のような中にバステアとガルのが囚われていた。
「この後から来た人間も馬鹿だのう。わざわざ囚われに来るとは。最初に囚われた人間がせっかく逃したというのに。なぁザンサク」
大魔王が俺の名を呼んでいう。
「知らないな。俺には。正直そこにいる人間、バステアに対しては死んでくれればせいせいするしガルに対しては残念としか言えないな」
「ふ。同じ人間に対してここまで言えるとはお前もなかなかいい性格をしているよな。私はこの器の男とは記憶を共有しているからな。お前さんの苦労はかなりわかっているつもりよ。だからこそ貴様がどうするかにも興味があったのよ」
「俺はその2人に関してはどうでもいい。俺が守りたい奴らは俺のことを理解してくれるアレク殿やスシルタ。ミクロシアとニーナ。そして1番は」
俺がカムと言おうとするとタガルムが
「大広間に置いてきた人間の女か。ふ」
「そうだ。文句あるのか?あ?」
俺はタガルムを睨んでいうと俺の前に俺と前に戦い死んだはずのネクラともう1人の魔族上半身が裸体でムキムキの髪の毛が金髪で頭に大きな角が生えた魔族が俺の前にたつ。
「主人よ。ネクラは仕留めました。どうぞ贄におつかいください。それで?この人間は?」
俺の前に現れた金髪の魔族はネクラを大魔王に差し出した後大魔王に俺のことを聞いた。