カムの父親
「父上?カム。何を言っている。お前の父親は人間だろ?」
俺はカムの目の前に現れた男に対し父上と叫んだカムに聞くとカムは
「え、ええ。私の父親は人間です。でもあの頭に生えた角、背中に生えた羽、そして下半身からはたれている尻尾を除けばほぼ父親と姿が一緒なんです!あの顎髭なんて特にそう!何回も剃れって言っても剃らないあの顎髭!」
「ふ。それに関しては何度も言ったはずだカム。髭は男の勲章。この形が素晴らしいんだとな」
カムの父親らしき男はカムに言う。そしてカムの父親らしき男は俺を睨んで
「おい貴様。カムの父親として貴様に聞く。貴様はカムの何だ?」
「俺か?俺はカムの」
カムのと言いかけたところで俺の顔の頬にカムの父親が投げた何かが頬を掠める。
「間違っても恋人や旦那という言葉は言わないことだな。カムの恋人であるならわしの許可なしに名乗ることは許さん」
「そ、それは結構身勝手なことで。あんたカムに探さないでくれとか手紙を残したくせによ」
「あれはもうカムとは会うつもりがなかったからな。こうして魔族としておちた身だ。カムに迷惑はかけられまい。だが、だがな。こうしてわしの前に現れた以上はそうは言っておられんしましてや男と現れた以上父親として気になるのは当たり前よ。それで貴様はカムのなんだ?あ?言ってみろ」
めちゃくちゃメンチきりながら俺にいうカムの父親。カムはめっちゃ俺にペコペコと頭を下げた後に父親に近づいて父親の頬を思いっきりビンタし
「あだっ!」
「恥ずかしいからやめなよ父上!なんで毎回私に彼氏ができそうというより男と一緒にいたらそんな脅迫まがいのことすんのさ!恥ずかしいよ!ほんとに!」
「そ、そうは言ってもカムよ。わしはお前の身を案じてだなぁ。なにぶん母さんが死んでから男身一つで育てたもんだから気になって仕方ないんだよ。この2人みたいなクズにくっつかれでもしたらわしはむくわれんのじゃよ!」
カムの父親はタスラとテスラの死体を指差していう。
「そ、そりゃ私には男を見る目はないかもしれないけどザンサクは。この人は大丈夫です。だから」
「だから彼氏になるのを認めろと?そんなこと父親として認めるわけには断じていかぬ!せめてこの父親に勝ってもらわねばな!」
カムの父親は斬り落としたタスラとテスラの顔を片方ずつ両手で持つと
「武器変換・形状剣」
カムの父親が持ったタスラとテスラの顔が変化していくとおもったら剣に変わっていた。
「な、なんですか父上!そのスキルは!あなたのスキルは鍛治士として刃こぼれした武器を元の状態に戻すスキルのはず!そんなスキルは」
「そう。これはわしが魔族に生まれ変わり大魔王より与えられたスキル。武器変換だ」
カムの父親は自分のスキルの名をいうと俺に斬りかかってきた。