仮面族
「へー。あれで本気じゃないのか」
「また変なとこから声がする。気味が悪い奴らよ」
ミクロシアが言うとミクロシアの影から仮面の魔族が現れ
「我々仮面族は標的を暗殺するために影移動で移動し、とどめを刺す時姿を現すのですよ」
「ほう。俺の知ってる仮面野郎はそんな影移動などしていなかったぞ。せいぜいご主人の影に潜んでご主人を守るくらいだ」
「ふふふ。それは見習いとおそらく我らの頭ですな。頭は今大魔王様の左腕を守っているゆえ」
大魔王の左腕?いやそんなはずはない。俺があった仮面族が護衛していたやつはテテスアのはずだ。
「俺が見たその仮面族は人間を守っていたぞ。この帝国にいるだろ?聖女を語ってた女がよ」
俺が影から現れた仮面の魔族に言うと仮面の魔族は笑いながら
「聖女!聖女ね。いたなそんなやつ。だがもういないよ。あの人間の女は器になったからね。大魔王様の左腕たる方の器にね!」
テテスアが器?オサムと同じような?そうか。奴らは利用されていたのか。まぁそうでなければ奴らが大人しくあの2人に従う理由もないしな。
「ほんと面倒な女だったよ。正直我々仮面族をゴミのように扱う女だったからね。頭がとめてくれていなきゃ私も今頃死んでいただろうからね」
「それに関しては同意するよ魔族。テテスアは最低なやつだった」
影から現れた仮面の魔族と俺が話をしているとミクロシアが
「なぁ。いつまで我の影の中で話をするつもりだ?いい加減目障りだぞ」
「ん?ああすまない。君の処理はもう済んだからね」
「は?寝言は寝て言え」
影から現れた仮面の魔族が指をパチンと鳴らすとミクロシアの体から無数の切り傷が現れる。
「な、んだと」
「これが私のスキル 影斬りです。私のスキルは対象の影を斬りつけるとそのダメージが対象の体に出現します。私はあなたの影に潜んでいる間に斬りつけていたのですよ」
「ば、かな。そんなの、防御のしようが」
「ないですし、しても意味はありません。あ、すいません。私としたことが名乗るのを忘れていました。私の名は仮面族の頭、クロカゲ様にお仕えする黒の五人衆、影殺のコウガと申します。以後お見知り置きを」
コウガは名乗ったあと更に腰に装備していたナイフを抜き、ミクロシアの影をきりつけまくる。
「お前、出来上がったとかいう割にはまだミクロシアを斬りつけるのか!」
俺はコウガに向かって叫ぶとコウガは
「仕方ないでしょう。こいつまだ死んでないんですから。死んでもらわないと影殺の二つ名が泣きますゆえ」
コウガは俺にいいながらミクロシアの影を斬りつけまくる。