アレクの一ヵ月
「アレクはザンサクが捕まって数日後に地下牢に幽閉された罪のない人たちを解放するための作戦を決行しようとしていました。その時です。なんと城の前に氷の魔王将と死んだはずのギルドマスターが現れたのです」
俺が捕まって数日か。俺が腐食魔法を先生に教わっていた時期だな。
「アレクはギルドマスターに話しかけた瞬間にギルドマスターがアレクの片腕を斬り落とし、城から遠ざかるくらいにアレクは蹴飛ばされ大量に血を腕から出している状態で発見されました。いやー。あの時は危なかったですよ」
カムが軽く笑いながら言う。いや笑い事じゃないだろ。
「あの時は世話をかけたでやんすね。カムが見つけてくれなかったらおそらく死んでたでやすよ」
「いやお前ら笑いながら話してるけど普通に笑い話じゃないぞ」
俺は笑いながら話す2人に言うとアレク殿が
「まぁ当時はたしかにどうなるもんかと思って不安だったが今になればなんとも思わんでやすよ。すぎたことは気にしても仕方ないでやす。もうこの腕と足にもなれやしたから。ただあっしは旦那達を助けに行けなくて申し訳がなかったでやすからあわせる顔がなかったでやすよ」
「じゃぁなぜ今更俺を呼びにきたんだ?アレク殿」
俺はアレク殿に聞くとアレク殿は
「緊急事態でやす。嫉妬のガルが教会に転送されてきやした。血まみれの状態で。それとガルの体にこの紙が貼ってありやした」
アレク殿は俺に四角に折り畳んだ紙をわたす。
「ふむ。えーと。人質を3人預かっている。マガ、ゼグラ、バステアという3人だ。こいつらを返して欲しくば帝国に攻めてこい。そして私から奪ってみせよ。だと?この紙が転送されて3日以内に来なければ1人ずつ貴様らの前に無惨な姿にして送りつけてやる、か」
よかったとは言えないが先生たちが生きていてよかった。しかし、私が行くしかないようだなこれは。一度協会に戻って準備をしてから急ぎ向かわねばな。
俺は一度教会に戻ろうとするとカムが俺の肩を掴んで
「ザンサク。無茶しに行くんですか?」
「無茶?なんの話だ?この紙の書かれた内容は見てないからそんなことカムにはわからないだろ。安心しろ。俺がなんとかしてくるからカムはアワステルン王国で待機していればいい」
俺はカムに言うとカムは俺の強く握っていた肩をさらに強く握り
「だめです。無茶をするなら私もついていきます。そのために強くなったんですから」
「カム。わかってくれ。俺はお前を危険には」
俺がカムに言うとカムは
「それは私もおんなじです。だから私も連れて行ってください」
俺は何度もカムに説明するがカムは折れずに俺についてくると言うのでその場で数分言い合った後アレク殿が
「はぁ。もうお二人で行けばいいでやすよ。旦那が連れてきた2人はどうするでやすか?」
アレク殿はため息をつきながらいい、俺も「わかったよ。それじゃとりあえず戻ろうと」教会へと戻った。