バステアの居場所
「早く話せ!バステアはいつ王国からでた!」
俺はバステアの部下の男の肩を掴んで揺らすが全く喋ろうとしない。
ちっ!さっさと白状すればいいのに!
「バステア様は2、3時間前に誰かと戦闘しながら王国を出てからそれっきりかえってきていません」
もう1人の警備の男が俺に言う。
「おい!貴様!バステア様を裏切るのか!こいつらは魔族かもしれないんだぞ!こんな怪しいやつにみすみす情報を与えるなど」
「安心しなよ。カム殿が連れてきたなら普通に強い人だろうよ。カム殿は王国に現れた魔族を容赦なく斬って斬って斬ってきりまくっているだろうに。この人は魔族を斬りまくりすぎて魔族から剣の乙女と言われているくらいなんだぞ」
警備の2人がいいあいを始めるが俺はバステアの情報が得られたのでガルダラスの森に向かおうとする。
すると背後から誰かが俺の肩を掴む。俺はカムかと思い後ろを向くとそこには知らない男、両腕両足が義手、義足で顔の半分も機械の男がいた。
「待ってくださいでやす旦那。一度協会に戻ってきてほしいでやす」
肩を掴んできた男が俺に言う。その男の口調、そして俺を旦那と呼ぶこいつはまさか
「お、お前。も、も、も、もしかして、いやそんな、お前がまさか、あいつなわけがない。だってあいつは」
「ふ、ふふ。かなり高評価は嬉しいでやすが残念ながら旦那のよそうどおり、あっしはアレクでやす」
俺はアレク殿のあまりの変わりように驚きカムが俺に
「そうよ。本人の言う通り正真正銘アレク殿ですよ?ザンサクはもうあったかと思っていたけど」
「すいやせん。あっしの恥を晒すようなことはまだ旦那にしたくはなかったんで旦那には会わずに部屋の扉越しに喋ったくらいなんでやすよ」
アレク殿はカムに言うとカムは「はぁ」とため息をついて
「本当にそれだけ?その傷を誰にやられたとかそういうことがバレたくなかったら言わなかったんじゃないの?」
「そうでやすね。それもありやすね。ですが顔向けできなかったのは本当でやすよ。おかげでミナギの救出に行けませんでしたからでやすからね。集中治療でスシルタ殿に治してもらっていたでやすから」
「スシルタはあなたの傷を治したつもりはないと言っていたわ。むしろ機械だらけの体にしてしまってすいませんと謝っていたわ」
俺をおいてカムとアレク殿で会話を続ける。
「ま、待ってくれ。俺にもわかるように説明してくれ」
「そ、う、ですね。もうギルドマスターに会ってしまいましたし隠す必要もないかもしれないですね。アレクの傷はギルドマスターにやられたんです」
カムは俺にアレク殿がなぜこんな体になったのかを説明し始めた。