王のいない王国
「さ、早く行きましょうザンサク」
カムは俺の手をにぎって俺とスシルタ教会からでる。久々に見た王国の外はあれに荒れ果てていた。
「なんだこれは?これが本当にアワステルン王国なのか?」
「・・・とてもいい辛いですがそうですね。ザンサクが地下牢に捕まって大体1週間くらいでこのざまですよ。なんせ住民のことを考える王はいなくしかも魔族がほぼ攻める毎日。みんなは荒れ果て帰る家をなくすものや親だけが殺されてしまい子供が路地裏でたむろし盗みを働いて生きるなどともはや王国とは呼べる場所でもなくなりましたね。このアワステルン王国は」
カムは王国の状態を歩きながら説明する。
俺とカムが歩いていると俺たちの前を身なりの悪い青年2人に
「おいそこの姉ちゃんとじじい!金や道具をここにおいてさりやがれ!」
ナイフを突き立てて俺とカムに男は言う。
「なんだこの脅しは?もはや無法地帯じゃないか王国は。こういう奴らはなぜ助けない?」
俺はカムに聞くとカムは
「私達はできるだけ助けていますよ。だがこいつらは恐らく。おい!誰の使いだ!」
カムが男を怒鳴りつけると男はにやりと薄笑いをしながら
「ふ、ふふ。聞いて驚くな!俺たちはバステア様に頼まれてんだよ!ザンサクとか名乗ってる奴がいたらそいつを殺せって!」
俺たちの会話を聞いておそってきたのか男はいい、俺はバステアはどこまでバカなんだと頭を抱えながら思う。
「馬鹿かお前は。ザンサクを殺したところで何も変わらんしだいたい貴様らの目的は金品じゃないのか?」
「金品はもちろんいただくさ。ザンサクって奴を殺せばもし一緒に誰かいるならそいつを自由にしても良いと言われてるからな。全くバステア様は本当に太っ腹だよ!」
男は下卑た笑い声で笑いながら言うと笑っていた男の首をカムははねる。
しゅっぱ
「カ、カム。何をやって。殺す必要は」
「甘いですよザンサク。私はもうあなたのためならなんでもすると誓いましたしあなたに敵対するものは全て斬ると決めています。どこぞのチンピラだろうがなんだろうが容赦はしません。それにザンサクを殺すとか言うのだからすでに死ぬ覚悟もできているはずです。ね?君もそうだろ?」
笑っていた男の首をはねられたのを見たもう1人の男はあまりの恐怖にその場でしりもちをついて
「ご、ごめんなさい、ゆ、許して。お願いだから、殺さないでぇぇぇ」
男はゆっくり後退りながら言うがカムは容赦なく男に近づき
「残念ながら死んでもらいます。恨むならザンサクを狙うことを決めたことを呪いなさい。その日にあなたたちの死は決まったのだから」
カムはそう言ってもう1人の男の首も容赦なくはねた。