大魔王化
「荷物持ち。貴様には感謝してもしにきれんな。あの時殺さないでいて正解だったよ」
タガルムはオサムが巨大な翼に覆われた瞬間に俺に言う。
「なぁ。一つ聞いていいか?オサムは死んだのか?」
俺は体が変化していくオサムを指差しながらタガルムに聞くとタガルムは
「ああ。欲しいのは肉体だけだからな。大魔王様が目覚める際には奴の意識と存在はすでになくなっている」
「そうか。ならば自動追尾型魔法剣ストレア!」
俺はストレアをリュックから取り出して巨大な翼に覆われたオサムの体に向かって投げる。
「そうはさせないよ」
タガルムは風でストレアの軌道を逸らし壁に向かってつきささせる。
「邪魔をするなよタガルム」
「それはこちらのセリフだ。ここまで私は協力してやったのだから貴様らも大魔王様を目覚めるのを待つのがどうりではないかな?」
タガルムは俺の前に立っていい俺は
「馬鹿か。みすみす大魔王と呼ばれる魔族の王らしきものをそのまま目覚めさせるにはいかないだろう」
自動追尾魔法剣ストレアは壁から抜けるとタガルムの気配をたどってタガルムに斬りかかる。
「そうだったそうだった。貴様の持つ自動追尾型魔法剣は生き物の気配を辿るんであったな」
タガルムはストレアを受け止めながら俺に言う。俺は
「ミクロシア!先生!マガ爺。3人とも力を貸してくれ!」
「ふむ。我を呼んだかザンサク」
傲慢な自信のスキル発動中のミクロシアが俺に近づき尋ねてくる。
「俺は何とかしてタガルムの攻撃を防いでいるからその間にあの大きな翼に覆われた勇者を翼ごと破壊してきてくれ」
「了解だ。だがそれをするのは我ではない。風の魔王将の相手は我ら3人に任せてもらおう」
ミクロシアが言うといつのまにかミクロシアの後ろにいた2人が頷く
「いや俺があいつをひきつけるからその間にあれを」
「馬鹿め。我がそのようにお前をむざむざ死なせたりはしない。我1人でも良いがもしも、奇跡的にもしもだ。我がやられたとしてもこの2人ならこやつにも対抗することができるからな」
「ミクロシアチャァンの言う通りだわぁん。ザンサクちゃあんは勇者を完全に消しちゃってぇん」
ミクロシアの後にゼグラが俺に言う。
「・・・すまない!ありがとう」
「礼など良い。それよりトドメを譲るんだ。ちゃんとやるんじゃぞ」
俺はマガ爺に「まかせろ!」と親指を立てていった後ゆっくりとオサムだった翼に覆われた体に近づき
「じゃあなオサム。仲間だったよしみだ。一撃で終わらせよう。能力開放」
俺はストレアを握って能力解放を使い、俺とオサムだったものがいる2人だけ存在する結界を作り出した。