勇者の最期
「そう!お前たちがあの時帝国にきたのはまさに私たちにとっては運命だった!今の勇者より前の世代の勇者のせいで大魔王様は自らを封印するまでの致命傷をおってしまった。その際体も破棄することにし帝国の地下にて何年も何十年も何百年も器が来るのを待った!大魔王様に適合できる最高の肉体を。そしてやっと、やっとのことで大魔王様に対応できる器を見つけたのだ。そして大魔王様はこやつにやどったはいいがどうやら契約を交わしていてな。それは常に自分に従うよき世界をつくるまでは体はやれないと大魔王様に言ったそうだ」
「な、何を。何を言って。それにオサムが体に大魔王を取り込んでいるのを知らないならなぜタガルムがその条件を」
「それはな。荷物持ち。お前のおかげだよ」
俺を真剣に見ながらタガルムは言う。俺とタガルムが話さしている間にふらふらになりながらもマガ爺とゼグラは俺たちのいるところにまで歩いてくる。
「俺のおかげだと?」
「そうだ。やつは荷物持ちのお前に対してお前に負けたということがストレスになるとなぜか大魔王様の意識が表に出てきてない。それでこの条件を教えてくださったのだ。そしてもう少しで器が完成するとも。あの苦しみ方は変化の余波にすぎない」
タガルムはオサムを指差しながら言う。
「あ、あ、がが、なん、だ、これ、は。俺の、身に、いったい、なに、が。ぐ!せ、せなか、せなかがかゆ、いぃぃぃぃぃ」
オサムは急に背中をかいて苦しみ出し、タガルムはそれを見て
「ふむ。どうやら大魔王様は器に少しでも早く馴染むために体を変化させるようだな。まぁ勇者の最後だ。荷物持ち。ちゃんと看取ってやれ」
タガルムはそれだけ言うと一度王の間から出て俺はオサムに近づく。オサムは苦しみながら俺を見て
「お、い。何、してるん、だよ。はやく、助けろ、よ。俺たち、なかま、だろ?」
「確かに俺とオサムは仲間だったがパーティーを追放したのはお前じゃないか。オサム」
「す、すまない。あれは、ほかの、3人、に言われて、なんだよ。俺は、今でも、お前の、ことを、仲間、だと」
俺を指名手配したり追放して数日は3人とも俺を酷い目に合わせておいて自分が酷い目にあうとたすけろだと?流石にそこまで俺は寛容にはなれないな。
「今までのつけが来たんだ。まぁ仲間として最後に言っておこう。出来るだけ苦しまずに逝けよ」
俺はオサムに吐き捨てるとオサムは
「この、クソ荷物持ちやろうがぁぁぁぁぁあ」
オサムは最後に叫ぶとオサムの体は急に背中から生えた翼で覆われた。