勇者オサムの変化
オサムがミクロシアに殴られるのを俺は見ている間俺の近くにいたタガルムは不気味に笑いながら
「もうすぐ。もうすぐだ。もうすぐ私達魔族の悲願がかなう。やっと、やっとだぞ。ふ、ふふ。さぁ。やるんだミクロシア。勇者を殺さない程度にやり続けろ!」
タガルムは笑いながらもミクロシアに大声で言う。
「待てタガルム。俺が奴を倒さないと意味がないんじゃないか?」
「ああ。お前の仲間に倒されてもいい。ようは勇者にストレスを、お前に仲間がいて荷物持ちの仲間にやられるという事実があればそれでいい。本当ならお前の方が手っ取り早いんだがあの人間。私たち魔族に匹敵する並に強いのだからぜいたくはいっていられまい。それに思いのほか効果はありそうだからな」
タガルムは俺に言うとミクロシアのいる方角を見て俺もミクロシアのいる方角を見つめる。
ミクロシアはずっと馬乗りになりながらオサムを殴り続けて数分後ミクロシアは俺とタガルムのいるところに吹き飛ばされてきた。
「ミクロシア!」
「う、ぐ。この我が飛ばされるとは。驚きだ」
ミクロシアは驚きながらも何とか起き上がるとオサムのいる方角をみる。オサムはなぜかもがき苦しんでいた。
「あ、ぐぅあ、ああ、あああ!」
「やつはなぜあんなに苦しんでいる。答えろ魔王将」
ミクロシアがタガルムに言うとタガルムは不敵に笑いながら
「ふ、ふふふ、ふふふ。やっと、やっとお目覚めになられるのだ!我らが王。大魔王様が!」
「大魔王が目覚める?そんなばかな。なぜオサムがあんな苦しみだしてそれが大魔王が目覚めるのと関係が?まさか生贄か?」
話を聞いていた俺がタガルムに聞くとタガルムは
「荷物持ち。お前さっきあの勇者がなぜあんな強くなったか驚いていたよな?なぜだと思う」
「は?今その話は関係あるのか?」
「ある。多いにある。あれはな大魔王様の力さ。やつは大魔王様の力をつかってお前たちと戦っていた。そしてそれはやつ自身も知らぬこと」
タガルムは俺に説明し俺はタガルムに質問攻めする。
「オサムも知らないとはおかしいだろ。ならなぜ大魔王がオサムと関係しているかも分からないじゃないか」
「ふ、ふふふ。やつは一度死にかけているのさ。お前とまだパーティーを組んでいた頃にな。やつは一度、死にかけた時があったろ?帝国に貴様らが遊びに向かったさいかな?まぁそれは私は知らないがな」
「帝国に遊びに?・・・ま、まさか」
一度、一度だけ俺がまだオサムたちとパーティーを組んでいた頃、オサムは帝国の兵士に襲われ死にかけた時があった。あの時オサムはもうダメだと思っていたのだがまさか
「そう。その表情。おそらくはお前の予想通りだ荷物持ち。勇者オサムは一度死んでいる。帝国の兵士に殺されたことでな!」
タガルムは笑いながら説明を続けた。