マガ爺の剣
タガルムとマガ爺が剣を抜き合い向き合うなかミーナの顔、体についていた泥が落ちていく。
「人間。貴様らの仲間の泥は落ちた。だから早く自動追尾型魔法剣シビルを渡せ」
「・・・わかった」
俺はタガルムに近づくとリュックから自動追尾型魔法剣シビルをとってタガルムに渡す。
「ふむ。たしかに受けっとった。では次に勇者を倒してもらうぞ」
タガルムは俺からシビルを受け取った後背中に担いで俺たちに言う。俺がタガルムから離れるとタガルムに剣を向けていたマガ爺がタガルムに斬りかかり
「お主に強制される筋合いはないのじゃ。わしはわしの意思で奴を斬る。邪魔をするなら容赦はせんぞ」
「ならば貴様は今ここで殺しておこうか?あん?人間」
タガルムはマガ爺の攻撃を剣で受け止めながら互いに睨み合う。
「ゼグラ、ザンサク。お主らは手を出すな。こいつは今ここでわしが斬る!」
「ほう。貴様のような人間のジジイに私が斬れると?図にのるなよ人間。私からすればさっきのクソババアなどの準備運動にもならないくらいの力しか出しておらん。私を本気で倒したいなら私をまず本気にさせるんだな!」
タガルムはマガ爺を剣ごとおしかえすと自動追尾型魔法剣カマイタチを一振りする。
「わしの剣を舐めるな。お主の剣ほど優れてはおらぬが」
マガ爺は剣を抜き一振りし、タガルムの放った風の刃を両断する。
「ほう。両断したか。防いだのではなく」
「そうじゃよ。わしの剣は自動追尾型魔法剣とやらよりは強くはないがわしの剣は魔剣、じゃからな」
「魔剣、だと?ばかな。魔剣は大魔王様が全て大魔王様が封印される前に破壊したはず!魔剣は私たち魔族には使えず魔族を殺すためだけに生み出された剣。魔族を殺すことには特化しているがそれ以外にはそこらへんの剣と変わらない魔族殺しの剣」
「ご名答じゃ。わしのこの魔剣はアワステルン王国先代の王に渡されてのう。この魔剣でお主を斬る!」
マガ爺はタガルムに斬りかかるとタガルムはマガ爺の攻撃を受け止めず避け始める。
「どうしたんじゃ?最初は受け止めていたはずなのになぜ急に避け出すんじゃ?なぁ?教えてくれんかのう?この老ぼれにもわかるようにのう!」
「嫌味かジジイ?その魔剣、改造してあるだろ?一撃受け止めたあたりから身体がやけに重いんだが」
タガルムはマガ爺に言うとマガ爺は
「ふぉふぉふぉ。この魔剣、名はグラビィという魔剣でのう。当てた相手の武器、体を重くすることができるんじゃ。一撃一撃は軽いがのう。じゃが何度も何度も当てられれば体は次第に重くなりどれだけ強い魔族であろうと立っていることがやっとになるんじゃよ。まさに魔族を苦しめて殺すお主らにとってはまさに魔剣よのう」
マガ爺は軽く笑いながらタガルムに言った。