ミーナにかけられた魔法
「どうするよ?あいつたしかに強いは強いが本当に約束を守るかはわからないぞ」
俺はタガルムの協力についてみんなに相談する。まずゼグラが
「あたしはぁん戦ったことのあるぅんザンサクちゃあんにぃん任せるわぁん。マガ爺達はどうかしらぁん?」
ゼグラはマガ爺、ミクロシア、ミナギに聞くと3人とも「異議なし」と言った。
「みんなあなたに任せると決めたからぁん。任せたわよぉん。ザンサクちゃあん」
「わ、わかった。ありがとう」
俺はゼグラ達に礼を言った後タガルムと話す。
「それで。決断はできたのか?人間」
「俺は魔族を、ましてやオサムの命令に従う奴らを信用などできない。だからこうしないか?お前がミーナに泥の魔法?とやらをかけたやつをどうにかしてくれたらこの自動追尾型魔法剣シビルは返そう」
俺はリュックに一度しまった自動追尾型魔法剣シビルを取り出しタガルムに見せる。
「ふむ。まぁいいだろう。その程度で渡してくれるのであれば問題ない」
タガルムはあっさり承諾し俺は思わず驚く。
「問題ないって。お前味方を裏切るんだぞ?いいのか?」
「ふん。私は仲間なら殺すつもりはないが。私の判断基準の話なんだがな。私はたとえ同じ種族の魔族であろうと私が味方と判断しなければ容赦なく殺す。それだけの話だ。ちなみに言っておくがそこの女に泥の魔法をかけたやつは魔族ではない。勇者が連れてきた人間で言えばクズみたいな魔法使いだったな。綺麗な女を汚すのが趣味らしいぞ。一度会ったことはあるがあれほど気持ちの悪い人間に会ったことはないからな」
タガルムはミーナに泥の魔法をかけたやつについて説明する。
「人間がこんな魔法を使うなんてぇん聞いたことないわねぇん」
俺とタガルムの会話にゼグラが割り込む。
「本当だとも。私達魔族は大魔王様の意思、命令には従うが勇者に従う義理はない。よって勇者が連れてきた人間がどうなろうとも構わないさ」
タガルムはそれだけ言うと「ついてこい」と俺たちにいい、俺たちはタガルムについていく。
タガルムについていきながらも俺たちは一応それなりにタガルムと距離をおきながらついて行く。
「安心しろ。私は卑怯な殺しはせん。やるなら正々堂々とだ」
は?正々堂々?1番最初に出会った時氷漬けになったギルドマスターを砕いたようなやつのセリフか?
俺はタガルムを睨んでいるとタガルムは
「そう睨むな人間。あの時のことを思い出しているんだろうがあの時のことは忘れてくれ。私とてあんなことをする必要がなかったがしなければならなかったんだ。さて着いたぞ」
タガルムはある一室の前で止まり、ドアを勢いよく破壊した。