地下牢での再会
レベル2にある牢屋にたどり着くと俺は牢屋を見ながら歩いていると俺の知っていた顔のやつが1人ポツンと座っていた。
「ミナギ!おいミナギ!」
俺は思わず牢屋を掴んで叫ぶ。俺の腕はまだ腐食魔法の効果が続いていたので掴んだ際に牢の鉄が腐って溶ける。
「・・・誰だ?私の名を呼ぶやつは」
「俺だよミナギ!俺俺!」
「・・・あれか?新手の詐欺かなんかで俺を騙そうとでも?」
久しぶりに見たミナギの顔は死んでおり何もかもに絶望したような顔をしていた。
「違うよ。ザンサクだよ。お前まだ牢屋の中にいたのかよ。アレク殿が助けに来てくれなかったのか?」
「・・・アレク殿?来ていないよ。それで私をどうするんだザンサク」
「どうするも何もここからだすに決まってるだろ。ゼグラ先生!」
俺はゼグラを呼ぶとゼグラは
「なぁにぃん。ザンサクちやぁん」
「俺はミナギと話したいので5人は先に向かって下さい」
「・・・だめよぉん。私がここで待っててあげるわぁん。ザンサクちやぁん1人じゃ心配だからねぇん。マガ爺、アラグラ。2人は先に行っててもらえるかしらぁん」
マガ爺は「了解じゃ」と返事し、アラグラは「えー。だるいー。脳筋がいるなら私もここにいるー」と答えるとマガ爺はアラグラの服の襟首を掴んで引きずりながら俺たちから離れて先に進む。
「マガ爺も気がきくわねぇん。あんな運び方してくれるとわぁん」
「・・・あれでいいなら何もいわないけど。ミナギ。さぁ、俺たちとここから出よう」
俺はミナギに言うとミナギは
「・・・ザンサク達だけで行くといい。私はもうここから出たいと思わん。店は目の前で潰されて私はもうこの王国に絶望したんだ。だからもうほおっておいてくれ」
ミナギは俺を見ながらいい、俺は
「・・・一度店を潰されたくらいでお前は人生を諦めるのか?」
「あ?ザンサクには分かるのかよ!私の武器達が目の前で壊されたりした後に店を潰す。そしてそれを何もできずただ見るだけしかできなかっただけの悔しさが!お前にはわかるのかよ!ザンサク!」
ミナギは俺に怒鳴り、俺は
「ミナギの武器達に対する愛は本物だろうからそれは悔しいとは思うさ。だがそれで終わりでいいのか?悔しいだけで。復讐したいとは思わないのか?」
「復讐?ふふ。おかしなことを言う。私には戦う力はない。なのにどう復讐しろと?」
ミナギは呆れた顔で俺にいい、俺は
「そんなことをいうなら俺にだって戦うスキルはない。ただの荷物持ちだよ。だけど道具次第で俺は戦える。お前は違うのか?ミナギ」
「・・・。私はお前とは違う。武器や防具を作るために冒険者などの仕事はせず全て武器防具を作ることに打ち込んできた。戦いなんてろくにしたことがない」
ミナギは絶望するように俺に吐き捨てた。