筆頭魔法使いゼグラ
「はぁー。だるいよ。ほんとに来たよ。はぁー何でネクラ様は僕に面倒ばかり」
階段で座っていた男は立ち上がりこっちに向かって歩きながら何かをぼやく。
「君たちー。だめじゃないかー。牢屋で大人しくしてないとー」
男は近づいてきて俺たちに言う。
「あらぁん。しらないよぉん。大体なんであたし達がぁんあんたらのぉん言うことを聞かないとぉんいけないのかしらぁん」
「うるさい人間だ。もうちょいハキハキしゃべれないのかよ。あーだるぃ。こんな変な人間かもわからないようなやつの相手とは」
男は言うとゼグラは両腕に担いでいたミクロシアとミーナを床に下ろして
「ザンサクちゃあん。あれの相手わぁんあたしがするわぁん2人のことよろしくねぇん。一応アラグラを盾にすればぁんアラグラが攻撃をどうにかしてくれるだろうしぃん。ザンサクちゃあんはまだ他の人に触れちゃだめよぉん。腐食魔法の効果がまだ続いてるからぁん」
俺はゼグラの言葉に「わかった」と返しゼグラは俺たちに近づいてきた背中に羽が生えた男に近づく。
「お前が僕の相手かい?よくわからない人間」
「ええそうよぉん。人間のこの美学がわからない魔族。あたしの名前わぁんゼグラよ。あなたわぁん」
「ふわぁ」とあくびをしながら男は
「だるいから教えたくないけど名乗るのが礼儀だろうから教えてやる。僕の名はクラク。九魔王将の1人、ネクラ様の部下だ。よく覚えておけ。それじゃ長時間相手をするのだるいからとりあえず早く死んでくれ」
クラクと名乗った男は腰に装備していた剣を抜くとゼグラに斬りかかる。ゼグラは男の攻撃を避けた後、クラクの剣を握る腕を掴んで「ふんっ!」と言って力を込める。
「い、いたたた!離せ!この馬鹿人間!」
「あらあらん。この程度なのかしらぁん。あたしの職業魔法使いなんだけどん。まだ魔法は使ってないわよぉん。九魔王将?とかの部下も大したことはないのねぇん」
「舐めるなよ人間!お前みたいなわけわからんようなやつにスキルは使いたくはなかったけど仕方ない。くらえ!ダークレーザー!」
クラクは掴まれていない逆の手で黒いレーザーのようなものを出そうとするが黒いレーザーを出される前にゼグラは掴んでいたクラクの腕を握り潰す。
「ぐ、ぐぉぉ!ぼ、僕の!僕の腕がぁ!」
クラクは痛みのあまり黒いレーザーを溜めていた腕をゼグラに向けていたのが天井に向いてしまい天井に放ち、天井は黒いレーザーで穴が空き、クラクは天井が砕けた瓦礫の下敷きになってしまう。
ゼグラはクラウの腕を握り潰した後クラクの剣を拾っておきそれをマガ爺に渡す。
「流石は筆頭魔法使いじゃ。あれぐらいの敵は容易じゃったか」
「ええ。あれぐらいわぁん簡単よぉん。ただ言い方がイラついたから少しやすぎちゃったわぁん。ささ、先に進みましょぅん」
俺はゼグラの戦闘を見てこいつは化け物かよと思ってしまった。