第2回戦?
舞台から降りたロキシスは、早く出番が来ないかとイライラしていた。
「ったく、何時までちんたら待っていなきゃならないんだ?」
舞台上では第1回戦の残りの試合が行われていたが、ロキシスには関係ない。誰が相手でも殺すつもりで挑む、その覚悟でいた。
「仕方ない、出番まで寝るか。」
控え室に戻って椅子に座り、眠りにつくロキシス。無論、プロテクトの魔法を自分にかけて。
「どうせ1時間や2時間じゃないだろうし、ゆっくり眠れそうだ。」
暫く腕を組んで眠っていると、
「おい、そこのお前。」
と、声が聞こえる。しかしロキシスは微動だにしない。
「聞こえてねえのか!」
そう言って殴りかかる男。しかし、ロキシスに当たる前に障壁に防がれてしまう。
「なっ、なんだ!?」
「うるせぇなぁ、静かにしろよ、こっちは寝てるんだよ。」
「うっ、うるせえ!ちょっとは腕がたつみてぇだが、大人しく棄権した方が身のためだぜぇ。」
「ほぅ、即ちお前が次の相手か?」
「だったらなんだ?」
ロキシスは腕組みを解いて男の腹にパンチを叩き込んだ。
「ぐへぇ!」
男は体をくの字にして、泡を吹いて倒れ込んだ。
「俺の睡眠の邪魔をするな。次、同じ事をしたら殺すぞ?」
そう言って再び眠りについた。殴られた男は微動だにしなかった。
それから1時間後、
「ロキシス殿、対戦相手が…おや?」
相変わらず眠っていたロキシスがその声で起きると、さっき殴った男はまだそこにいた。
「ふむ、どうやら戦いは終わってるようですね。」
「まだやるのか?」
「いいえ、3回戦まで進んだことにします。」
「そこのゴミ、片付けておいてくれ。」
「解りました。」
倒れた男を連れて、係員が下がっていった。
「やれやれ…」
そう言って、再び眠りにつくロキシスだった。
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